レオニのユニットソング誕生秘話
2023年9月30日にサービス開始3周年を迎えた、セガ×Colorful PaletteのiOS/Android向けアプリ『プロジェクトセカイ カラフルステージ！ feat. 初音ミク』。コロコロオンラインがこのコンテンツに寄り添い続け、ボカロPインタビュー連載を始めとするさまざまな記事を発信しているのは、読者の皆さんはご存じのことかと思う。
そんな、プロセカ大好きな担当記者がつぎに向かったのは……！ 3周年を記念して作られた“ユニットソング”！！
そのうちの数組のボカロPの方々に、楽曲誕生までのエピソードを語っていただく機会に恵まれた。
今回ご登場いただくのは、Leo/need（レオニ）に提供された楽曲『インテグラル』を作られた“*Luna”さんだ。
*Lunaさんには以前もコロコロオンラインにご登場いただき、ボカロPになられた経緯や、レオニのオリジナル楽曲『流星のパルス』の制作秘話をお聞きしているので、そちらをお読みの方も多いんじゃないかと思う。
ボカロPに直撃！ “*Luna”さんが語る“Leo/need”（レオニ）と、オリジナル楽曲『流星のパルス』について！
そんな*Lunaさんが、新たにレオニに書き下ろした『インテグラル』はどのような流れで作られたのか……？ その誕生について、くわしく伺ったぞ！
※インタビューはオンラインで実施したものです。
｢初めまして｣の意味
――まずは、この依頼を受けたときの率直な心境からお聞かせください。
*Luna 『流星のパルス』を書いたときからストーリーに進行がある中で、今回もまたレオニの楽曲を担当することになったわけですけど、その際に資料として、まだ表には出ていなかった｢レオニがプロとしてデビューをする｣という内容を聞いたわけです。それを知って、｢ゲームの物語の中で、ここまでしっかりと話が進んでいくんだ……｣とちょっとビックリしました。そのうえで、『プロセカ』というアプリ自体もストーリーの区切りを迎えて新しいステージに進んでいく……とお聞きしたので、そういった節目で大事な楽曲を任せていただけたことは嬉しかったです。
――『流星のパルス』のときとは、また違ったプレッシャーを感じられたりもしたのですか？
*Luna プレッシャー……というのはとくに感じませんでした。というのも、楽曲の依頼をいただくときにプレッシャーを感じることって、あまりないんです。どちらかと言うと、｢今回はどういう曲にしようかな｣というワクワクのほうが大きくなってしまうので。
――進級を経て成長したレオニの面々にはどんな印象を持たれましたか？
*Luna シンプルに、｢みんな変わったな｣と思いました。レオニが結成される前って、それぞれが｢仲間外れにされたくない｣とか、｢誰にも迷惑をかけたくない｣とか、各々の想いが強くてすれ違ってしまっていたと思うんです。でもそれから時間が経ち、いまはお互いが信頼し合って、ともに歩んでいる印象を受けました。さまざま殻をひとつずつ破ってここまで来たのかな……と。
――そんな、成長したレオニに捧げられたユニットソングですが、この楽曲を作られたときのテーマをお聞かせください。
*Luna やっぱり、ひとつの節目であるのと同時に、新しい章に向かうための楽曲である……ということを意識しました。3DMVも付くと言うお話を事前に伺っていたので、映像になったときになるべくストーリーが見えてくるような楽曲にしたいなと思いました。
――はい。
*Luna それにはまず、レオニのこれまでの歩みを髣髴とさせる歌詞にしたいなと。さらに、これから彼女たちが歩んでいく未来って、どういうものなんだろう……と、リスナーの皆さんの想像が膨らむ展開にしたいなとも思いました。たとえば、レオニが結成していく経過を楽曲で感じられるギミックを入れられないか……と考えて、いろいろと仕込んだりしています。
――おっしゃる通り、『インテグラル』を聴いているとレオニのストーリーが蘇ってくるんですよね。
*Luna ありがとうございます。
※MV画面はバーチャル・シンガーver.のものです。
――この『インテグラル』という曲名に込めた想いも、ぜひお聞かせください。
*Luna 『インテグラル』の由来は曲の中でもわかるように歌詞に入れ込んであるんです。“誰かが欠けていたら、絶対にここまで来られなかったよね”という部分をしっかりと表現したいと思いました。やっぱり、困難が多い子たちではあるので……。そういうことを考えていくうちに、｢一瞬一瞬を大事にしていきたい｣という想いが伝わる歌詞を入れたいと思って、それをまとめて表してくれるのは『インテグラル』になるんじゃないかなと考えました。
――その『インテグラル』は歌詞の評価が非常に高いわけですけど、書かれた*Lunaさんがとくに気に入っている箇所はどのあたりになるでしょうか。
*Luna 1ヵ所だけとなると難しいんですけど、あえて言うなら……。何回か似たフレーズが出てくるんですが、“｢今｣を見つけてくれた宝物なんだ”のところ。
――うんうん……！
*Luna これ、最後のサビで“｢今｣を見つけてくれた”が“｢今｣を奏でてくれた宝物なんだ”に変わるんです。ここが、現在のレオニっぽくてとくに気に入っています。あと、先ほども言った通り楽曲のあちこちにかなりギミックを入れてあります。これ、答えを言ってしまうと探す楽しみとか余韻がなくなってしまうので、全部は言及しないでおきます。
――これは興味深いですね。
*Luna たとえば、最後の最後に“さぁ次の音へ 初めまして”っていうフレーズがあります。
――めっちゃ心に残る箇所ですね！
*Luna これは、作詞をした私の個人的な想いだと、レオニを結成するにあたっての最初のきっかけって、やっぱりミクちゃんだと思うんです。彼女がずっと見守ってきてくれたからこそいまのレオニがあると感じているので、その名前の文字……“初”と“音”を入れて未来につなげたいと思いました。そこで、あえて“初めまして”という言葉を使いました。
――深いな……！ その箇所、3DMVだとスマホ越しに見た映像とともに｢初めまして｣が来るんですよね。なんだかミクとの出会いが表現されている気がして、グッとくるんです。では、そんな『インテグラル』の聴きどころを教えていただきたいのですが！
*Luna メンバーの想いが重なっていくように音も重ねていく演出にしたのと、それぞれの見せ場をたくさん作りました。
――なるほど……！ 個人的に、イントロで学校っぽい音……ざわめきとか風の音とかが聞こえて、すごく懐かしいような気持になりました。
*Luna あ、そうですね。音楽というよりSE（サウンドエフェクト）のようなものですけど、そういった音を組み込んで曲を作ることってけっこう多いんです。『インテグラル』でも、印象に残るように使っていますね。
――そんな、細部までこだわった楽曲ということを考えると、制作にはかなりの時間がかかったのではと思うのですが。
*Luna んー、どうですかね？ 正直……それほどめちゃくちゃに時間を使った……という感覚がないんです。
――あ、そうなんですか？
*Luna はい。言ってしまうと、曲の制作よりも、ストーリーを噛み砕くことに費やした時間のほうが長かった気がします（笑）。たくさんの資料をいただきましたし、ゲームを起動してイチから読み直したりもしたので。『流星のパルス』を作った段階までの物語はかなり読み込んでいたんですけど、資料には実装前のプロットなども含まれていたので、それもすべて目を通しましたから。そこから曲作りに入ったんですけど、いざやり始めると……思いのほかスラスラとできたなと感じました。
――楽曲の作り方としては、先に作曲をされて、あとから歌詞を付けられるのですか？
*Luna じつは、けっこうバラバラなんです。とりあえず1コーラス分だけ曲を作って、試しにそれに合わせて歌詞を書いてみたり。そこから歌詞が進めば最後まで書いて、それに合わせてメロディーを微調整して合わせていったりもします。そのときの流れによってまちまちなんですよね。
――わかりました！ では、『インテグラル』がゲームに実装されたのを初めてご覧になったときの感想をお聞かせください。
*Luna やっぱりレオニはバンドなので、自分たちの楽曲の音に合わせてギターとかベースを弾くシーンがすごくいいなって思いました。
――『インテグラル』の3DMV、めちゃくちゃ自然でキレイですもんね。
*Luna 演出面でも、背景の空模様が刻々と変わっていったりしていますよね。
――曇りから雨になって、最後は夕日に……っていうのが、レオニのストーリーをなぞっている感じなんですよねー……！
*Luna はい。まさに、おっしゃる通りですね。
――そんな『インテグラル』の公開から10日ほどが経過（※インタビュー実施時）しましたが、手応えはいかがですか？
*Luna 驚いたのが、リスナーの皆さんがすごく聴き込んでくれていることです。先ほども言った、曲に仕込んだギミックなんですけど、｢これは気づいてもらえるように｣とわかりやすく入れておいたことに言及してくれているのはもちろん、｢これはおそらく気づかれないだろうな｣って感じでコッソリと潜ませておいたことも指摘している方が、すでにいらっしゃるんです。もちろん、『プロセカ』のユニットソングということで、リスナーの分母自体が大きいことも影響しているとは思うんですが、細かな仕込みも探し当ててしまうくらい聴いてくれている……という事実に感動しました。｢この楽曲を、みんな本当に大事に聴いてくれているんだな｣って思えて、純粋にうれしかったです。
――それは、感激しますね。
*Luna そうなんです。ギミックの答えって、当然私たちは持っているわけですけど、皆さんの解釈すべてが正解でいいんですよね。いろいろな想像とか考え方があるからこそ、その曲に多様性が生まれてくるわけですし。……とはいえ、｢こんなに奥に仕舞い込んだ仕掛けにも気付いてくれるの！？｣っていう驚きもありました（笑）。
――『プロセカ』ファンの考察力……いや、解析力と言ってしまっていいと思うんですけど、恐るべきものがありますよね。
*Luna そうですね。強力なセンサーを持っているというか、｢よし！ ちゃんと聴いてやるぞ！｣という気概すら感じます。
――そんなファンの方たちに、ひと言お願いいたします。
*Luna レオニの楽曲を担当するのは『流星のパルス』に続いて2回目なんですが、それも含めてたくさんの人に聴いていただき、ゲームの中でもプレイしていただけたらなと思います。
――ありがとうございます……！ では最後に、進級を経て新たなステージに突入した『プロセカ』にもメッセージをお願いいたします。
*Luna もうローンチから3年も経ったんですよね……。長いようで、あっという間な3年間でした。でもこれは通過点で、これからも周年を積み重ねていってもらいたいなと思います。私も、陰ながら応援させていただきます！
――わかりました！ 本日はお忙しい中、本当にありがとうございました！！
*Luna
鳥と猫と夏とサウナが好き
人生の目標は好きなことだけやって生きていくこと。
「アトラクトライト」「Heal Me」「あの夏のいつかは」「Eutopia」とかを作った。
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タイトル概要
プロジェクトセカイ カラフルステージ！ feat. 初音ミク
■対応OS：iOS／Android
■App Store URL：https://itunes.apple.com/app/id1489932710
■Google Play URL：https://play.google.com/store/apps/details?id=com.sega.pjsekai
■配信開始日：配信中（2020年9月30日（水）配信）
■価格：基本無料（アイテム課金あり）
■ジャンル：リズム＆アドベンチャー
■メーカー：セガ/ Colorful Palette
■公式Twitter：https://twitter.com/pj_sekai
