デュエマ妄想構築録 vol.63-5 ~番外編:究極限界デュエパーティー部~

By まつがん

 あああああ!ようやくデュエパーティーの記事が書けるぞおおおおお!!

 自分で勝手に番外編縛りにしておきながら、もはや普段の一人回しは独りデュエパーティーが100割になってしまっているために番外編が待ち遠しくなってしまっているのがこの私だ。

 ……ということで皆さん、デュエパーティーは楽しまれているだろうか?

 この記事では私のデュエパーティーに関する研究成果として、究極ガチガチの限界異常者デュエパーティー (略して究極限界デュエパーティー) に関して、私なりの考察と自作のサンプルデッキリストを用意させていただいた。

 ちなみに、この記事に載っているリストをコピーして友人とのデュエパーティー会やGPのサイドイベントなどのカジュアルイベントに持ち込んでもたぶん一切幸せにはなれないので注意して欲しい (また、「魔覇革命」のカードは入っていないので必要ならば各自でアレンジして欲しい)。

 さて、いきなりだがデュエパーティーにおけるプレイレベル3とは何だろうか?

 デュエパーティーの公式ページによれば、

「プレイレベルの目安
・レベル1 ファン
勝利よりもみんなで楽しめることを重視する。
・レベル2 カジュアル
みんなで楽しみつつ、勝利も目指す。
・レベル3 ガチ
勝利を追求することが楽しみにつながる。」

 と書いてある。「勝利を追求することが楽しみにつながる」……これだけでは何とも言い難いが、ここで注目すべきは「レベル2」の定義だ。

 すなわち、「レベル2」と「レベル3」を分けるものとは何なのか。こう考えると、重要なのは「対戦相手の楽しみ」があるかどうかであることがわかる。

 そう、「レベル3」とは「対戦相手の楽しみ」を一切考慮しないデュエパーティーを指しているのだ (※もちろんその遠慮のないぶつかり合い自体がゲーム内容に関わらず各人の「楽しみ」に結果的につながることもあるかもしれないが……ちなみにこれはあくまで私個人の見解であり、公式としての見解ではないのであしからず) 。

 では「対戦相手の楽しみ」を考慮しないとはどういうことか。それは究極的にはやりとりの排除、つまり対戦相手に何もさせないということに帰着する。

 このように考えると、どのようなデッキが「レベル3」に該当するのかに関しては、対戦相手の行動機会を奪うコンセプト……すなわち、「3人の対戦相手を一度に」「S・トリガーをはじめとした干渉の機会を無視して倒す or 行動不能にするべく」「再現性を追求したコンセプト」がそれにあたる、ということになるだろう。

 逆に言えば、「トリガーケアの再現性がないビートダウン」は、S・トリガーによる逆転の余地を恒常的に対戦相手に許している限り、どんなに速度が早くても基本的にはレベル2相当ということになる。

 わかりやすく「トリガーケアの再現性がないビートダウン」の例を示すと、《未来王龍 モモキングJO》パートナー (レベル2) 《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》パートナー (レベル2) がある。

▲王来篇 第4弾「終末王龍大戦」収録、《未来王龍 モモキングJO》

(構築上のTIPS:《DG ~裁キノ刻~》や《星空に浮かぶニンギョ》をケアして、また自身が《DG ~裁キノ刻~》を使うためにもマナ加速はチャージャーベースを選択。「4ターン目の打点連鎖」を再現性の主軸に据えた場合、2ターン目にしか出せないメタクリーチャーは入れすぎるのも良くなく、逆に「キリフダッシュ」や《U・S・A・AIDORU》など、「侵略」やモモキング以外にも打点を伸ばせる手段がいくつかあることに気づいた。ただし重要なのは「シンカパワーであとからドローしても打点になる」ことだ。ほか、《超轟速 マッハ55》と《超音速 ターボ3》は「侵略」させるのに一工夫必要だが、特に《超轟速 マッハ55》は破壊できない無限アタッカーになるので緩いトリガーケアになる)

▲ゴッド・オブ・アビス 第2弾「轟炎の竜皇」収録、《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》

(構築上のTIPS:もう少し重くパワフルにする構築も考えられるが、それなら他のパートナーで良く、《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》独自の最大の強みは「最軽量の無限攻撃パートナー」という部分にあることを踏まえ、4ターン目の無限攻撃の再現性にこだわった)

 これらはほぼ毎ゲーム安定して勝利に必要な21打点を4ターン目に作れるパートナーだ。

 だが基本的にはどんな防御トリガーもそのまま踏んでしまうし、「G・ストライク」1枚でも止まってしまう。3人のうち防御が薄そうなパートナーから狙うことで3位以上にはなれる確率は高いが、18枚すべてのシールドを4ターン目に割りきって毎回1位になれるかというと、さすがにそうは問屋が卸さないだろう。

 逆に「トリガーケアの再現性があるビートダウン」があるのかというと、《爆龍皇 ダイナボルト》パートナー (レベル3) がそれにあたる。

▲十王篇 第2弾「爆皇×爆誕 ダイナボルト!!!」収録、《爆龍皇 ダイナボルト》
※作成にあたっては某多人数戦有識者の方の動画を参考にさせていただいた

(構築上のTIPS:個人的には「マジボンバー」のハズレがなくなるよう6コスト以下のクリーチャーで統一する方が好み。ただ単体で4ターン目始動のパターンを増やせる《Black Lotus》くらいは入れてもいいかも)

 このレベルになると「G・ストライク」は完全ケア、トリガーも単体除去では意味がなくなるので、レベル2のデッキ相手くらいなら、パートナーの着地ターンに21打点殴りきるのはそう難しくはなくなる。

 ただ《爆龍皇 ダイナボルト》が異常なだけで、別のパートナーで同じようなことができるかというとなかなかに難しいので、レベル3想定でデッキを組む際には必然的に「S・トリガーの使用が許される状態で殴ってくるのは基本的に《爆龍皇 ダイナボルト》パートナーくらいである」ということを前提にトリガーの取捨選択を考えることになるだろう (よって《B.F.F モーメント》など、相手のクリーチャーを選ばないトリガーの採用が増える)。

 ともあれこうしたゲーム性から、少なくともレベル3のデュエパーティーでは通常のデュエマと違ってビートダウンが環境を定義していない。

 では、代わりに何が環境を定義しているのか?

 私が考えるに、それは「パートナーソリティア」と私が個人的に命名している、パートナーを使用したS・トリガーをケアできるチェインコンボの類だ。

 《「覇道」の頂 シュラ・ベートーベン》パートナー (レベル3) 《MAX-Gジョラゴン》パートナー (レベル3) などはその代表例で、ほとんどパートナーの召喚のみによってゲームが終わる点が特徴的だ。

▲「ファイナル・メモリアル・パック 〜E1・E2・E3編〜」収録、《「覇道」の頂 シュラ・ベートーベン》
※作成にあたっては某多人数戦有識者の方の動画を参考にさせていただいた

(構築上のTIPS:マナに《夢幻なる零龍》を置いた状態で《「覇道」の頂 シュラ・ベートーベン》を召喚するとほぼゲームが終わる美しいソリティア。ただしシュラの着地はどう頑張っても5ターン目で、チェインの要求上トリガーもそう多くは積めないため、《未来王龍 モモキングJO》パートナーなどのレベル2のビートダウンには瞬殺される)

▲王来MAX 最終弾「切札! マスターCRYMAX!!」収録、《MAX-Gジョラゴン》

(構築上のTIPS:《モンキッド <ライゾウ.Star>》と軽い進化クリーチャーを抱えた状態で《MAX-Gジョラゴン》を召喚し、《モンキッド <ライゾウ.Star>》にした状態で進化を乗せるとチェイン開始。マナゾーンの進化クリーチャーを連鎖させながら山札を堀りきり、究極進化から《超神羅ギュンター・ペガサス》を乗せて攻撃時にマナゾーンから全部出してトリガーケア状態で21点叩きこむ。シュラと違って4キルもありうるのが強みだが、チェインに必要な《モンキッド <ライゾウ.Star>》の楯落ちがケアできない弱みもある。それもあってセカンドプランで《超神羅ギャラクシー・デスティニー》を入れることも考えたが、《モンキッド <ライゾウ.Star>》なしで進化できる気がしなかったので現状では不採用にしている。また、装甲が紙なのは同上)

 これらのパートナーに対しては、基本的に《とこしえの超人》《若き大長老 アプル》《リツイーギョ #桜 #満開》や《DG ~裁キノ刻~》《DG-パルテノン ~龍の創り出される地~》《マンハッタンの心絵》といったチェインメタを、しかも早期に立てることが要求される。

 だが《爆龍皇 ダイナボルト》パートナーの存在があることや、《DG ~裁キノ刻~》や《DG-パルテノン ~龍の創り出される地~》に至っては自分の首も絞めてしまうため、「早期のチェインメタ着地」という行動の再現性を上げることはなかなかに難しい。

 かくして「パートナーソリティアこそがレベル3のデュエパーティーを定義している」と判断した私は、レベル3の「パートナーソリティア」をできるだけ多く作ることに興味を持った。

 そして次に、「パートナーソリティア」の存在を前提にするなら、「パートナーソリティアをメタれる」or「チェインメタを貫通する」パートナーソリティアこそがメタゲームの到達点ということになる。

 さすがにパートナーの着地のみでそれが実現できるようなクソゲー量産パートナーは今のところ見つかっていないが、4ターン目ポン置きのリスクを負う代わりにチェインメタをある程度貫通できるタイプのパートナーならば存在する。

 《強奪者 テラフォーム》パートナー (レベル3) 《鎧亜戦隊ディス・ピエロ》パートナー (レベル3) がそれだ。

▲エピソード3「ウルトラVマスター」収録、《強奪者 テラフォーム》

(構築上のTIPS:5キルを狙うためには2ターン目か3ターン目のマナ加速が必要だが、必殺技であるいわゆる「テラフォN」の威力とその後のチェインの安定性を考えると、単色要請がある上に「単純な《フェアリー・ライフ》はNの5ドローが弱くなるため入れられない」という要請が働くため、こうした構成になっている。とはいえ5ドロー15ブーストの簡単さに比べてデッキ構築上の制約は明らかに少なく、また受けも積みやすいので、アグロ含めてどのレベルのどのパートナー相手にも戦いやすく、おそらく全体でも上位のパートナーに位置していそうだ)

▲エピソード1「ガイアール・ビクトリー」収録、《鎧亜戦隊ディス・ピエロ》

(構築上のTIPS:2ターン目にマナ加速、3ターン目にサーチで《ブルックス・ザ・シルバー/ザババン・ライト》を持ってくる。4ターン目に《鎧亜戦隊ディス・ピエロ》をポン出しし、生きてターンが返ってくればマナチャージ→《ブルックス・ザ・シルバー/ザババン・ライト》召喚→残った2マナで水文明のカードをマナに置くかドローできればチェインスタート。水文明のカードをマナに置きながら手札を増やしていき、どこかで《ハリケーン・クロウラー》でマナを起こしながら必要パーツを回収。《キングダム・オウ禍武斗/轟破天九十九語》でフィニッシュというデッキ。作るのが大変だったが《シビレアシダケ》系が必要なデッキで《ビースト・チャージ》との噛み合いが良いことが発見できてどうにか形になった)

 やはり水+自然のパートナーはコンセプト・マナ加速・メタ・メタ対処・トリガーといったカードをバランス良く採用でき、強力なデッキになりやすい。最初のデュエパーティー記事でも紹介した《蒼狼の王妃 イザナミテラス》パートナー (レベル3) も、ターンは普通に相手に渡すものの4~5ターン目に大型クリーチャー3体によるロックがかかるので、ロック範囲はランダムとはいえ強力な「パートナーソリティア」の亜種には違いない。

▲「レジェンドスーパーデッキ 神歌繚嵐」収録、《蒼狼の王妃 イザナミテラス》

(構築上のTIPS:《エンペラー・キリコ》の楯落ちを《神歌の歌姫 アマテラス・キリコ》の採用でケアできるようになったので、デッキの強度が少し上がった。トリガー枠は《爆龍皇 ダイナボルト》の攻撃を意識している)

 ただ、長い時間自分のターンを行って同卓者を拘束し、対戦相手の楽しみを奪う点で「パートナーソリティア」であればレベル3であろうことは間違いないものの、「パートナーソリティア」だからといってすべてが強いデッキというわけではない

 具体的には、5ターン目までに勝てない「パートナーソリティア」は、レベル3であってもレベル2のデッキでも十分対抗しうる (だからといって同卓を推奨するわけではもちろんないが)。

 たとえば《超運命 アミダナスカ》パートナーのようにネタ要素が強いものや、前回紹介した《屍術師インフェルノ・カイザー》パートナー (レベル3) 《天風のゲイル・ヴェスパー》パートナー (レベル3) のように受けも薄い上に平均勝利ターンが6ターン目以降になりそうなデッキは、実質他の「パートナーソリティア」の下位互換のような立ち位置になってしまう。

▲双極篇 第1弾「轟快!! ジョラゴンGo Fight!!」収録、《超運命 アミダナスカ》

(構築上のTIPS:5ターン目くらいになぜか突然シールドが無駄に20枚くらいになった上で、運が良ければようやくトリガーケアなしの21打点くらいで殴ってくるという程度の平和なデッキ。これも「パートナーソリティア」ではあり、早期のソリティア性でレベル3に該当しうるものの、強いデッキではないことはさすがに明らかだろう)

 最後に、「パートナーソリティア」ではないが《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》パートナー (レベル3) も紹介しておこう。

 主に水+自然系のパートナーソリティアへのメタデッキとして、光文明に大量にいるメタクリーチャーを複数体並べることでメタ範囲を掛け合わせ、最終的に「全員に何もさせない」ことを目標とする。《DG ~裁キノ刻~》と《DG-パルテノン ~龍の創り出される地~》をノーデメリットで採用できることが強みだが、光単色ゆえに《とこしえの超人》の処理が重いのが玉に瑕。

▲王来篇 第1弾「王星伝説超動」収録、《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》

(構築上のTIPS:レベル3の嗜みとして《勝熱と弾丸と自由の決断》は入れた方が良いだろう)


 こうして部員1名の「究極限界デュエパーティー部」が発足した。

 部の使命はより多くの強力な「パートナーソリティア」の探究にある。

 我こそはという方は、「#究極限界デュエパーティー部」で自慢のソリティアデッキを披露して欲しい。私の研究対象となるパートナーが増えるかもしれない。

 ではまた次回!

ライター:まつがん
 
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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次回更新は10/20(金)更新!!