By まつがん
さて、前回は皆さんにカードの能力を予想してもらったわけだが、まずは正解を発表することとしよう。
それが、こちらのカードだ!
えっと……つまりどういうこと……?
一読しただけでは正確には把握しきれない複雑な効果だが、ツインパクトとシナジーがあることだけは間違いない。
4月22日(土) に発売予定のアビス・レボリューション第1弾「双竜戦記」に収録される新カード、《SC龍飛→SC風流》。このカードを使ってどのようなデッキを組むべきか。
とはいえ全く前例のないカードとなるため、とにかく相性の良いツインパクトカードを探すところから始めるしかないだろう。
だが一口に相性が良いと言っても、どんなツインパクトカードならば相性が良いと言えるのか、まずはその条件をもう少し具体的に言語化するべきだ。
さて、《SC龍飛→SC風流》は端的に言うと「ツインパクトの大きい側を使うと小さい側も合わせて使えるよ (コストが同じツインパクトでも使えるよ)」というカードだ。
しかしここで勢い勇んで「じゃあコストがクソ重いツインパクトを探せばいいのでは???」となってしまうとそれは罠で、大きい側を使うためのコストは普通に自分で賄わなければならないので、クソ重クリーチャーとクソ重呪文がくっついたツインパクトを探してきたところで自分自身をいたずらに苦しめるだけになってしまう。
つまり求められるのは、「大+大」や「大+小」といったコストの組み合わせではなく、「コストが大きい側は自分でプレイできる範囲の重さで」「コストが小さい側はそのコストにできるだけ近い」というような、「中+中」のコストを持つツインパクトということになる。
では「中+中」のコストを持つツインパクトの中で、「単体で実用的」かつ「《SC龍飛→SC風流》と組み合わさったときに爆発的なシナジーを発揮する」カードといえば何があるだろうか?
この条件で私がたどり着いたのは、《コンダマ/魂フエミドロ》だった。呪文側はツインパクトデッキにおいて最強クラスのブースト呪文であり、クリーチャー側もそのようなデッキにおいてはかなり強力な効果となる。《SC龍飛→SC風流》がいれば「4マナで《コンダマ》を召喚して《魂フエミドロ》も唱え、2ブーストしながら2枚アンタップ」というインチキムーブが実現可能だ。
また、《雪溶の鎖/堕牛の一撃》も単体では力不足が否めないものの、《SC龍飛→SC風流》下では「2マナ2ドロー1ブースト」という冗談みたいなスペックに変貌する。
こうしたツインパクトを片っ端から集めていけば、対戦相手を圧倒できるに違いない。
《龍装艦 チェンジザ/六奇怪の四 ~土を割る逆瀧~》は盤面で2体3体と重ねれば重ねるほど効果が増すにもかかわらず、何より強力な呪文側を唱えるためにはその2体目3体目を捨てなければならないジレンマがあった。だが《SC龍飛→SC風流》がいればそんなジレンマとはもはやおさらばだ。
また、《始全虹帝 ミノガミ/自然の肯定》は《SC龍飛→SC風流》がいれば呪文側を唱えた後にクリーチャー側でマナがすべて起き上がるので実質《ボルバルザーク・エクス》の上位互換と言っても過言ではない (?) だろう。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『ツインパクト・SC風流』
4 | 《SC龍飛→SC風流》 | 4 | 《雪溶の鎖/堕牛の一撃》 | 4 | 《コンダマ/魂フエミドロ》 | 4 | 《全虹帝 ミノガミ/ハザード・パクト》 | 4 | 《ハリケーン・クロウラー/ブレイン・チャージャー》 | 4 | 《龍装艦 チェンジザ/六奇怪の四 ~土を割る逆瀧~》 | 4 | 《始全虹帝 ミノガミ/自然の肯定》 | 4 | 《レレディ・バ・グーバ/ツインパクト・マップ》 | 4 | 《イチゴッチ・タンク/レッツ・ゴイチゴ》 | 4 | 《ベイビー・バース》 |
現代デュエマの速度感を舐めてないか???🤔🤔🤔
《SC龍飛→SC風流》のために比較的重い側が軽いツインパクトを集めたとはいえ、トリガーも薄いのにこんな5マナとか6マナが膨れたマナカーブでは《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》のみぞおち腹パンでKO必至である。
また、それでも2ターン目に確実に《SC龍飛→SC風流》が出せるならば別論、《ベイビー・バース》を入れなければ《SC龍飛→SC風流》が安定して出せずデッキのポテンシャルを真に発揮できないというのでは、あまりにノロマすぎて対戦相手のあくびで歌ってみた動画の撮影ができてしまうに違いない。
かくして一度挫折した私は、《コンダマ/魂フエミドロ》に代わって《SC龍飛→SC風流》の新たなる相棒となるツインパクトを再び探すことにした。
続いて目をつけたのは、《龍装鬼 オブザ08号/終焉の開闢》や《反逆龍 5000typeR/無法頂上会談》といった軽減能力を持つツインパクトだった。
これならコストの大きい側が見かけ上どんなにクソ重だったとしても、実際にはそれより小さいコストで使用できる。
では、このような軽減能力を持つツインパクトの中で最も《SC龍飛→SC風流》と相性が良いのは何だろうか?
私がたどり着いた答えは、《レアカードハンター ウサギ団/ラビットハンド》だった。
これならクリーチャー側を「G・ゼロ」で召喚しつつ《ラビット・ハンド》を唱えられるので、「0マナW・ブレイカー+《ブレイン・タッチ》」という《”轟轟轟”ブランド》もびっくりの挙動が実現する。
もちろんそのためにはマナに5文明を揃える必要があるが、《薫風妖精コートニー》を《薫風妖精Re:コートニー》と合わせて8枚積めば問題はない。
だが、まだ1つ問題があった。これでは「《SC龍飛→SC風流》を4枚しか積めない」という問題が解決していないのだ。
《SC龍飛→SC風流》下でどんなに強いツインパクトを見つけたとしても、肝心の《SC龍飛→SC風流》を4枚しか積めないのでは意味がない……それが「ツインパクト・SC風流」で得られた教訓だった。だが、かといって《ベイビー・バース》経由では「2ターン目《SC龍飛→SC風流》」の場合とどうしても動きに差が生まれてしまう。
つまり、やはり必要なのだ。「2ターン目《SC龍飛→SC風流》」に匹敵する強力な動きが。
そのような動きを、私は必死に模索し続けた……そして。
一つの結論に至ったのである。
オボロティガウォックと組み合わせればいいのでは???🤔🤔🤔
そう、《薫風妖精コートニー》を8枚積んでいることがオボロティガウォックの伏線となった。これなら《SC龍飛→SC風流》を引いていなくても、2ターン目《薫風妖精コートニー》から3ターン目に《月光電人オボロカゲロウ》+《絶海の虎将 ティガウォック》という強力な動きをとることができる。
また、オボロティガウォックのドロー力があれば《ベイビー・バース》を噛ませなくても《SC龍飛→SC風流》はいずれ引いてこれるだろうし、逆に《月光電人オボロカゲロウ》を引けずに《SC龍飛→SC風流》を引いたパターンでも《雪溶の鎖/堕牛の一撃》や《レアカードハンター ウサギ団/ラビットハンド》が少ないマナでドローをつなげられるので《絶海の虎将 ティガウォック》が無駄にならないという、相互に補完しあう関係であることが採用の決め手となった。
あとはどうやって勝つかだが、《SC龍飛→SC風流》がいる状況で《雪溶の鎖/堕牛の一撃》や《レアカードハンター ウサギ団/ラビットハンド》の呪文側を唱えると、《絶海の虎将 ティガウォック》のドローカウントが進むことはもちろん、実は呪文カウントも増えていくことになる。
そこで《超宮兵 マノミ》も採用してドローの連鎖力を高めつつ、《次元の嵐 スコーラー》をピン差ししておけば、《月光電人オボロカゲロウ》で山札を一周しやすいこともあり、バトルゾーンに並んだ《レアカードハンター ウサギ団/ラビットハンド》の打点も生かせる過剰打点+追加ターンの安定フィニッシュにつなげられるはずだ。
というわけで、できあがったのがこちらの「SC風流・ティガウォック」だ!
『SC風流・ティガウォック』
4 | 《SC龍飛→SC風流》 | 4 | 《月光電人オボロカゲロウ》 | 4 | 《薫風妖精コートニー》 | 4 | 《薫風妖精Re:コートニー》 | 4 | 《雪溶の鎖/堕牛の一撃》 | 1 | 《虹色妖精ポミリン/レイニー・アトラス》 | 4 | 《レアカードハンター ウサギ団/ラビットハンド》 | 3 | 《超宮兵 マノミ》 | 1 | 《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》 | 4 | 《絶海の虎将 ティガウォック》 | 1 | 《次元の嵐 スコーラー》 | 4 | 《ガガガン・ジョーカーズ》 | 1 | 《セイレーン・コンチェルト》 | 1 | 《妖精の裏技 ラララ・ライフ》 |
このデッキが実際にどんな動きをするのか気になる方は、以下の動画で確かめてみて欲しい。
さて、いかがだっただろうか。
《SC龍飛→SC風流》が収録されているアビス・レボリューション第1弾「双竜戦記」は、4月22日(土) に発売予定だ。
また、コロコロコミック4月号ではデュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。