デュエマ妄想構築録 vol.84-3 ~負けなきゃ勝ち!ヴァルハラ・逆転撃!!~

By まつがん

 今回紹介するのは、デッドマンが持ってきてくれた新カード……それが、こちらのカードだ!

▲「愛感謝祭 ヒロインBEST」収録、《ヴァルハラの天宝》

 不正を許さないタマシードだと……?

 デュエル・マスターズはシールドをブレイクして勝利を目指すカードゲームだというのに、世の中には追加ターンをとって安全に勝とうとしたりループしてブレイクせずに特殊勝利しようとする不届き者が存在している。だがこのカードを使えば、そんな輩に鉄槌を下すことができることだろう。

 さて、7月19日(土) に発売予定の「愛感謝祭 ヒロインBEST」に収録される新カード、《ヴァルハラの天宝》。このカードを使ってどのようなデッキを組むべきか。

 新カードでデッキを組む際には、そのカードの「唯一無二性」に着目すべき……というのは当連載が口を酸っぱくして述べ続けているところだ。

 では《ヴァルハラの天宝》にはどのような「唯一無二性」があるか。《ヴァルハラの天宝》の効果は主に「相手に追加ターンをとらせない」ことと「相手に特殊勝利を許さない」ことの2点に分けられるが、ここではまず前者に着目してみることにしよう。

▲「レジェンドスーパーデッキ 禁王創来」収録、《頂災混成 セーゼン・ザ・フメイト》
▲「弩闘×十王 超ファイナルウォーズ!!!」収録、《「新時代の福音」》

 「相手に追加ターンをとらせない」効果自体は唯一無二というわけではなく、《頂災混成 セーゼン・ザ・フメイト》《「新時代の福音」》も存在している。

 とはいえこれらのカードは相応に重いし、クリーチャーなので除去されてしまうと意味がない。その点《ヴァルハラの天宝》は3コストと軽く、しかもタマシードなので触られづらいというのだから、これらがあるとしてもなお実質的には「唯一無二性」があると言って差し支えないだろう。

 だがここで壁が立ちはだかる。「相手に追加ターンをとらせない」効果でデッキになるわけがないのでは???🤔🤔🤔

 なぜならこの効果は「相手がとる特定の行動を制限する」ものであって、そもそも最初から追加ターンをとる気がないデッキに対しては何ら機能しない。そんなニッチな制限を自らデッキコンセプトにしようというのは、「相手がパンを尻にはさんで右手の指を鼻の穴に入れて左手でボクシングをしながら『いのちをだいじに』と叫んだら勝ち」みたいなデッキを作ろうとしているのに等しいからだ。

 ……しかし、本当にそうだろうか?

 実はデュエル・マスターズには存在しているのだ。自分からは追加ターンをとる気がない相手に対して、無理矢理追加ターンをとらせる方法が。

 そう、すなわち。

▲革命編 第2章「時よ止まれミラダンテ!!」収録、《正体不明》

 《正体不明》を使えばいいのでは???🤔🤔🤔

 《正体不明》はどんなコストのクリーチャーであろうと好きなだけ手札から出せるというぶっ飛んだ効果の代わりに、相手に追加ターンを与えてしまうデメリットを持っている。一応そのターン中に勝てばいいとはいえ、万が一トドメをさせなければ敗着になりうる追加ターンを無料でプレゼントするというのはさすがにデメリットとして大きすぎる……というのがこれまでのところだった。

 だが《ヴァルハラの天宝》さえ置いておけば、《正体不明》はデメリットなしのスーパークリーチャーへと変貌する。あとは手札をある程度抱えた状態で《正体不明》を出す方法を考えるだけでいい。

 というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!

 『ヴァルハラ・正体不明』

枚数
カード名
4 《終止の時計 ザ・ミュート》
4 《宇宙妖精エリンギ》
4 《流星のガイアッシュ・カイザー》
4 《古代楽園モアイランド》
4 《正体不明》
4 《ブラキオ龍樹》
4 《地龍神の魔陣》
4 《フェアリー・Re:ライフ》
4 《R・R・R》
4 《ヴァルハラの天宝》

 

 デッキがあまり面白くない!!!😡😡😡

 冷静に考えて、「《正体不明》のデメリットを消せば手札からなんでも好きなの出せるよ!」というのは「なら最初から《キングダム・オウ禍武斗 / 轟破天九十九語》打てや!!!」の一言で終わりである。もちろん《流星のガイアッシュ・カイザー》があるので10コストの呪文を唱えるのと10コストのクリーチャーを召喚するのとでは難易度が異なるが、それでもわざわざ《ヴァルハラの天宝》を設置してまでやるほど面白いことが起こるとは到底言えないコンセプトなのであった。

 しかしそうなると、さすがに《正体不明》以外で「相手に追加ターンをとらせない」効果を活用するのは難しいため、残る「相手に特殊勝利を許さない」効果の方でデッキを作る必要がある。

 とはいえこちらも「相手の特定の行動を封じる」タイプの能力であり、パン尻鼻ホジボクシングになりかねない。《正体不明》の例から逆算すれば、「相手に特殊勝利させるカード」か「自分が特殊敗北するカード」と組み合わせる必要がある。

▲「超ブラック・ボックス・パック」収録、《爆笑必至 じーさん》
▲「20周年超感謝メモリアルパック 裏の章 パラレル・マスターズ」収録、《予言のイザナイ コットン》

 《爆笑必至 じーさん》で山札を一生見続けることで対戦相手を煽り続ける盤外戦術デッキも考えたが、非紳士的行為で爆笑必至ならぬ退場必至なのが問題であった。

 ならば山札を好きなタイミングで見られることを生かして《予言のイザナイ コットン》と組み合わせることも考えたが、替えが利かないカード3種の3枚コンボは虚無が爆誕する予感しかなかった

 何か、何かないのか。敗北のリスクがある代わりにメリットが得られるような、そんなカードは。

 私は必死にカードを探した……そしてついに、答えにたどり着いたのだ。

 そう、すなわち。

▲王道篇 第3弾「ゴールド・オブ・ハイパーエンジェル」収録、《深淵の逆転撃》
▲王道篇 第3弾「ゴールド・オブ・ハイパーエンジェル」収録、《伝説の逆転撃》

 「逆転撃」を使えばいいのでは???🤔🤔🤔

 「逆転撃」サイクルは次のターンのマナを先取りする制約のもと、特別に相手の攻撃中に唱えることができる呪文である。ただその制約が「敗北」と重いため、通常は同一ターンに複数枚唱えることがかなり難しく、結局《光牙忍ハヤブサマル》に毛が生えた程度の防御しかできないことが課題だった。

 だが《ヴァルハラの天宝》を使えば、その制約をすべて無視することができる。何をやっても「敗北」しないのだから、2枚だろうと3枚だろうと「逆転撃」が唱え放題となるのだ。

 とはいえ、たとえ《ヴァルハラの天宝》があったとしても「マナの支払いが可能であるならマナゾーンのカードをタップしなければならない」というのが「逆転撃」のルールである。そこで最も防御に優れた《深淵の逆転撃》と《伝説の逆転撃》を使うことにして、デッキ内に他の闇と火のカードを入れず、「逆転撃」自体もマナチャージしないことにすれば、マナの支払いも全く不要となり「0コストで相手ターンに唱えられる除去呪文」が爆誕するのだ。

 あとはこのコンセプトを成立させるための他のカードでデッキを埋めていけばいい。具体的には「《ヴァルハラの天宝》を探すカード」と「『逆転撃』を手札にかき集められるカード」の2種だ。

▲王来篇 第4弾「終末王龍大戦」 収録、《パルプ・ブレイン》
▲「第1弾」収録、《サイバー・ブレイン》

 前者は《パルプ・ブレイン》のような軽量のサーチカードを入れればいいが、後者の役割を同様にサーチカードに担わせようとすると、相手のクリーチャーと「逆転撃」とを常に1対1交換を続けるだけになってジリ貧になってしまう。

 そこで、《サイバー・ブレイン》を代表とする大量ドローが可能なS・トリガー呪文をこれでもかと採用することで、相手の攻撃を利用して手札をかき集めながら、最後の攻撃だけは「逆転撃」で防ぐ、といったゲームプランが想定できるようになる。

▲「エキサイティング・デュエパ・デッキ アセビと異世界フェアリーたち」収録、《宇宙妖精エリンギ》
▲「黄金戦略!!デュエキングMAX 2022」収録、《偽りの名 iFormula X/クリスティナ・フォール》

 ただし、これだけだと《異端流し オニカマス》や《珊瑚妖精キユリ》などの「選ばれない」能力を持つクリーチャーを出されただけで憤死してしまう。そこで《宇宙妖精エリンギ》を採用することで、ブロッカーを立てながらフルタップでターンを稼ぎつつ、マナを伸ばして自分の勝利ターンを早めることが可能となる。

 ドロー系トリガーが大量に採用されるので、勝ち手段は《偽りの名 iFormula X/クリスティナ・フォール》が相応しいだろう。3枚ほど入れておけば、8マナと手札12枚以上のうちこれが2枚という状況を用意できれば即座に勝利できる。「特殊勝利は不届き者」とは言ったが、自分が特殊勝利しないとは言っていない。同じく相手の特殊勝利を防げる《ジャッジCREWニー》との差別化点は、「タマシードなので触られづらい」という部分もさることながら、何より自分だけが特殊勝利して気持ちよくなれるという部分にこそあるのだ。

 というわけで、できあがったのがこちらの「ヴァルハラ・逆転撃」だ!

 『ヴァルハラ・逆転撃』

枚数
カード名
4 《天雷霊騎サルヴァティ》
4 《宇宙妖精エリンギ》
3 《偽りの名 iFormula X/クリスティナ・フォール》
4 《パルプ・ブレイン》
2 《伝説の逆転撃》
4 《深淵の逆転撃》
4 《サイバー・ブレイン》
4 《電脳呪文「ブレイン」》
4 《ガールズ・ジャーニー》
1 《【今すぐ】うわっ…相手の攻撃止めすぎ…?【クリック】》
2 《龍脈術 水霊の計》
4 《ヴァルハラの天宝》

 

まつがん「よし、このデッキで勝負だ!デッドマン!!」

デッドマン「いいですよ!では《勝熱英雄 モモキング》を『キリフダッシュ』で召喚します

▲十王篇 第1弾「切札×鬼札 キングウォーズ!!!」収録、《勝熱英雄 モモキング》

 今回はオレが悪い(でもキレはする)!!!😡😡😡

 ではまた次回!

ライター:まつがん
 
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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次回更新は7/11(金)更新!!