By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。
今週末にはアメリカ・カリフォルニア州ロングビーチにて、いよいよミシックチャンピオンシップⅤが開催されます。『エルドレインの王権』環境初となるミシックチャンピオンシップということで、この大会の結果によってメタゲームが定義されることになるでしょう。
ちなみに今回はすでに参加者全員のデッキリストも公開されています(※リンク先は外部サイト・英語ページ)。ここから気になるデッキを見つけておくのも、観戦を楽しむためのポイントの一つですよ。
ちなみに、今回は参加者64名のうち23名がvol.31でもお伝えした《不屈の巡礼者、ゴロス》入りのバントランプデッキを選択しているようです。現環境は白青緑という色の組み合わせ自体が非常に強力で、《時を解す者、テフェリー》や《ハイドロイド混成体》といった攻防一体のフレキシブルなカードが多いために、あらゆる戦略に対応できるポテンシャルを秘めています。
さて、せっかくデッキリストをご紹介するのにトップメタのデッキを改めて解説するというのもつまらないですよね。今回はこのバント《ゴロス》ランプに対抗できるだけのパワーを持ったデッキがないか見ていきましょう!
ミシックチャンピオンシップⅤ(スタンダード)
《ゴロス》デッキの多さもさることながら、今大会では参加者68名中47名が《ハイドロイド混成体》入りのデッキを使用しています。先述の通り、《ハイドロイド混成体》はその能力の全てがアドバンテージに直結しており、雑に強い1枚です。
しかし、そんなシミックカラー(緑青)を含むデッキが幅を利かせている状況にあってもレジスタンスはいるものです。中でも暴力・ザ:ギャザリングでお馴染みのジャンドデッキなどは、現環境の対抗馬として期待できます。
さて。世界最高の舞台、ミシックチャンピオンシップに現れたジャンドデッキ。今回はそのデッキリストを見ていきましょう。
ジャンド・ミッドレンジ(使用者:カレブ・ダーウォード選手) | |
---|---|
枚数 | カード名(メインボード) |
3 | 《山》 |
4 | 《森》 |
4 | 《踏み鳴らされる地》 |
4 | 《寓話の小道》 |
4 | 《血の墓所》 |
4 | 《草むした墓》 |
1 | 《沼》 |
4 | 《探索する獣》 |
4 | 《スカルガンのヘルカイト》 |
4 | 《グルールの呪文砕き》 |
4 | 《砕骨の巨人》 |
4 | 《朽ちゆくレギサウルス》 |
1 | 《変容するケラトプス》 |
4 | 《リックス・マーディの歓楽者》 |
4 | 《成長室の守護者》 |
1 | 《軍団の最期》 |
3 | 《争闘 // 壮大》 |
3 | 《エンバレスの宝剣》 |
枚数 | カード名(サイドボード) |
3 | 《軍勢の戦親分》 |
3 | 《溶岩コイル》 |
3 | 《強迫》 |
3 | 《害悪な掌握》 |
1 | 《軍団の最期》 |
2 | 《夏の帳》 |
ジャンドとは、赤緑黒の3色で構築されるグッドスタッフ(いいとこ取り)のデッキです。過去にもフォーマットは違えどvol.19でご紹介したことがありましたね。
高いカードパワーで対戦相手を圧倒する豪快なゲームプレイが持ち味のデッキですが、カレブ選手のジャンド・ミッドレンジはよりエッジの効いた構築となっており、素早く対戦相手を殴り倒すアグロデッキのような構成になっています。
特にカードプレビュー時点から下馬評の高かった《探索する獣》が4枚搭載されています。4マナ4/4という構築での採用にも十分耐え得るボディに、思わず「見間違いか?」と思うくらいメリット能力がマシマシになっており、非常に強力なクリーチャーです。
この《探索する獣》は一度プレイヤーに攻撃が通ればそのプレイヤーがコントロールするプレインズウォーカーにもダメージが飛ぶという特殊な能力を持っています。緑青系のデッキには《王冠泥棒、オーコ》や《世界を揺るがす者、ニッサ》といったプレインズウォーカーも多数採用されているため、緑青側は常に《探索する獣》を警戒してクリーチャーをフルタップしてしまわないようなプレイングが強いられるでしょう。
また、約束された勝利の剣《エンバレスの宝剣》も採用されています。6マナというコストは重いものの、《宝剣》自体の能力でコストを軽減できる上、実質的に装備コストがかからず、一度戦場で振るわれることがあれば対戦相手に強烈な一撃をお見舞いすることができます。
《宝剣》は押しているゲームで強い1枚ですが、除去とフィニッシャーを兼ねる《砕骨の巨人》のような新カードも採用されており、序盤から中盤にかけて隙が生まれにくいようなデッキリストになっていると言えるでしょう。
青緑系のデッキは序盤をマナ加速に費やす傾向もあるため、アグレッシブに攻めていけるようなデッキ構成は青緑攻略の鍵となるかもしれません。やはり鍵を握るのは暴力、技を超える限りないパワーですね。果たしてミシックチャンピオンシップでジャンド・ミッドレンジはダークホースとなるのでしょうか? 大会の結果が今から待ち遠しいところです。
ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。
MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。
ドブフクロウのMtGブレイキングアカデミー バックナンバー
|
|