デュエマ妄想構築録 vol.77-2 ~突然のワンショット!タイダル・マッガーナ!!~

By まつがん

 「天下夢双!!デュエキングDreaM 2024」は、隅から隅まで味わい尽くしがいのある新素材に溢れたパックだ。

 だがそんな中で、調理方法がいまいちわからず、あまり評価されていないカードがあった。

▲「天下夢双!!デュエキングDreaM 2024」収録、《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》

 《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》。「アビスラッシュ」と「ヨビニオン」をわかりやすく組み合わせたシンプルなデザインだが、「闇単アビス」ではシンプルに6コストが重いのと「ヨビニオン」の出力が安定せず、かといって「闇自然アビス」でも《ドミー=ゾー / 「倒したいか?」》が外れとなるため、既存のアビスには向いておらず、それゆえに居場所が見つかっていないカードである。

 だが、やっていることを単純に言語化すると、「W・ブレイカー持ちが」「墓地から」「即殴れて」「(うまくデッキ構築をすれば)確定で脇に5コストのクリーチャーを添えられる」という異常スペックの持ち主となるのもまた事実である。

 ならば、《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》を「アビスラッシュ」するだけで勝つデッキを作れないだろうか?

 ここで、対戦相手のシールドが5枚ある状態で《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》を「アビスラッシュ」して勝つためには、T・ブレイカーのSA2回攻撃持ちを「ヨビニオン」で出す必要がある。

 ただもちろんこれだと、5枚のシールドの中に「G・ストライク」が1枚でも埋まっていただけで破綻するので、理想を言えばさらに除去耐性も持っていることが望ましい

▲十王篇 第1弾「切札×鬼札 キングウォーズ!!!」収録、《勝熱英雄 モモキング》

 イメージで言うと《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》から《勝熱英雄 モモキング》を「ヨビニオン」できたら勝てるのだが、同様のスペックを5コスト以下で実現しなければならないとなると、さすがにかなり厳しそうだ。

 こういう場合は逆に考えてみよう。5コスト以下でSA2回攻撃除去耐性持ちを呼び出すなら、最大で何枚のシールドをブレイクできるのだろうか?

▲アビス・レボリューション 第1弾「双竜戦記」収録、《炎渦双奏 タイダル&バーン》
▲「黄金戦略!!デュエキングMAX 2022」収録、《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》

 5コストでスピードアタッカーの除去耐性持ちといえば《炎渦双奏 タイダル&バーン》だ。そしてこいつはコマンドなので、《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》へと「侵略」させることで4打点は作ることができる。

 だが、《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》から《炎渦双奏 タイダル&バーン》をデッキから呼び出し、《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》に「侵略」させるだけだと《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》で「W・ブレイク」→《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》で「W・ブレイク」→《炎渦双奏 タイダル&バーン》で「(最後のシールドを)ブレイク」でダイレクトアタックまでは行くことができない。

 2ターン目に出した《カンゴク入道》などで先に1枚ブレイクしておくのも手だが、できれば盤面ゼロの状態から《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》の「アビスラッシュ」のみでワンショットを完結させたい。何か方法はないか……。

 と、ここで気がついた。相手のシールドを1枚減らしたいなら、《炎渦双奏 タイダル&バーン》がうってつけの能力を持っているという事実に。

 《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》へと「侵略」させる前ならば、呪文を唱えることで対戦相手のシールドをブレイクできる。ならば、《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》もしくは《炎渦双奏 タイダル&バーン》の攻撃時に「アタック・チャンス」付き呪文を唱えることで、「ジャストダイバー」の《炎渦双奏 タイダル&バーン》でダイレクトアタックが可能になるのではないか。

 そう、すなわち。

▲「ヒーローズ・ダークサイド・パック 闇のキリフダたち」収録、《深淵秘伝アビス・インベージョン》

 《深淵秘伝アビス・インベージョン》を使えばいいのでは???🤔🤔🤔

 《深淵秘伝アビス・インベージョン》は《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》の攻撃時に唱えられるので、「アビスラッシュ」からの「ヨビニオン」で《炎渦双奏 タイダル&バーン》を着地させた後に唱えれば、《炎渦双奏 タイダル&バーン》+《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》の攻撃時に対戦相手のシールドを残り2枚の状況にまで持ち込むことができる。しかもこの効果ブレイクは《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》の攻撃中なので「G・ストライク」を完璧にケアできているのが噛み合っている。

 さらに「アタック・チャンスR」によって墓地からも唱えられるので、抱えるのは《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》のみで、《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》と《深淵秘伝アビス・インベージョン》といったコンボパーツは両方墓地に集めるだけでよく、手札キープの要求が低いのも魅力的だ。

 というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!

 『闇単型』

枚数
カード名
4 《炎渦双奏 タイダル&バーン》
4 《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》
4 《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》
4 《奇怪な鬼祭》
4 《魔王と天使のカナシミ》
4 《深淵秘伝アビス・インベージョン》
4 《スラッシュ・チャージャー》
4 《スクリーム・チャージャー》
4 《秩序の意志》
4 《デュザメの黒像》

 

 遅すぎ不安定すぎ!!!😡😡😡

 《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》を「アビスラッシュ」し、ワンショットを決めるためには「1. 墓地に《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》を置く」「2. 6マナ用意する」「3. 手札か墓地に《深淵秘伝アビス・インベージョン》を用意する」「4. 手札に《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》を用意する」の4つを満たす必要がある。

 だがその必要条件を満たしただけでは合格にはならず、他にも「フィニッシュの確度」と「防御手段」に基づく「フィニッシュターン」の期限が存在する。現代デュエマの基準である4ターン目に勝ちきれないならばその分防御が必要になるし、5ターン目には絶対決まると言えるほどの確度がなければならない。

 その点、闇単ではそもそも《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》にアクセスできるか不安な上に、うっかり墓地ではなく手札に来てしまった《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》を墓地へとナチュラルに落とすのが難しく、かつ「チャージャー」ベースで始動も5ターン目になってしまって良いところなしといった印象であった。

 しかし、もともとこのデッキにはコンボパーツとして《炎渦双奏 タイダル&バーン》が4枚搭載されているのである。

 ならば、すなわち。

▲聖拳編 第2弾「無限軍団の飛翔」収録、《エマージェンシー・タイフーン》

 水闇で組めばいいのでは???🤔🤔🤔

 というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!

 『水闇型』

枚数
カード名
4 《炎渦双奏 タイダル&バーン》
4 《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》
4 《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》
4 《エマージェンシー・タイフーン》
4 《スラッシュ・チャージャー》
4 《パイレーツ・チャージャー》
4 《深淵秘伝アビス・インベージョン》
4 《アストラルの海幻》
4 《デュザメの黒像》
4 《チェンジの海幻》

 

 防御が弱いのに5キルは甘え!!!😡😡😡

 闇単ならばまだしも《秩序の意志》が使えたので5キルもギリギリ許容できなくもなかったが、墓地にあらかじめ見えてる《チェンジの海幻》で1ターンもらおうとするのはさすがに対戦相手を甘く見すぎということで、この形も私を満足させるには至らなかった。

 だが、《炎渦双奏 タイダル&バーン》が持つ文明のもう片方、火闇で作ろうとしたそのとき……。

 唐突に、天啓が舞い降りてきたのだ。

▲「W王国ドッキングパック 鬼札王国&不死樹王国」収録、《鬼寄せの術》

 《鬼寄せの術》を使えば4キルできるのでは???🤔🤔🤔

 というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!

 『火闇型』

枚数
カード名
4 《炎渦双奏 タイダル&バーン》
4 《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》
4 《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》
4 《魔王と天使のカナシミ》
4 《バーニング・フィンガー》
4 《勇愛の天秤》
4 《鬼寄せの術》
4 《スラッシュ・チャージャー》
4 《深淵秘伝アビス・インベージョン》
4 《デュザメの黒像》

 

 捨ててから引いてたらトップした《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》捨てらんねーだろ!!!😡😡😡

 そう、それは火文明のドロー呪文が持つ弱点であった。水文明のドローは「引いてから捨てる」ので最大枚数を見てから《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》を捨てられるが、火文明のドローだとあらかじめ《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》を引き込んでいないと墓地に送り込めないのである。

 しかしそうなると、闇単もダメ、水闇もダメ、火闇もダメということで、もはや打つ手がなくなったかのように思われた。

 だが、私は見落としていたのだ。

 たった一つ残された、最強の可能性を。

 そう、すなわち。

▲王道篇 第3弾「ゴールド・オブ・ハイパーエンジェル」収録、《邪心臓の魔法陣》
▲「大感謝祭 ビクトリーBEST」収録、《エル・セミファイナルのマスク》

 火水闇の3文明で組めばいいのでは???🤔🤔🤔

 《邪心臓の魔法陣》はマナベースを補正しつつ、それ自体が「引いて捨てる」を実行できる水のドロー呪文としても機能する。また、「G・ストライク」とはいえ受けにもなるのでノートリになりづらくなるのは安心だ。

 《エル・セミファイナルのマスク》は、《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》と《深淵秘伝アビス・インベージョン》が墓地に置いておけるコンボパーツであるということで、このデッキにおいては《サイバー・チューン》の上位互換として機能する。

▲「弩闘×十王 超ファイナルウォーズ!!!」収録、《奇怪な鬼祭》
▲超天篇 第4弾「超超超天!覚醒ジョギラゴンvs零龍卍誕」収録、《轟怒プレスユー》

 3ターン目までに水のドロー呪文を唱えつつ《鬼寄せの術》+《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》「アビスラッシュ」を4ターン目にしようとすると、マナ要求が闇闇水火で闇の要求が大きくなる。その点《奇怪な鬼祭》は闇単色でマナベース要求を満たしつつ、採用した枚数だけ山札を疑似的に減らせるということで、3文明のデッキだが穴埋めに採用となった。

 《轟怒プレスユー》は手札からしか唱えられないが、《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》の「W・ブレイク」が通った後に《炎渦双奏 タイダル&バーン》の攻撃時に「侵略」宣言しつつ唱えて先に解決することで、《深淵秘伝アビス・インベージョン》の5枚目として機能する。

 というわけで、できあがったのがこちらの「タイダル・マッガーナ」だ!

 『タイダル・マッガーナ』

枚数
カード名
4 《炎渦双奏 タイダル&バーン》
4 《深淵の禍玉 マガダ=マッガーナ》
4 《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》
3 《奇怪な鬼祭》
4 《エマージェンシー・タイフーン》
4 《ブラッディ・タイフーン》
4 《鬼寄せの術》
1 《轟怒プレスユー》
4 《深淵秘伝アビス・インベージョン》
4 《エル・セミファイナルのマスク》
4 《邪心臓の魔法陣》

 

まつがん「よし、このデッキで勝負だ!デッドマン!!」

デッドマン「いいですよ!でもその前に、新パックが待ちきれない研究仙人のために、また新しいカードを持ってきましたよ!」

 はたしてデッドマンが持ってきてくれたカードとは!?

 次回に続く!

ライター:まつがん
 
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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次回更新は12/13(金)更新!!