トッププレイヤー イカすガチ対談マッチ!!
【あとばる×西澤祐太朗 第2回】
カラマリのチームメイトである“あとばる”ד西澤(2438がくえん)”対談の第2回目!
今回はまさかの1回戦負けとなった「第4回スプラトゥーン甲子園 北陸大会」と、そこからチームをどう立て直していったのかをふたりに直撃。オンライン大会優勝までの軌跡を追ってみたぞ。
なお、カラマリが優勝したオンライン大会を含めた各地区代表決定の様子と、その地区大会を勝ち上がった16チームがナワバリ日本一を競った「第4回スプトゥーン甲子園2019全国決勝大会」の試合は下記の動画で見ることができるぞ。
あとばる
驚異的なエイム力を持つカリスマプレーヤー。「第2回スプラトゥーン甲子園」では、不利な状況から相手を次々と倒す神がかり的なプレーを連発し、優勝に大きく貢献。H3リールガンの名手としても知られ、彼の影響でH3リールガンを使い始めたプレーヤーも多いとか。おもな実績は「第2回スプラトゥーン甲子園」優勝、「第4回スプラトゥ-ン甲子園オンライン代表決定トーナメント」優勝など。チームLibalent Calamari(リバレントカラマリ)所属。西澤祐太朗/2438がくえん
お笑いコンビ「裏切りマンキーコング」として活動する芸人でありながら、『スプラトゥーン』のトッププレーヤーとしてもさまざまなメディアやイベントに出演。あとばるさんも所属するトップチーム「Libalent Calamari(リバレントカラマリ)」の立ち上げ人で、「第4回スプラトゥーン甲子園オンライン大会優勝」など多数の大会で実績を残す。ゲーム実況者としても有名で、そちらでは「2438がくえん」という名前で活動中。
西澤選手の“大人の土下座”がカラマリ復活の決め手になった!?
――甲子園ですが、地区予選の北陸大会は1回戦負けという結果でした。そのあと、オンライン大会で優勝したわけですが、北陸大会のあと、どのようにチームを立て直していったのでしょうか?
西澤:甲子園の前に別のオフラインの大会があったんですけど、そこでわりとみんな緊張してて、チームとしてあまりよくなかったんですね。一応、チームでは自分が一番年上なので、オフラインの大会に向けてチームのモチベーションをどう持っていくか、ということは個人的に試行錯誤してたんですけど、いざ大会本番ってなったときのチームのテンションというか、精神状態があまりよくなくて。「あ、これは持って行き方を変えなきゃマズイ」というので、甲子園の北陸大会のときは、また違うアプローチを取ったんですけど、結果としては1回戦負けになってしまって。
それで、結局なにがダメだったかというと、自分はプレッシャーのみだと思っているんですね。やっぱり観客のいる会場で試合をするオフラインならではのプレッシャーというのがあって、そういう場でどうやって結果を出していくかは大きな課題だなと。もちろん、細かいところで言ったら、ブキの構成とかもあるんですけど、個人的には大会への持っていき方とかメンタルとか、そっちの問題だと考えていました。
――北陸大会のあとブキ編成を変えましたが、これはどのように決めていったのですか。
西澤:チームとしてはブキ構成を後ろに寄せると、後ろがダメだったときに本当に“ぐちゃっ”ってなって終わるんですよ。それがモロに出たのが、北陸大会だったんですね。そのときは俺が塗り役のシャープマーカーネオ、あとばるがH3リールガン、ぴょんがチャージャーで、全体的に後ろ寄りの構成だったんです。
それで、大会のあとに「個々の調子が悪いときでも、できるだけダメじゃなくする構成にしよう」みたいな話をして、だったら俺はもっと前に出られるブキに変えよう、というのをチームで話し合ってまとめて言った感じです。
あとばる:個人的には北陸大会もそうですけど、「自分がなんとかしなきゃ」って突っ込んで負けたみたいな試合展開がけっこう多くて。
西澤:でも、突っ込まなきゃ勝てないチームだったんだよね。構成的に。
あとばる:実際そういう部分はあったんですけど、僕の中だと裏を返すとそれはチームメンバーを信用していないっていうことになるなと。そういうこと踏まえて、甲子園のオンライン大会に向けての練習のときには、お互いがどう考えているのかをちゃんと報告していこうという話はしました。
いままで当たりだと思っていた、「こんな報告いらないでしょ」といったこともちゃんと報告するようにしたことで、それぞれがどういう動きをしたいのかっていうのが分かるようになってきたんです。個人的にオンライン大会を勝ち抜けたのは、これが一番大きいかなって気がしてます。いまはそうでもないけですけど、以前は「えっ、そういう動きするの!?」ってことがわりとあったので。
▲全国大会への最後の切符をかけたオンライン大会の決勝は、カラマリVSウルトラリベンジャーズという強豪同士の一戦となった。
YouTube動画「第4回スプラトゥーン甲子園」オンライン代表決定トーナメント 各地区大会振返り特番3:26:50より引用
――局面ごとにどう動くかがチームとして統一できていなかった?
あとばる:そうですね。たとえば、僕とくろすくんなんかはナワバリで最後逆転を狙うしかないってときは、敵を倒しに行こうとするんですけど、西澤さんは敵陣を抜けて塗れば勝ちみたいな動きをするところがあって。
結果、それで数パーセント差とかで負けると、やっぱり「なんで、あのとき敵を倒しにいかなかったの」みたいな話になるんですよ。で、いまだと抜けて塗ったほうがいいっていうのはわかるんですけど、そのときはまったくわからなくて。
――なるほど。
あとばる:僕らとしては「西澤さんがそこで抜けないで、後ろから挟んで敵を倒せば確実だったのに」って思うんですけど、西澤さんからすると「俺らがちゃんと生き残って維持している間に抜ければより安定して勝てるじゃん」っていう考えで。で、なんでこのあたりが統一されてないかというと、結局は試合中に声が出てないことが原因なんですよね。
実際、自分たちも「ここは敵を倒したい」とか言ってませんでしたし、逆に西澤さんからも「ここは抜けるわ」みたいな声が出ていなくて、それがさっき言ってた「お互い当たり前だと思っていたこと」「声に出さずともわかってくれるだろう」という部分で。そのあたりをしっかりと報告し合うようになってから、だんだん「この場面だと、こう動くんだな」というのがお互いに共有できるようになって、そこからの練習はけっこうスムーズにいくようになったなかなと。
西澤:その辺のすり合わせのために1度みんなで集まったんですよ。
あとばる:オンラインじゃなく、直接顔を合わせて話し合ったんです。
西澤:まあ、僕がやりたかった「ちんちん相撲」はできなかったんですけど。「ちんちん相撲」でお互いを知って、仲良くなろうっていう(笑)。そこはできなかったんですけど、あれもよかったよね。結果ね。
あとばる:やっぱり、顔を見合わせて意見をいうと通るんですよね。声だけよりもちゃんと意見が芯に通るので、本当にそのオフラインで会って顔を見合わせながら意見を言えたのは転機だったというか、本当にあそこからチーム内の動きがガラっと変わりましたね。
▲YouTube動画「第4回スプラトゥーン甲子園」オンライン代表決定トーナメント 各地区大会振返り特番3:29:35より引用
――やっぱりうまい人たちが集まってもチームとしてひとつになっていく過程というのは大変なんですね。
西澤:そうですね。甲子園もけっこう強いプレーヤーが集まって出てたと思うんですよ。地区大会でも「ここが優勝するだろうな」って言われてるようなチームって実際に優勝したところもあるんですけど、わりと負けた人たちもいて、その敗因はこういうとこもあるのかなとは思いますね。
あと、やっぱ俺の大人の土下座が効いたかなっていうのは(笑)。
──なんですか大人の土下座って。
西澤:やっぱり、あれだけ練習して大会で1回戦負けだと「もういいいや」ってなっちゃうんですよ。チームとしてもうダメだって。みんな心が折れかけてたと思うんですけど、そこで俺が「もう一回やろうよ」っていうふうに声を掛けて。
――なるほど。そこで腐らずに、負けを自分たちの糧にしてチームとしてうまくレベルアップできた。
西澤:そうですね。いい形にはなってきたと思います。