By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。
もしかすると、みなさんポケモンの新作のことで頭がいっぱいなタイミングかもしれませんが(少なくとも僕はそうです!)、18日深夜には世界中のマジックプレイヤーたちが待ちに待った(?)禁止改定が発表されました!
今回禁止・制限リストに名を連ねることになったのは以下のカードたちです。
スタンダード
《王冠泥棒、オーコ》禁止
《むかしむかし》禁止
《夏の帳》禁止
ブロール
《王冠泥棒、オーコ》禁止
レガシー
《レンと六番》禁止
ヴィンテージ
《覆いを割く者、ナーセット》制限
いや多いな。スタンダードはかねてよりフードデッキが支配的な立ち位置を盤石なものとしていたことから、大方の予想通り《オーコ》が禁止されることとなりました。
また、環境の二番手についていたのも黒緑出来事など緑系のデッキだったことから、緑という色そのもののパワーレベルを少し下げる禁止内容となっています。これにより、《オーコ》禁止後に黒緑出来事がそのままメタゲーム上位にスライドする危険性は減ったでしょう。
他にも注目すべきはレガシーでの《レンと六番》の禁止です。2マナと非常に軽い上にアドバンテージを稼ぎ続ける+能力を持ち、《不毛の大地》とのシナジーは極悪の一言に尽きる強さを誇りました。
さらに数多のタフネス1クリーチャーを環境から締め出した張本人であり、レガシー環境においては「やり過ぎ」な1枚だったと言えます。
地味にレガシーで初となるプレインズウォーカー禁止ということで、ある意味《精神を刻む者、ジェイス》を上回るインパクトを残してくれました。
環境の中心にあったカードが禁止されたことで、スタンダードとレガシーは再び新環境に差し掛かったと言えるでしょう。カードが禁止されることには賛否両論ありますが、個人的にはカードプールがほとんど変わることなく新鮮な環境でゲームが楽しめるのでわりと嫌いじゃないです。
さて、スタンダードは長らくコントロールにとって逆風の吹く環境でしたが、緑系のデッキが弱体化したことで、打ち消し呪文や除去を多数搭載した古典的なコントロールデッキが台頭する可能性があります。
そこで、今回はスタンダードのコントロールデッキを見ていきたいと思います。
二代目スタンダード東海王決定戦
こちらは皆さんご存知、大手マジック専門店である晴れる屋さんの仙台店で行われた大会です。ちなみに、この連載を見ていただいている方なら知っている方も多いかもしれませんが、大会の結果などはこちらからご覧になれます。ローカルなトーナメントではありますが、こうした大会の結果をキュレーションしてくれているのも晴れる屋さんならではですね(ステマではありません)。
本大会が開催された時点ではまだ禁止改定前の環境でしたが、ここで上位に入賞していたデッキは禁止改定後の世界で活躍が期待されるティム―ル荒野の再生でした。さっそくデッキリストを見ていきましょう。
ティムール《荒野の再生》(使用者:Yanagida Takuto選手) | |
---|---|
枚数 | カード名(メインボード) |
4 | 《繁殖池》 |
4 | 《蒸気孔》 |
4 | 《踏み鳴らされる地》 |
4 | 《神秘の神殿》 |
3 | 《天啓の神殿》 |
2 | 《ヴァントレス城》 |
2 | 《山》 |
2 | 《島》 |
1 | 《砕骨の巨人》 |
1 | 《厚かましい借り手》 |
2 | 《パルン、ニヴ=ミゼット》 |
4 | 《選択》 |
4 | 《成長のらせん》 |
3 | 《霊気の疾風》 |
1 | 《否認》 |
4 | 《神秘の論争》 |
4 | 《発展 // 発破》 |
3 | 《炎の一掃》 |
4 | 《薬術師の眼識》 |
4 | 《荒野の再生》 |
枚数 | カード名(サイドボード) |
1 | 《霊気の疾風》 |
2 | 《否認》 |
1 | 《覆いを割く者、ナーセット》 |
2 | 《夏の帳》 |
1 | 《魔術遠眼鏡》 |
1 | 《炎の一掃》 |
2 | 《丸焼き》 |
3 | 《恋煩いの野獣》 |
2 | 《夜群れの伏兵》 |
こちらはティムール《荒野の再生》デッキ。この連載が始まったばかりの頃、vol.5でもちょろっと説明したデッキです。
デッキ名にその名を冠する《荒野の再生》をキーカードに据えたデッキであり、《荒野の再生》設置後に大量のマナを投入した《発破》で決めるコントロールデッキとなっています。
以前であればこの大量マナを注ぎ込んだ《発破》も《夏の帳》1枚に事実上打ち消されてしまったり、フィニッシャーである《パルン、ニヴ=ミゼット》が《王冠泥棒、オーコ》によって大鹿にされてしまったりと散々な目に遭わされてきましたが、これらのカードが禁止された現在の環境では相対的に立ち位置が向上しています。
このティムール《荒野の再生》というデッキ自体、『ドミナリア』~『ラヴニカのギルド』環境でも環境の中心にあったデッキでした。ローテーションの影響もなかったとは言えませんが、《荒野の再生》と相性のいい《パルン、ニヴ=ミゼット》と《発展 // 発破》は依然として環境に残っており、さらにこのデッキの弱点の一つであったアグロデッキへの耐性の低さも『基本セット2020』の《炎の一掃》によって若干ですが改善されています。
また、『エルドレインの王権』の新カードである《厚かましい乗り手》や《砕骨の巨人》などもこのデッキと相性のいいパーツです。マナベースだけは不安があるものの、おそらくその点については今後さらにシェイプアップされていくことでしょう。《オーコ》なき環境では、ティムール《荒野の再生》をはじめ、青いミッドレンジ~コントロール系のデッキも活躍が期待されますね。
ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。
MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。
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