デュエマ妄想構築録 vol.75-3 ~多色31枚!ファイナル・モモキング・ドギラゴン!!~

By まつがん

 今回紹介するのは、デッドマンが持ってきてくれた新カード……それが、こちらのカードだ!

▲「天下夢双!!デュエキングDreaM2024」収録、《蒼龍秘伝ファイナル・レボリューション》

 ドギラゴン剣大盛バスター抜き……?

 《蒼き団長 ドギラゴン剣》の「ファイナル革命」部分を一部再現したような「アタック・チャンス」呪文。条件は「ドギラゴン」のアタックが必要と厳しめとはいえ、「ファイナル革命」を使用せずにその効果だけを享受できるということで、これは面白いデッキが組めそうだ。

 さて、10月19日(土) に発売予定の「天下夢双!!デュエキングDreaM2024」に収録される新カード、《蒼龍秘伝ファイナル・レボリューション》。このカードを使ってどのようなデッキを組むべきか。

 それを考えるにあたっては、《蒼龍秘伝ファイナル・レボリューション》が抱える課題をまず確認する必要がある。それは、「《蒼龍秘伝ファイナル・レボリューション》を何から唱えるのか?」「《蒼龍秘伝ファイナル・レボリューション》から何を出すのか?」だ。

▲「ドリーム英雄譚デッキ ドギラゴンの書」収録、《王道の革命 ドギラゴン》
▲革命編 第3章「禁断のドキンダムX」収録、《ボルシャック・ドギラゴン》

 とはいえ前者については「アタック・チャンス」を前提にした場合そもそもの選択肢も少ない中で、8月に「ドリーム英雄譚デッキ ドギラゴンの書」で登場した《王道の革命 ドギラゴン》が最軽量の非進化かつスピードアタッカー持ち「ドギラゴン」ということで、カードパワー的にも申し分ないだろう。

 では、後者についてはどうだろうか?

 多色でコスト6以下のクリーチャーを見渡したとき、意外と出したいクリーチャーがいないことに気づくだろう。

 そう、それもそのはず。この道は《蒼き団長 ドギラゴン剣》と《蒼き守護神 ドギラゴン閃》で既に通過した道だからだ。もし《蒼龍秘伝ファイナル・レボリューション》を唱えてバグるなら、それは既に《蒼き守護神 ドギラゴン閃》との組み合わせでバグっているはずなのである。

 だが、それでも《蒼龍秘伝ファイナル・レボリューション》と《蒼き守護神 ドギラゴン閃》との間には差異がある。その差異に着目することで、マナから出したい多色でコスト6以下のクリーチャーを選定するためのヒントが見つからないだろうか。

 具体的に差異を列挙してみよう。《蒼龍秘伝ファイナル・レボリューション》は呪文である。さらに「ファイナル革命」を使わないので2枚や3枚重ねて唱えられるし、《蒼き守護神 ドギラゴン閃》との併用も可能だ。

 そして、差異はそれだけではない。実は《蒼龍秘伝ファイナル・レボリューション》のテキストは、《蒼き団長 ドギラゴン剣》や《蒼き守護神 ドギラゴン閃》には含まれていたある重大な一語が抜け落ちていたのである。

 そう、すなわち。

▲王来篇 第2弾「禁時王の凶来」収録、《アルカディアス・モモキング》

 《アルカディアス・モモキング》を出せばいいのでは???🤔🤔🤔

 《蒼龍秘伝ファイナル・レボリューション》は《蒼き団長 ドギラゴン剣》や《蒼き守護神 ドギラゴン閃》の「ファイナル革命」にある「進化ではない」の文言がないので、多色コスト6以下の進化クリーチャーをマナから出せる点が差別化点となるのだ。

▲王来篇 第1弾「王星伝説超動」収録、《王来英雄 モモキングRX》
▲「頂上決戦!!デュエキングMAX2023」収録、《頂上縫合 ドギラディス勝3rd》

 《アルカディアス・モモキング》といえば確かに強力な効果ではあるものの、これまでは《王来英雄 モモキングRX》や《未来王龍 モモキングJO》かせいぜい《スロットンの心絵》とセットで使うくらいしかまともに着地させることはできなかった。

 だが《蒼龍秘伝ファイナル・レボリューション》の登場により、《王道の革命 ドギラゴン》が《アルカディアス・モモキング》の発射台になれるようになったのである。

 また、《頂上縫合 ドギラディス勝3rd》は《王道の革命 ドギラゴン》からチェンジできる上に《蒼龍秘伝ファイナル・レボリューション》をマナから唱えたり再利用したりもできるので、こちらも《蒼龍秘伝ファイナル・レボリューション》の登場によってかなり評価が上がるであろう1枚だ。

 というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!

 『途中経過』

枚数
カード名
4 《王道の革命 ドギラゴン》
4 《王来英雄 モモキングRX》
4 《未来王龍 モモキングJO》
2 《キャンベロ <レッゾ.Star>》
4 《アルカディアス・モモキング》
2 《ボルシャック・ドギラゴン》
4 《頂上縫合 ドギラディス勝3rd》
1 《蒼き団長 ドギラゴン剣》
4 《豊潤フォージュン》
4 《ジオ・ブロンズ・マジック》
3 《フェアリーの火の子祭》
4 《蒼龍秘伝ファイナル・レボリューション》

 

 マナから出したい多色クリーチャーがそう都合よくマナに落ちない!!!😡😡😡

 「3→5」の動きに起点となる5マナ域を12枚も入れ、粗削りとはいえ初期テンプレートとしては理に適った構築をしたつもりだった。だが回してみると《蒼龍秘伝ファイナル・レボリューション》で出せるクリーチャーがマナにいないという事態が頻発した。

 だが、冷静に考えてみればそれも当然だ。《蒼龍秘伝ファイナル・レボリューション》で出したいクリーチャーが16枚入っているとはいえ、このうち12枚は攻撃の起点なので、2枚引かない限りマナに埋めないカードなのである。こうなると初手に《アルカディアス・モモキング》を引かない限り、3コストのマナ加速でそれらの16枚がマナに落ちるかどうかのギャンブルとなってしまう。

 また、《王道の革命 ドギラゴン》のための光マナが安定しないという事実も私を悩ませた。《神秘の宝箱》《八頭竜 ACE-Yamata/神秘の宝剣》ベースにすれば回避できるが、「アタック・チャンス」を唱えるためには手札の枚数を確保することの方が重要だった。

 しかし私はそれらの現実から目を背け、「3→5」の構造を維持しつつも盲目的にカードを入れ替え続けた。何せこれでも単色と多色の比率は15対25とギリギリなのだ。これ以上多色を増やしたらデッキではなくなってしまう。けれども多色を増やさなければ《蒼龍秘伝ファイナル・レボリューション》は機能しない。解決しえないそれはジレンマだった。

 本当に、数々のカードを通過した。

▲十王篇 第2弾「爆皇×爆誕 ダイナボルト!!!」収録、《雷龍 ヴァリヴァリウス》
▲「ドリーム英雄譚デッキ ドギラゴンの書」収録、《漢気の2号 ボスカツ》

 《雷龍 ヴァリヴァリウス》……起点としては申し分ないが、《蒼龍秘伝ファイナル・レボリューション》でマナから出ない点がどこまで行っても妥協点というニュアンスを醸し出してしまう。

 《漢気の2号 ボスカツ》……連鎖はするものの素出しに難がありすぎる。

▲「超感謝祭 ファンタジーBEST」 収録、《龍后幻獣パティシエ・メイ様》
▲エピソード1「ライジング・ホープ」収録、《ガイアール・ベイビー》

 《龍后幻獣パティシエ・メイ様》……色は最強だが自身以外に当たりがないメクレイドがあまりにも虚無すぎる。

 《ガイアール・ベイビー》……さすがにふざけすぎている。

 回しても回しても、答えにたどり着くことはなかった。所詮それはただの現実逃避に過ぎないと、心の片隅でわかってはいた。

 だが、どうしても認められなかったのだ。「単色15対多色25で『3→5』をする」という基盤。その基盤そのものに問題があるという事実と、向き合わなければならないことを。

 固定観念を打ち破るということは、過去の自分を否定することでもある。ゆえにそこには苦しみがある。

 しかし、その苦しみを飲み込むことでしか得られない果実もある。

 私は意を決して、さらに単色を削る決意を固めた。

 そして、すべてをひっくり返すコペルニクス的転回に至ったのだ。

▲「エキサイティング・デュエパ・デッキ ドラドラドラゴン龍幻郷」収録、《友情地龍 ルピア・ターン》
▲「大決戦オールスター12」収録、《メンデルスゾーン》

 単色は3ターン目までに1枚だけ引けばいい

 いざ《友情地龍 ルピア・ターン》を採用してみても、実際に回してみるまでは、その単純なロジックに気づくことはなかった。

 3ターン目に《友情地龍 ルピア・ターン》を出すために埋めた単色カードは、《友情地龍 ルピア・ターン》の能力で再び山札の上に積み込めるので、5ターン目のマナチャージにも兼用できるのだ。

 この直観に反する事実にどれだけ驚愕しただろう。先攻なら7枚、後攻なら8枚引いた中にたった1枚だけ単色カードがあればデッキ自体は問題なく回るのだ。そしてこれは、単色カードがデッキに9枚しか入っていなくても85パーセントの確率で達成できるということを意味している。十分に信頼できる数字だ。

 とはいえこの数字は《友情地龍 ルピア・ターン》ありきであるところ、《メンデルスゾーン》ならばさらに条件を緩和できる。3ターン目にタップイン処理しながら唱えれば、1枚も単色カードを引かなくても4ターン目の5マナに到達できるからだ。

 しかも《蒼龍秘伝ファイナル・レボリューション》はおあつらえ向きに「ドラゴン」を持っている。これらの発見により、龍軸で「単色9対多色31」という未踏の基盤へと踏み出すことができるようになったのだ。

 では、その厳選された単色カードのスロットには何を積むべきだろうか?

▲アビス・レボリューション 外伝「邪神と水晶の華」収録、《偽りの希望 鬼丸「終斗」》
▲「レジェンドスーパーデッキ 蒼龍革命」収録、《蒼き守護神 ドギラゴン閃》

 冷静に考えてみると、4ターン目の《王道の革命 ドギラゴン》《王来英雄 モモキングRX》が起点とはいっても律儀に5マナを払って出す必要は別に全くない。《偽りの希望 鬼丸「終斗」》からの《蒼き守護神 ドギラゴン閃》で「ファイナル革命」を費消してから《王道の革命 ドギラゴン》や《王来英雄 モモキングRX》につなげても、《蒼龍秘伝ファイナル・レボリューション》ならばまだ唱えられるからだ。

 無論3ターン目に走らせるなら《偽りの希望 鬼丸「終斗」》の他にもう1枚単色カードが必要ということで、単色9枚では現実味がないと思われるかもしれない……だが、無理矢理にでも3ターン目に走れるルートがあることは、こうした上ブレが大きいデッキにとっては非常に重要なのだ。

 というわけで、できあがったのがこちらの「ファイナル・モモキング・ドギラゴン」だ!

 『ファイナル・モモキング・ドギラゴン』

枚数
カード名
4 《友情地龍 ルピア・ターン》
4 《王道の革命 ドギラゴン》
4 《王来英雄 モモキングRX》
4 《偽りの希望 鬼丸「終斗」》
1 《“龍装”チュリス》
1 《龍装者 バルチュリス》
2 《アルカディアス・モモキング》
2 《流星のガイアッシュ・カイザー》
1 《聖霊龍騎サンブレード・NEX》
2 《ボルシャック・ドギラゴン》
4 《蒼き守護神 ドギラゴン閃》
1 《蒼き団長 ドギラゴン剣》
1 《頂上縫合 ドギラディス勝3rd》
1 《フェアリー・ギフト》
4 《メンデルスゾーン》
4 《蒼龍秘伝ファイナル・レボリューション》

 

 ではまた次回!来週は休載なので、10月25日 (金) にまた会おう!!

ライター:まつがん
 
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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次回更新は10/25(金)更新!!