By ドブフクロウ
みなさんこんにちは、MtGライターのドブフクロウです。
いよいよ6月も終わろうとしていますが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか? 梅雨も明け、夏本番もすぐそこです……今年も暑くなりそうだなぁ。
そうそう、夏といえば『基本セット2020』ですね。これはマジックプレイヤーあるあるですが、毎年だいたい1月、4月、7月、10月にスタンダードに新セットが追加されるので、新セット情報が出始めると季節の移ろいを感じます。ああ、次は『○○』が出るからそろそろ夏か、みたいな。季節の移ろいが感じられるゲームって雅じゃないですか? マジックは雅。いとおかし。
『基本セット2020』の公式のカードプレビューも続々と更新されており、《神聖の力線》のような強力な再録カードや《空の踊り手、ムー・ヤンリン》といった新カードも見られます。今回もスタンダードは大きな影響を受けそうですね。
さて、新セットの情報も気になるところですが、今回はラスベガスで開催された「2019ミシックチャンピオンシップ㈽(MTGアリーナ)」の結果を見ていきましょう!
2019ミシックチャンピオンシップ㈽(MTGアリーナ)
先週末には史上初となるMTGアリーナを用いたミシックチャンピオンシップが開催されました。賞金総額はなんと750,000ドル(日本円で8,000万円以上)! 予選を勝ち抜いた強豪プレイヤーはもちろん、特別招待選手として生きるレジェンドのカイ・ブッディ選手や、『ハースストーン』の超有名ストリーマージェイソン・チャン(Amaz)選手といったプレイヤーも参加していました。
いつも以上にお祭り色の強いトーナメントとなりましたが、日本からも行弘 賢選手や佐藤 レイ選手、八十岡 翔太選手たちが5位〜7位に入賞するなど健闘していました。まさに世界最高峰の戦いだったと言えるでしょう。
そんな中で見事優勝に輝いたのは、アルゼンチンのプレイヤーであるマティアス・レヴェラット選手でした。プロシーンで目立った活躍はありませんでしたが、マジック歴20年の古豪で、優勝した際には同じくアルゼンチンのプレイヤーであるルイス・サルヴァット選手に祝福されていました。
そんなマティアス選手が使用していたのは、シミック・ネクサスというデッキでした。さっそくリストを見ていきましょう!
シミック・ネクサス(使用者:マティアス・レヴェラット選手) | |
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枚数 | カード名(メインボード) |
5 | 《森》 |
5 | 《島》 |
4 | 《繁殖池》 |
4 | 《内陸の湾港》 |
3 | 《爆発域》 |
3 | 《天才の記念像》 |
1 | 《総動員地区》 |
1 | 《シミックのギルド門》 |
4 | 《選択》 |
4 | 《成長のらせん》 |
4 | 《根の罠》 |
3 | 《アズカンタの探索》 |
1 | 《一瞬》 |
1 | 《無神経な放逐》 |
2 | 《覆いを割く者、ナーセット》 |
4 | 《荒野の再生》 |
3 | 《薬術師の眼識》 |
3 | 《伝承の収集者、タミヨウ》 |
1 | 《世界を揺るがす者、ニッサ》 |
4 | 《運命のきずな》 |
枚数 | カード名(サイドボード) |
4 | 《楽園のドルイド》 |
3 | 《否認》 |
2 | 《繁茂の絆》 |
2 | 《押し潰す梢》 |
3 | 《生体性軟泥》 |
1 | 《世界を揺るがす者、ニッサ》 |
シミック・ネクサスは《運命のきずな》というカードをキーカードに据えたコントロールデッキです。
「このターンに続いて追加の1ターンを行う。」このテキストが凄まじく強いというのはマジックプレイヤーならずともカードゲームをプレイしている方ならお分かりでしょう。しかもこの《運命のきずな》は墓地に落ちる代わりにライブラリー(デッキ)に戻っていく……。
つまり、ゲーム中何度も引く可能性があるということです。シミック・ネクサスはこの《運命のきずな》をプレイして何度も追加ターンを得ながらライブラリーの枚数を絞っていき、最終的には毎ターン《運命のきずな》を唱えて無限ターンを得るという恐ろしいデッキです。
そんなにうまくいくの? と思われるかもしれませんが、キーカードの《運命のきずな》を探すためのカードはたくさん入っています。すでにスタンダードのみならずモダンやレガシーでも活躍している《覆いを割く者、ナーセット》や《水没遺跡、アズカンタ》といったカードは、今大会でも大いに活躍していました。
他にも《運命のきずな》を唱えるためのマナを伸ばす効率的な手段として《荒野の再生》に加えて《世界を揺るがす者、ニッサ》も採用されています。特に《ニッサ》はフィニッシャーも兼ねており、攻防一体の強力なカードです。
ちなみに、今回優勝されたマティアス選手はずっと競技マジックを離れていたそうです。MTGアリーナのリリースを機に本格的に復帰したそうですが、それがこうして世界チャンピオンとなったというのは夢のあるシンデレラストーリーですよね。
……つまり、もしかすると次の世界王者はあなたかも!?(僕かも!?)
ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。
MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。
※画像はマジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイトより引用しました。引用元URL:https://mtg-jp.com/coverage/2019MC3/
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