By まつがん
恒例の宣伝からだが、皆さんは先日発売したコロコロコミック6月号はもう入手されただろうか?
デュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。
王道W第1弾「邪神vs邪神 ~ソウル・オブ・ジ・アビス~」も発売から1ヶ月が経過し、競技レベルで活躍できそうなカードについてはひととおり遊び尽くされた頃合いだろう。
だがそんな中で、他のカードと比べて「遊び尽くされている」とは言えないカードがあった。

《深淵の怒貫 ファウン=テイン》。軽減能力持ちのNEO進化サイクルの中ではかなり地味な能力の持ち主だが、このカードを取り上げようと思ったのには理由がある。
「このクリーチャーが破壊された時、コスト5以下のクリーチャーを1体、自分の墓地から出す。」……この一文から、強烈なループの匂いを感じ取ったからだ。
もし仮に、「登場時に《深淵の怒貫 ファウン=テイン》を墓地から乗せられる5コスト以下のクリーチャー」と、「自分のクリーチャーを破壊できるギミック」が揃ったならば、無限に《深淵の怒貫 ファウン=テイン》を出し入れできることになる。勝ち手段は不明だが、一度はやってみたくなる挙動だ。
だが、そのような条件を満たすカードが本当に存在するのだろうか?
私の頭は登場時にクリーチャーを進化させられるクリーチャーを即座に検索し……そして、答えにたどり着いたのである。


《魔光神官ルドルフ・アルカディア》を使えばいいのでは???🤔🤔🤔
《魔光神官ルドルフ・アルカディア》は《王来英雄 モモキングRX》と違って墓地から進化先を乗せられるので、「《深淵の怒貫 ファウン=テイン》が乗った《魔光神官ルドルフ・アルカディア》」を作ってそれを継続的に破壊できれば、無限墓地肥やしが可能となるはずだ。
あとは自壊ギミックだが、《凶鬼67号 アゴクイ》が脇にいれば《深淵の怒貫 ファウン=テイン》が進化速攻で攻撃するたびに破壊できるようになる。そして無限墓地肥やしが可能という前提ならば、墓地の枚数を生かした適当な勝ち手段を入れておくだけで勝てるに違いない。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『ルドルフ・ファウンテイン』
4 | 《ルピア&ガ:ナテハ》 | 4 | 《サーイ=サイクル》 | 3 | 《光器アメリア》 | 4 | 《凶鬼67号 アゴクイ》 | 4 | 《BIRIBIRIII・ビリー》 | 4 | 《魔光神官ルドルフ・アルカディア》 | 1 | 《暗黒鎧 ダースシスK》 | 4 | 《深淵の怒貫 ファウン=テイン》 | 4 | 《奇石 トランキー/アイ・オブ・ザ・タイガー》 | 2 | 《白騎士の聖霊王 ℵHEAVEN》 | 2 | 《超神星DOOM・ドラゲリオン》 | 4 | 《奇怪な鬼祭》 |
無限の欠陥(アンリミテッド・うんこ・ワークス)!!!😡😡😡
「光闇でまとまってて綺麗だし4ターン目始動ルート2つあって結構やれそうだな」と一瞬でも思ってしまったそこのあなた。全然ウソデッキなので油断は禁物である。
一応《深淵の怒貫 ファウン=テイン》でアタキャンしながらのハンデスで《ロスト・ソウル》しつつ《凶鬼67号 アゴクイ》のドローで《超神星DOOM・ドラゲリオン》拾ってターン返して次のターン勝ち……というコンセプトのこのデッキの問題点は数えきれないほどあるが、とりあえず代表的なものは「4枚の《深淵の怒貫 ファウン=テイン》が墓地に落ちないと憤死」というものだ。
4枚ずつしかない《凶鬼67号 アゴクイ》と《魔光神官ルドルフ・アルカディア》を《奇怪な鬼祭》を使ってまで拾いにいっているのである。それほどまでにただでさえ怪しい再現性の終着点が分の悪い運ゲーというのでは、全くもって割りに合わない。
では、この問題を解決するにはどうすればいいか。それは当然、《深淵の怒貫 ファウン=テイン》を墓地に落としながら《凶鬼67号 アゴクイ》と《魔光神官ルドルフ・アルカディア》を探せばいいのだ。
そう、すなわち。


水文明を入れればいいのでは???🤔🤔🤔
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『ルドルフ・ファウンテイン2』
4 | 《凶鬼67号 アゴクイ》 | 4 | 《飛飛-ドロン》 | 4 | 《淡いと濃い ケローラ/♪やせガエル 負けるなケローラ スパイラル》 | 4 | 《氷牙レオポル・ディーネ公/エマージェンシー・タイフーン》 | 4 | 《魔光神官ルドルフ・アルカディア》 | 4 | 《深淵の怒貫 ファウン=テイン》 | 4 | 《奇石 トランキー/アイ・オブ・ザ・タイガー》 | 2 | 《白騎士の聖霊王 ℵHEAVEN》 | 2 | 《超神星DOOM・ドラゲリオン》 | 4 | 《ブラッディ・タイフーン》 | 4 | 《邪脳の魔法陣》 |
アビス基盤消滅したから全ハンデスできないのにターン返すのふざけすぎ!!!😡😡😡
《超神星DOOM・ドラゲリオン》を抱えてターンを返すプランが曲がりなりにも成立していたのは、《深淵の怒貫 ファウン=テイン》の手札破壊効果を何度も使用して3~4枚程度の手札は刈れるだろうという目算があったからだった。だがそれがない現状、無限ドロー&無限墓地肥やしだけして《超神星DOOM・ドラゲリオン》を抱えてターンエンドというのは脳内お花畑が過ぎる。
しかも、ここまでしてもなお《魔光神官ルドルフ・アルカディア》の着地までに《深淵の怒貫 ファウン=テイン》を墓地に落とせるかは運ゲーであった。
かくして発覚したのは、1種4枚しかないループパーツを安定して墓地に用意することの圧倒的な難しさだった。いくらドローやサーチをしたところで、そもそもの枚数が少なすぎるのだ。
ならばどうするか?
私は考えた。《深淵の怒貫 ファウン=テイン》を代替できるカードは他にないのだろうか?と。
そして。その答えにたどり着いたのだ。


《大宇宙ジオ・リバース》と《死神明王 XENIA》を積めばいいのでは???🤔🤔🤔
《大宇宙ジオ・リバース》は自壊ループ中にフィニッシャーを山札から探してこれる上に自壊させればそれをそのまま着地させられるので、このコンセプトにおいては《深淵の怒貫 ファウン=テイン》の上位互換と言える性能である。また、《死神明王 XENIA》も《白銀妖精コユキ》などの常在の攻撃制限を突破できる強みがある。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『ルドルフ・ファウンテイン3』
1 | 《一なる部隊 イワシン》 | 4 | 《凶鬼67号 アゴクイ》 | 3 | 《飛飛-ドロン》 | 2 | 《Disカルセ・ドニー》 | 4 | 《魔光神官ルドルフ・アルカディア》 | 1 | 《覇王ノワールモナーク》 | 4 | 《大宇宙ジオ・リバース》 | 4 | 《深淵の怒貫 ファウン=テイン》 | 4 | 《奇石 トランキー/アイ・オブ・ザ・タイガー》 | 4 | 《死神明王 XENIA》 | 3 | 《不死鳥縫合 ブラック・ビッグバン》 | 1 | 《無量大龍 トゥリナーツァッチ》 | 4 | 《未来設計図》 | 1 | 《次元の霊峰》 |
色々と必死すぎる!!!😡😡😡
確かに《深淵の怒貫 ファウン=テイン》を実質12枚積んだことで、《魔光神官ルドルフ・アルカディア》からの進化の安定性は格段に向上した。だが同時に手札に来たら不要パーツすぎてオレ自身が怒貫してしまうカードが12枚もデッキに入ってしまったことで、《凶鬼67号 アゴクイ》や《魔光神官ルドルフ・アルカディア》を安定して探す構造の方に圧迫が生じてしまったのである。
では12枚じゃなくて9枚とか10枚でいいのでは?という話になるのだが、そうすると今度は《死神明王 XENIA》との差別化が問題となる。実際、《大宇宙ジオ・リバース》は最強として、《死神明王 XENIA》と《深淵の怒貫 ファウン=テイン》でどっちを減らすかと聞かれたら、一部のメタクリーチャーを突破できる《死神明王 XENIA》に軍配が上がるだろう。あれ?《深淵の怒貫 ファウン=テイン》のためにデッキを作っていたはずなのに……?🤔🤔🤔
つまりここにきて求められたのは、《深淵の怒貫 ファウン=テイン》の方が《死神明王 XENIA》よりも優れているという理屈であった。
だが、「《魔光神官ルドルフ・アルカディア》から進化したクリーチャーを《凶鬼67号 アゴクイ》で破壊して《魔光神官ルドルフ・アルカディア》を蘇生する」という構造をとる限り、《深淵の怒貫 ファウン=テイン》の方が《死神明王 XENIA》よりも優れているという理屈は見当たらなかった。
そこで、私は考えたのだ。「《凶鬼67号 アゴクイ》で自壊するから《死神明王 XENIA》の方が強くなってしまうのでは?」と。
そう、すなわち。

《百発人形マグナム》を使えばいいのでは???🤔🤔🤔
これなら破壊のタイミングは《魔光神官ルドルフ・アルカディア》が蘇生し進化先を乗せたタイミング、すなわち攻撃前になるので、《死神明王 XENIA》を進化先として運用できないことになり、必然《深淵の怒貫 ファウン=テイン》に軍配が上がる。
また《凶鬼67号 アゴクイ》の弱点であった「破壊時のドローでフィニッシャーをうっかり引いてしまう問題」もこれにより解決できるようになる。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『ルドルフ・ファウンテイン4』
4 | 《天体妖精エスメル/「お茶はいかがですか?」》 | 1 | 《桜風妖精ステップル》 | 4 | 《百発人形マグナム》 | 4 | 《魔光神官ルドルフ・アルカディア》 | 4 | 《雷撃の冥将クーゼン/ダーク・ライフ》 | 1 | 《ア:エヌ:マクア》 | 4 | 《大宇宙ジオ・リバース》 | 4 | 《深淵の怒貫 ファウン=テイン》 | 4 | 《奇石 トランキー/アイ・オブ・ザ・タイガー》 | 2 | 《水上第九院 シャコガイル》 | 4 | 《ガガガン・ジョーカーズ》 | 4 | 《百威と族絆の決断》 |
まだまだ無理が多い!!!😡😡😡
ていうか《凶鬼67号 アゴクイ》の頃からずっとそうだったけど3ターン目に自壊パーツをポン出ししてターン返すの相手ナメすぎであった。
また、例によって1種4枚しかない《百発人形マグナム》を3ターン目に引き込まなければいけないというのもハードルが高すぎた。
だが、《百発人形マグナム》の2枠目などまさか見つかるはずも……。
否。私たちは解決策を既に手に入れていた。
2枠目など必要ない。1種4枚だけが存在しているならば、それを確定で呼び出す方法が存在しているではないか。
そう、すなわち。

《魔誕の騎士ザガーン》から「ヨビニオン」すればいいのでは???🤔🤔🤔
「ヨビニオン」を使えば《百発人形マグナム》を確定で出せるし、枚数も増やすことができる。この際《百発人形マグナム》をバトルゾーンに残すためには「ヨビニオン」持ちの方を破壊する必要があるわけだが、そこで《魔誕の騎士ザガーン》が偉いところは「エスケープ」で耐えられる部分にある。
しかもそれだけではない。仮にポン出しの《百発人形マグナム》を相手が対処できてしまった場合でも、次のターンに《魔光神官ルドルフ・アルカディア》を出せばそこから「ヨビニオン」で《百発人形マグナム》が出てきて即ループスタートできるのだ。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『ルドルフ・ファウンテイン5』
4 | 《百発人形マグナム》 | 4 | 《魔光神官ルドルフ・アルカディア》 | 4 | 《魔誕の騎士ザガーン》 | 4 | 《雷撃の冥将クーゼン/ダーク・ライフ》 | 4 | 《大宇宙ジオ・リバース》 | 4 | 《深淵の怒貫 ファウン=テイン》 | 4 | 《奇石 トランキー/アイ・オブ・ザ・タイガー》 | 4 | 《配球の超人/記録的剛球》 | 1 | 《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》 | 3 | 《水上第九院 シャコガイル》 | 4 | 《百威と族絆の決断》 |
ここまでやってもやっぱり要求値が高い!!!😡😡😡
「ヨビニオン」のためにメタクリーチャーも入れられず、《百威と族絆の決断》しか受けがない構造では、4ターン目にループを決めるか《百発人形マグナム》を立ててターンをもらうしかない。だが《魔光神官ルドルフ・アルカディア》が1種4枚しかないのを毎回引き込めるとは限らないし、《百発人形マグナム》を処理されながらノートリ貫通されてもおかしくはない。
一言で言えば、それはやはり《魔光神官ルドルフ・アルカディア》自壊コンボそのものに端を発する要求値の問題であった。そしてそうである以上、もはや構造的に解決しえない問題とわかってしまったのである。
なぜならこのループが、「自壊用の《百発人形マグナム》を先に立てておく必要があって」「1種4枚しかない《魔光神官ルドルフ・アルカディア》をフィニッシュターンに引き込む必要があって」「墓地には《深淵の怒貫 ファウン=テイン》か《大宇宙ジオ・リバース》が落ちなければならない」ことは揺るぎないからだ。この前提が覆らない限り、デッキの強度が上がることはありえない。
しかもこの先は、これほどまでに長い長い道のりを経てもなお、たどり着かない領域なのだ。答えはないかもしれない。しかし、それでも。
私は《深淵の怒貫 ファウン=テイン》の可能性を諦めたくはなかった。
そしてその執念が、真理の向こう側へと到達させてくれたのである。
冷静に考えてみよう。「《百発人形マグナム》を先に立てておく」必要があるのはなぜか?それは《深淵の怒貫 ファウン=テイン》や《大宇宙ジオ・リバース》の蘇生が破壊時に走るからだ。進化元の《魔光神官ルドルフ・アルカディア》を蘇生するためには「破壊が必要」。それは揺るがない。
しかし、一人回しだけでデッキを作っていた私は、「自分のクリーチャーを破壊したいなら、当然《凶鬼67号 アゴクイ》や《百発人形マグナム》が必要だろう」という固定観念に囚われ、もう一つの可能性を見逃していたのだ。
あるではないか。もっと簡単にクリーチャーを破壊できる方法が。
そう、すなわち。


相手のタップしてるクリーチャーに突っ込ませればいいのでは???🤔🤔🤔
これこそが、「ファウンテインループ」の要求値を大幅に下げられる最後にして逆転の発想だった。確かに「ヘブンズ・ゲート」のようなデッキ相手には自分からループを決めるための《百発人形マグナム》が必要だ。だが「ループが決まる前にさっさと倒してしまおう」と攻めてくる相手に対しては、《百発人形マグナム》など絡めずとも相手のクリーチャーを利用してループを決めてしまえばいいのである。
そのために必要な条件は、「相手のパワー6500以上のクリーチャーがタップしている状態」だ。もちろんそのまま殴り倒されてしまっては意味がないので、「S・トリガー」でそのような状況を作る必要がある。そのために採用したのが《宇宙妖精エリンギ》と《頂上印鑑 パラキン8th/「魔物が居るな……」》で、どちらも「《魔光神官ルドルフ・アルカディア》を探す」のと「《魔光神官ルドルフ・アルカディア》を出すためのマナを作る」を同時にこなせるということで白羽の矢が立った。
そう……「クリーチャーのパワーは高ければ高いほど強い」というのは、ある意味では正しく、しかし時には間違いになることもある。《大宇宙ジオ・リバース》と揃った6000というパワーライン……《深淵の怒貫 ファウン=テイン》のパワーの低さこそが、ループを成立させるラストピースだったのだ。
というわけで、できあがったのがこちらの「ルドルフ・リバース」だ!
『ルドルフ・リバース』
4 | 《百発人形マグナム》 | 4 | 《魔光神官ルドルフ・アルカディア》 | 4 | 《魔誕の騎士ザガーン》 | 4 | 《王道の革命 ドギラゴン》 | 4 | 《宇宙妖精エリンギ》 | 4 | 《頂上印鑑 パラキン8th/「魔物が居るな……」》 | 4 | 《大宇宙ジオ・リバース》 | 4 | 《深淵の怒貫 ファウン=テイン》 | 1 | 《悠久を統べる者 フォーエバー・プリンセス》 | 3 | 《水上第九院 シャコガイル》 | 4 | 《百威と族絆の決断》 |
まつがん「よし、このデッキで勝負だ!デッドマン!!」
デッドマン「いいですよ!では《空間型無限収納ストラトバッグ》を出します」

ゴルフ・アルカディアになっちゃった!!!😡😡😡
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
デュエマ妄想構築録vol.82バックナンバー | |
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デュエマ妄想構築録 vol.82-1 ~パワード・ブレイカーといえば!ジャック・レイジ!!~ |
デュエマ妄想構築録vol.83バックナンバー | |
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デュエマ妄想構築録 vol.83-1 ~どうしてもループしたい!ルドルフ・リバース!!~ |