By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。
先週は横浜の地でエターナル・ウィークエンド・アジア2019が開催されました。僕もカバレージライターとして、主にヴィンテージのマッチを書かせていただきました。こちら(※リンク先は外部サイト)からご覧いただけます。宣伝は終わりです。ありがとうございます。
これからしばらく(日本選手権やMythic Championship予選はありますが)マジックのイベントは一段落ついたかな? という感じで、少しだけ落ち着いた日々が過ごせそうです。まぁ、それはそれでここに書くネタがなくなってしまいますが……いや、なくなることはないか。
国内イベントが一段落ついたとしても、毎週末世界のどこかでは大規模なトーナメントが開催されている、というのがマジックの魅力ですからね。我々が飽きさせられることはありません。
飽きさせられることがないといえば、スタンダードでさらに新しいデッキが出てきたと話題です。さっそくデッキを見ていきましょう!
Mythic Championsip V予選
日本時間では8月18日の深夜~8月19日の朝にかけて、Mythic Championship V予選が開催されました。これはMTGアリーナを用いた予選で、日本のプロプレイヤーたちも多数参戦していました。
そんなMythic Championsip V予選で、誰もが驚く新デッキが登場しました。一般的に、新セットが出てから1ヶ月もする頃には環境は落ち着き始めているものなんですが……スタンダードに追加された最新セット『基本セット2020』が発売されたのは7月12日(金)なので、すでに1ヶ月以上が経過しているこのタイミングで、スタンダードはさらに進化を遂げようとしているようです。
しかもそのデッキというのが「これどうやって思いついたの?」と言いたくなるような複雑な動きをするデッキで……デッキについては見てもらったほうが早いですね。さっそくリストをご覧に入れましょう。こちらです!
4色ケシス(使用者:StanCifka選手) | |
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枚数 | カード名(メインボード) |
1 | 《水没した地下墓地》 |
1 | 《神無き祭殿》 |
1 | 《神秘の神殿》 |
2 | 《寺院の庭》 |
3 | 《氷河の城砦》 |
3 | 《神聖なる泉》 |
3 | 《疾病の神殿》 |
3 | 《静寂の神殿》 |
4 | 《繁殖池》 |
4 | 《湿った墓》 |
4 | 《精励する発掘者》 |
4 | 《迷い子、フブルスプ》 |
4 | 《万面相、ラザーヴ》 |
4 | 《隠された手、ケシス》 |
4 | 《モックス・アンバー》 |
4 | 《ケイヤの誓い》 |
3 | 《伝承の収集者、タミヨウ》 |
2 | 《ウルザの殲滅破》 |
4 | 《時を解す者、テフェリー》 |
2 | 《夢を引き裂く者、アショク》 |
枚数 | カード名(サイドボード) |
1 | 《古呪》 |
2 | 《紺碧のドレイク》 |
2 | 《軍団の最期》 |
1 | 《夢を引き裂く者、アショク》 |
2 | 《漂流自我》 |
1 | 《伝承の収集者、タミヨウ》 |
1 | 《神秘を操る者、ジェイス》 |
2 | 《祖神の使徒、テシャール》 |
1 | 《ウルザの殲滅破》 |
1 | 《狼の友、トルシミール》 |
1 | 《不滅の太陽》 |
たまたまではあるものの、先週に引き続いてコンボデッキを取り上げることになりました。とはいえ今回の「4色ケシス」は先週のデッキ以上に複雑、というよりモダンやレガシーまでカードプールを広げてみても、これほど複雑な挙動をするデッキは珍しいと言えます。キーカードは以下の3種。
これだけ見ても全然意味不明だと思われるので、このデッキに搭載されている主なコンボについて解説すると……
- 《精励する発掘者》と《隠された手、ケシス》が戦場にいる。
- 戦場か墓地に2枚以上の《モックス・アンバー》が揃っている。
- 《隠された手、ケシス》の能力を起動し、《モックス・アンバー》をプレイする。
- 《精励する発掘者》の能力が誘発し、自分のライブラリーを削る。
- 《モックス・アンバー》からマナを生み出す。
- レジェンドルールによりもう片方の《モックス・アンバー》が墓地に置かれる。
- 3~6の過程を繰り返し、自分の墓地を肥やしていく。
- 十分に墓地が増えたところで《精励する発掘者》の能力の対象を対戦相手に切り替える。
- これまでの過程で大量のマナが浮いているので墓地にある伝説の呪文を唱え続けることができ、対戦相手をライブラリーアウトさせることができる。
以上の動きで勝利することができます。うん、説明しても意味不明ですね。実際にデッキが回っているところを見れば早いとは思うのですが。
解説は全部英語ですが、デッキのプレイングや動きについて丁寧に解説してくれています。とりあえず勝つところだけ見たいという方は11:18までスキップしてみてくださいね(コンボの性質上、勝つまではとても時間がかかるので、ご飯でも食べながら視聴することをオススメします)。
要するに墓地と戦場をぐるぐると巡回させ、その過程でライブラリーを削っていくコンボデッキです。余談ですが、こうしたコンボは何度も繰り返し呪文を連鎖的に唱えることから「チェインコンボ」(Chain:連鎖)と呼ばれることもあります。このデッキもその亜種と言えますが、チェインコンボは往々にして挙動が複雑なんですよね……。
また、よりコンボの安定性を高めるために《祖神の使徒、テシャール》や《ギックスの信奉者、ローナ》を、追加の勝ち手段として《神秘を操る者、ジェイス》を採用しているリストもあります。
『エルドレインの王権』リリースまで約6週間という時期になってもまだまだ新デッキが出てくるのは凄まじいですね。何と言っても今はスタンダードリーガルなカードが最も多い時期! まだスタンダードには誰も知らない金脈が眠っているかもしれません。《ケシス》コンボ以外にも、変わったデッキが出てくるかもしれませんね!
※記事内の画像はマジック:ザ・ギャザリング日本公式ウェブサイトより引用しました。
ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。
MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。
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