By まつがん
恒例の宣伝からだが、皆さんは先日発売したコロコロコミック6月号はもう入手されただろうか?
デュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。
王道篇第1弾「デーモン・オブ・ハイパームーン」は、様々なデッキを基盤から強化した。
だがそんな中で、スーパーレアでありながらいまいち存在感を示せていないカードがあった。
《巨進の超人》。クリーチャーの名前を参照するという、《名犬機 ワンコピー/101匹コピット大冒険》や《あるまじきモンジロー》の系列に属する少し特殊な能力を持っているカードだ。
4マナという軽さでかつ手札消費なしで使えるというのは、これまでに類を見ないほど実用的であると言える。これはデッキを作ってみるしかないだろう。
だが、ここで大きすぎる問題が立ちはだかる。それは《巨進の超人》というカードが理論上、進化・非進化を問わず4マナ以上のすべてのクリーチャーとシナジーを持つ可能性があるという点だ。
「どんな同名クリーチャーが2体並んだら強いのか」はこれまであまり研究されてこなかった。ゆえに《巨進の超人》でデッキを作ろうと思ったら、デュエル・マスターズに存在する1万種類以上のクリーチャーに関してそれぞれ《巨進の超人》との相性を確かめる必要があるという気の遠くなるような作業が発生してしまうのである。
もちろんあらかじめ1万種から絞り込める要素はある。「素で2体並べにくい4マナ以上で、《巨進の超人》からつながる6マナ以下である」こと。「1体出すだけで勝ててしまうカードをわざわざ2体出す必要はない」こと。これらを考えると、実際に検討する必要があるのは500~1000種程度だろう。
さて、ではそんな中で私が最初に目をつけたのは何かというと……?
2体並んだら勝つシステムクリーチャーを使えばいいのでは???🤔🤔🤔
《プロト・コア/暗黒の不法侵入》は1体出すだけでも呪文を2軽減できるという強力なスペックの持ち主だが、これを《巨進の超人》で2体並べれば、5コスト以下の呪文を1マナにまで軽減できるようになる。
あとは軽減した呪文を連打していけば適当に勝てるだろう。
というわけで、できあがったのがこちらの「ジナブリ・プロト・コア」だ!
『ジナブリ・プロト・コア』
4 | 《プロト・コア/暗黒の不法侵入》 | 4 | 《巨進の超人》 | 4 | 《氷牙アクア・マルガレーテ卿/スペルブック・チャージャー》 | 4 | 《フェアリー・Re:ライフ》 | 4 | 《地龍神の魔陣》 | 4 | 《スペルブック・チャージャー》 | 16 | なんやかんやあって勝つゾーン |
《プロト・コア/暗黒の不法侵入》2枚もどうやって引くんだよ!!!😡😡😡
そう、それは《巨進の超人》を使う上で誰もが最初にぶつかる壁であった。
4枚しかない《巨進の超人》をどうやって毎回引き込むのかはまだしも、さらに1種類4枚しかないキーカードを2枚も引き込まなければいけないというのはどう考えても狂気の沙汰である。
だが、もちろんこれくらいの障害でデッキ構築を諦める私ではない。
1種類4枚のうち2枚引き込むのが苦しいというのなら、2種8枚から2枚引き込めばいいのだ。
そう、すなわち。
同名ツインパクトを使えばいいのでは???🤔🤔🤔
デュエル・マスターズには過去に存在したクリーチャーに呪文側をくっつけただけの上位互換系ツインパクトが存在する。普通に使うだけならツインパクトではない方を使う理由は全く見当たらないが、8枚必要な場合は話が別だ。
しかも《巨進の超人》との関係では、クリーチャー側は全く同じ名前のため、どちらを召喚したとしてもマナゾーンにあるどちらでも好きな方をバトルゾーンに出せるのである。これを活用しない手はないだろう。
というわけで、できあがったのがこちらの「ジナブリ・ジャイアント」だ!
『ジナブリ・ジャイアント』
4 | 《西南の超人/断断打つべしナウ》 | 4 | 《西南の超人》 | 4 | 《巨進の超人》 | 4 | 《轟廻!グランドスラム・スコーピオン》 | 4 | 《イチゴッチ・タンク/レッツ・ゴイチゴ》 | 4 | 《終の怒流牙 ドルゲユキムラ》 | 4 | 《配球の超人/記録的剛球》 | 4 | 《トレジャー・マップ》 | 8 | なんやかんやあってジャイアントが連鎖するゾーン |
全然手札が足りん!!!😡😡😡
ジャイアントはありとあらゆる手段でマナだけは伸ばせるものの、ジャイアント全部4軽減の状態で連鎖させられるような単色5コスト以下のジャイアントが存在せず、4軽減のうまみを全く享受できないのであった。
だが、上位互換系ツインパクトは《西南の超人》だけではない。
次に目をつけたのは、こいつだ。
《爆獣マチュー・スチュアート》を使えばいいのでは???🤔🤔🤔
これならジャイアントのような種族指定もなく手札が減らない軽量呪文すべてと噛み合うため、安定して連鎖が続けられるはずだ。
というわけで、できあがったのがこちらの「ジナブリ・マチュー」だ!
『ジナブリ・マチュー』
4 | 《桜風妖精ステップル》 | 2 | 《der’Zen Mondo/♪必殺で つわものどもが 夢の跡》 | 4 | 《爆獣マチュー・スチュアート》 | 4 | 《爆獣マチュー・スチュアート/超銀河弾 HELL》 | 4 | 《巨進の超人》 | 1 | 《雪精 サエポヨ&ユキぴょん/ハンマー・チャージャー》 | 2 | 《虹出づる繭 ミノガミ/帝の目覚め》 | 1 | 《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》 | 4 | 《黒豆だんしゃく/白米男しゃく》 | 2 | 《次元の嵐 スコーラー》 | 4 | 《ローラー雪だるま》 | 4 | 《妖精の裏技 ラララ・ライフ》 | 4 | 《ジャスミンの地版》 |
何が安定じゃ嘘つけ!!回らん!!!😡😡😡
《プロト・コア/暗黒の不法侵入》や《西南の超人》と異なり、《爆獣マチュー・スチュアート》自体は2体並べたとしてもその後のアクションを軽くしたりはしてくれないので、連鎖に入るための最初の始動が1マナか2マナしか使えないというとてつもなく窮屈なものとなってしまい、そのせいでデッキ構造にしわ寄せがきてしまうのであった。
ここまで考えたところで、「2体並ぶと爆発的にスケールアップするシステムクリーチャーを《巨進の超人》で一気に並べよう」という方向には無理があると認めざるをえなかった。
システムクリーチャーで勝つということはシールドを割らないで勝つということだが、そうなると何スロットもの専用カードが必要となり、《巨進の超人》とそれを早期に安定して着地させるための2→4の構造と合わせて、デッキがはちきれんばかりにカロリーオーバーしてしまうのである。
だが、《巨進の超人》の使い道はシステムクリーチャーを並べることにとどまらない。「同名クリーチャーを2体並べてゲームに勝つ」ために、他のアプローチも存在するはずだ。
そう、すなわち。
スピードアタッカーのトリプル・ブレイカー持ちを2体並べればいいのでは???🤔🤔🤔
《勝熱英雄 モモキング》は単体でシールドを6枚も割れる驚くべきスペックを持っているものの、「キリフダッシュ」で召喚するためには先にブレイクするクリーチャーが必要なのと、さらにゲームに勝つためにダイレクトアタック用のクリーチャーが必要で、特に後者にはS・トリガーが当たりやすくなってしまう点が難点だった。
だが《巨進の超人》経由で《勝熱英雄 モモキング》を2体並べれば、先にブレイクするのは《巨進の超人》でいいし、その後には相手の4枚のシールドに対して《勝熱英雄 モモキング》が2体並ぶことになるので、かなりのトリガーをケアしてダイレクトアタックまでいけるはずだ。
とはいえ特定のフィニッシャー1種類4枚を2枚揃えるのはいくらなんでも難しい。そこで6マナ域のフィニッシャーを3枠用意することで、そのときに被って引いた1種を投げればいいという構造をとることでこの問題の解決を図ることにした。
《傾国美女 ファムファタァル》は2体並ぶとT・ブレイカーを盤面に量産できるので、過剰打点で対戦相手を圧殺できる。
また、《”KNG”メガヒット》もW・ブレイカーの4回攻撃で相手を倒しきるのには十分な打点を作ることが可能だ。
というわけで、できあがったのがこちらの「ジナブリ・モモキング」だ!
『ジナブリ・モモキング』
4 | 《桜風妖精ステップル》 | 4 | 《天体妖精エスメル/「お茶はいかがですか?」》 | 4 | 《巨進の超人》 | 4 | 《天体かんそ君》 | 4 | 《龍装者 バルチュリス》 | 4 | 《傾国美女 ファムファタァル》 | 4 | 《”KNG”メガヒット》 | 4 | 《勝熱英雄 モモキング》 | 4 | 《トレジャー・マップ》 | 4 | 《ガガガン・ジョーカーズ》 |
ルートはいっぱいあるけど全部同じメタクリで詰むじゃねーか!!!😡😡😡
そう、またしても《巨進の超人》の抱える問題点が裏目に出てしまった。1種類4枚のフィニッシャーでは同名2枚を引けないという問題点を「近しいフィニッシュ力のカード3枠でどれかが被るようにする」という風に力業で解決しようとした結果、同じ弱点のフィニッシャー3枠が並ぶクソ間抜けなデッキが爆誕してしまったのである。
具体的には《ボン・キゴマイム/♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》などを出されると天井のシミを数えるしかやることがなくなってしまう。さすがにそれはデッキではない。
だが、《巨進の超人》がデッキスロットを食いすぎてしまう問題点を解決するために「殴らずに勝つ」から「殴って勝つ」に方針転換したというのがこれまでの流れだったはずである。
さすがにこれ以上の解決策が存在するはずもない……と、そう思われた。
しかし。
実は《巨進の超人》にはまだ、試していない組み合わせが存在していた。
「上位互換系ツインパクト」と「殴って勝つ」との複合だ。
そこから導き出される結論とは、すなわち。
《ボルシャック・NEX》を8枚入れればいいのでは???🤔🤔🤔
「殴って勝つ」6マナ域が「上位互換系ツインパクト」ならばすべての問題点が解決する。しかも《ボルシャック・NEX》はそれ自体W・ブレイカーでスピードアタッカーすら持っていないが、《凰翔竜機バルキリー・ルピア》を乗せて「革命チェンジ」することで、「スピードアタッカーのT・ブレイカー持ち」という《勝熱英雄 モモキング》と同様の条件を満たすことができるのだ。
また《ボン・キゴマイム/♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》についても、相手次第だが《コッコ・武・ルピア》という対応策もあるし、将来的に「登場時に《ボン・キゴマイム/♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》を除去できる『ルピア』」が出ればさらなる強化も見込める。
何よりカード名に縛られた《巨進の超人》を、「ルピア」というさらなるカード名で解決する構造が美しい。
《コッコ・武・ルピア》だけではさすがに《ボン・キゴマイム/♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》への解決策とは言い難いが、《偽りの希望 鬼丸「終斗」》を採用することでより安定的な対処が可能となる。3コストのスピードアタッカーW・ブレイカーはそれ自体脅威だったが、《巨進の超人》で2体並ぶとバグそのものだ。
《凰翔竜機バルキリー・ルピア》や「革命チェンジ」先が楯落ちしていた場合などは、《アニー・ルピア》が次善の選択肢となる。《偽りの希望 鬼丸「終斗」》との相性も良く、素引きした場合にも突然のジャスキルなどが狙えるのが追加の評価ポイントだ。
というわけで、できあがったのがこちらの「ジナブリNEX」だ!
『ジナブリNEX』
4 | 《桜風妖精ステップル》 | 4 | 《天体妖精エスメル/「お茶はいかがですか?」》 | 2 | 《アニー・ルピア》 | 1 | 《コッコ・武・ルピア》 | 4 | 《巨進の超人》 | 4 | 《天体かんそ君》 | 2 | 《凰翔竜機バルキリー・ルピア》 | 1 | 《龍装者 バルチュリス》 | 4 | 《偽りの希望 鬼丸「終斗」》 | 4 | 《ボルシャック・NEX》 | 4 | 《ボルシャック・NEX/スーパー・スパーク》 | 1 | 《時の法皇 ミラダンテXII》 | 1 | 《革命類侵略目 パラスキング》 | 4 | 《ガガガン・ジョーカーズ》 |
まつがん「よし、このデッキで勝負だ!デッドマン!!」
デッドマン「いいですよ!では《神聖龍 エモーショナル・ハードコア》で《ボルシャック・NEX》を宣言しますね」
無慈悲な1対8交換やめろ!!!😡😡😡
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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