By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。
先週末にはミシックチャンピオンシップVが開催されました&スタンダードの禁止カードが発表されました。されましたが、もう一旦その話は後にするとして……(どちらも重大イベントではありますが)新フォーマットの発表がありましたね!!
週刊連載という形なので私からは週に1本しか記事をお届けできていませんが、今回はちょっと2〜3本に分けて記事にしたいレベルです。とりあえず概要を見ていきましょう。
【お知らせ】 新フォーマット「パイオニア」を発表いたします! 『ラヴニカへの回帰』以降のカードを用いるローテーションなしのフォーマットが、テーブルトップ・マジックとMagic Onlineに導入されます。詳しくは記事をご覧ください! https://t.co/Kzk9j3uFsf #mtgjp pic.twitter.com/NvaF8tcS3U
— マジック:ザ・ギャザリング (@mtgjp) October 21, 2019
「パイオニア」登場!!
ツイートにもある通り、この「パイオニア」は2012年に発売された『ラヴニカへの回帰』以降のカードを使うローテーションのない新フォーマットです。というか『ラヴニカへの回帰』ってもう7年前のセットなんですね、私も歳を取るはずですね……という冗談は置いておいて、パイオニアは過去7年間の間に発売されたスタンダードリーガルなカード全てが使用できるというプチモダンとでも言うべきフォーマットです。
モダンも今や16年前のカードを集める必要があるフォーマットということで、参入障壁の高さはかねてよりユーザーの間でたびたび議論を呼んできましたが、ここにきてスタンダードとモダンの中間にあたるフォーマットが誕生するとは……いやはや、マジックといえば誕生から26年も経った老舗TCGではありますが、こうした大きな変革を毎年のように続けているのはすごいことですよね。
「パイオニア」に関する詳細については公式の記事(※リンク先は外部サイト)をご参照ください。フォーマット開始にさしあたってフェッチランドは禁止されているようですが、それでもギルドランドやバトルランドは健在なので多色化は容易ですし、あるいは『テーロス』ブロックの信心デッキが活躍する可能性も大いにあります。今後パイオニア環境がどのようなメタゲームを形成していくのか楽しみですね!
さて、新フォーマットについても気になるところですが、今回の記事では先週末に開催されたミシックチャンピオンシップVの結果を見ていきたいと思います。
ミシックチャンピオンシップV
さて、先週末に開催されたミシックチャンピオンシップVで見事に優勝を収めたのはハビエル・ドミンゲス選手でした。これで昨年の世界選手権2018から二度目となる戴冠ですね。ハビエル選手、強すぎるのでは?
FERVENT CHAMPION #GRUUL #MythicChampionshipV pic.twitter.com/OMmQqD6kXR
— Javier Dominguez “Thalai” (@JavierDmagic) October 21, 2019
今回のミシックチャンピオンシップでは青緑系のデッキが猛威をふるい、中でも《不屈の巡礼者、ゴロス》を使用したランプ系デッキのキーカードである《死者の原野》などは今週の頭に禁止されたりもしました。デッキの戦略自体が攻防ともに優れており、かつ対策もしにくかったので、特に厄介な1枚である《死者の原野》禁止には納得です。
とはいえ、そんな青緑時代にハビエル選手が握ったのはグルールアグロという赤緑のアグロデッキです。一体どのようなデッキなのか、さっそく見ていきましょう。
グルールアグロ(使用者:ハビエル・ドミンゲス選手) | |
---|---|
枚数 | カード名(メインボード) |
10 | 《森》 |
9 | 《山》 |
4 | 《踏み鳴らされる地》 |
4 | 《生皮収集家》 |
4 | 《ザル=ターのゴブリン》 |
4 | 《グルールの呪文砕き》 |
4 | 《砕骨の巨人》 |
3 | 《スカルガンのヘルカイト》 |
4 | 《探索する獣》 |
3 | 《楽園のドルイド》 |
2 | 《クロールの銛撃ち》 |
4 | 《むかしむかし》 |
3 | 《争闘 // 壮大》 |
2 | 《エンバレスの宝剣》 |
枚数 | カード名(サイドボード) |
2 | 《夏の帳》 |
1 | 《変容するケラトプス》 |
2 | 《打ち壊すブロントドン》 |
2 | 《ショック》 |
2 | 《レッドキャップの乱闘》 |
3 | 《ドムリの待ち伏せ》 |
3 | 《恋煩いの野獣》 |
グルールアグロの体現する戦略は至ってシンプル。赤=攻める色、緑=強いクリーチャーの色ということで、赤緑=強いクリーチャーで攻めるデッキというところですね。『エルドレインの王権』の新カードによって、そんな単純な戦略にもさらにエッジが効かされています。
特に3マナ以上のクリーチャーは稀に見るオーバースペックなクリーチャーが揃っており、序盤は除去も兼ねる《砕骨の巨人》や、中盤の盤面作りから終盤の押し込みまで有用な《グルールの呪文砕き》など、強力クリーチャーが目白押しです。これらのクリーチャーで攻め立て、《スカルガンのヘルカイト》や《探索する獣》といったクリーチャーで止めを刺すというのが、このデッキの基本にして王道の戦略です。
《スカルガンのヘルカイト》はこのデッキでは数少ない航空戦力でもあり、地上が止まってしまった場合でも空から強力な一打を浴びせることが可能です。また、《探索する獣》も言うまでもなく強力なクリーチャーで、プレインズウォーカーもろとも対戦相手の盤面を一掃することができます。
また、デッキには《エンバレスの宝剣》も採用されているのがポイントです。重めのコストから「ロマンカード」という見方が強い1枚でしたが、書いてある事自体が非常に強く、このミシックチャンピオンシップで実際に《宝剣》が機能しているところを見て感銘を受けたというプレイヤーも少なくないのではないでしょうか?
漫画『デュエルマスターズ』にて、かつては切札勝負くんも赤緑ステロイドを愛好していた時代がありましたが、いつの時代もこのカラーリングのデッキは凄まじい攻撃力で我々の心を魅了します。なんと言っても、今回は「青緑系のデッキに対するレジスタンスが優勝」という点がドラマがあっていいですよね。《死者の原野》も禁止されたことですし、今後はこのグルールアグロも注目のデッキです。
ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。
MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。
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