ああ……なんてもったいない……!
今日はとても短く、スッキリとまとめる。
なぜなら、ゴールデンウィーク……ってのは関係なく、みっともなくも恥ずかしいケアレスミスについて書かなきゃだから……w
でも、こういうのって『カブトクワガタ』における“育成あるある”のひとつだと思うので、しっかりと読んで反面教師にしてほしい。
前回、谷のご神木で捕獲したギラファノコギリクワガタを交尾させ、
見事、卵を誕生させた……という話を書いた。
こちらが問題の、ギラファノコギリクワガタの卵であります。
この段階で花丸がついておらず、◎にとどまってしまっているのは、ご両親がご神木出身の野生の個体だからである。もしも、交配から生み出させた育成エリートどうしだったら、卵の時点で花丸が付けられた、いわゆる“花丸虫”として人生がスタートする。
こういった出自の段階でのちの成長曲線が見て取れるのってちょっと考えさせられてしまうのだが、『カブトクワガタ』はそこまで難しく考えてプレイするゲームではないと思うので、
「よしよし。ここで花丸が付かないのは致し方がないのだ。一世代、二世代と交配を繰り返すことによって、安定した花丸な子孫が誕生するようになるからな! ここは◎虫でも、こらえてつかぁさい!!」
俺はこんなことをつぶやきながら、育成における“角満メソッド”に則っての給餌を始めるのでありました。
えーっと、まずは卵に……!
万能伝説のエサを与える。“エサ”と表現されているけど、強力な栄養素が入った土の中で卵を育ててあげる……というイメージだな。
すると……!
まもなく、1れい幼虫が誕生!!
最強、最栄養の万能伝説のエサのおかげで、1れい幼虫は栄養合計300の花丸虫となった。よしよし。この調子で育てていこう!
この1れい幼虫に与えるのも、万能伝説のエサだ。何度も言うように、1食5000円もする高級ご飯である。
我が角満事務所ではよく、ランチミーティングと称して同僚のたっちー先生と昼飯を食うんだけど、そのときの支払いは2名でだいたい3500~4000円くらいだ。
それに比べて、このイモムシは1名で5000円のメシを喰っているのである。まだ何も成し遂げていない、土の中でウネウネとうねっているだけのイモムシが、大の大人2名よりも豪華なメシを食べているとか……!!
でもここで大人げなくブチ切れて、
「くっそ! 生意気な!! オマエなんか、いちばん安いエサにしてやる!!」
なんて意地汚い対応をしてしまうと後で困るのは自分なので、悔しさはグッと心に押し戻して万能伝説のエサを与え続ける。そんなにいいものを喰うと、当然ながら、
2れい幼虫も、栄養合計MAX600の花丸虫に。よしよし。ここまでは順調だぞ。
その2れい幼虫にも、3個目の万能伝説のエサを給餌。
この時点で栄養合計は900となり、あとは“クワガタようちゅうのとてもよいえさ”を与えれば、理論的に最栄養価となる“栄養合計990”の虫が誕生する……はずだったのよ……(((( ;゚Д゚)))
ところが……!!
しゅわしゅわしゅわ……www
「あ……!!!(((( ;゚Д゚)))」
ここまできておきながら、誕生したギラファノコギリクワガタのサナギはなんと、ほとんど見たことがない成長具合△!! 栄養合計は1ミリも上乗せされない900止まりになっちまったぁぁぁああああ!!!!>< こ、ここまで投資した万能伝説のエサが無駄に!!!>< いますぐ高級エサを吐き出してくれよ!!!><
なんでこんなみっともないことになってしまったのかと言えば……!((゚Д゚;))
じつはここんとこヘルクレスオオカブトの交配ばかりやっていたため、3れい幼虫にエサを与えるときは、
「つぎは“カブトようちゅうのとてもよいえさ”っと……!」
と、ほぼ脊髄反射で“カブトの”エサをボタン連打で選択していたのである!! なので、“クワガタ”を育てていたこのときも、先の反射でカブトエサを選択して与えてしまったらしく……! 結果的にギラファノコギリクワガタの3れい幼虫は、
「はぁ??? なんだこれ、カブトのエサじゃんよ。こんなマズいの食えるかってのwwww コレを喰うくらいなら、腹を空かせて寝てたほうがいいわww」
ってんで、まさかのハンガーストライキを起こしてしまったわけなのだよ!!
その結果、
生まれたギラファノコギリクワガタのメスは花丸虫にはなったものの……!
どこか冴えない、全長183cmの個体に……。嗚呼……! 俺はなんて無駄なことをしてしまったんだ……!!><
育成も、数をこなして慣れれば慣れるほど、こういったケアレスミスが生まれがち。これは、新社会人として仕事をし始め、ようやく業務に慣れてきたころから思わぬミスを連発するようになる……という、人間社会の縮図のようなものかもしれない。違うかもしれない。
まあとにかく……!
ボタン連打は、ほどほどに……w
続く……。
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。
『カブトクワガタ』公式ツイッター:
https://twitter.com/kabukuwa_info
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