By まつがん
さて、前回は皆さんにカードの能力を予想してもらったわけだが、まずは正解を発表することとしよう。
それが、こちらのカードだ!
1ドロー付きの (ほぼ) 《超宮城コーラリアン》だと……?
何回呪文を唱えたとしても最低1マナは支払わないといけないとはいえ、手札を途切れさせずに呪文を連打する戦略との相性は抜群。これは楽しげなデッキが作れそうだ。
さて、12月17日(土) に発売予定のゴッド・オブ・アビス第2弾「轟炎の竜皇」に収録される新カード、《ルナ・ゲリラライブ》。このカードを使ってどのようなデッキを組むべきか。
といっても、《超宮城コーラリアン》を彷彿とさせる能力を持つ以上、組み合わせるべきはやはりこれらのカードだろう。
そう、《超宮兵 マノミ》と《次元の嵐 スコーラー》だ。
呪文連打系のコンセプトは、「《超宮兵 マノミ》を引けたときと引けなかったときとで出力に大きな差がある」ことが弱点だった。そこに5~8枚目の《超宮兵 マノミ》になる《ルナ・ゲリラライブ》が加わったことで、デッキポテンシャルの増強を図れるのではないか。
そう思った私は、早速水単スコーラーに《ルナ・ゲリラライブ》を入れた形を模索し始めた……の、だが。
『プロトタイプ・水単型』
4 | 《貝獣 ラリア》 | 3 | 《神出鬼没 ピットデル》 | 4 | 《超宮兵 マノミ》 | 4 | 《ルナ・ゲリラライブ》 | 4 | 《卍 ギ・ルーギリン 卍/卍獄ブレイン》 | 3 | 《I am》 | 4 | 《ア・ストラ・センサー》 | 1 | 《【奇跡】まさかの神引き!!【豪運】》 | 1 | 《セイレーン・コンチェルト》 | 4 | 《十・二・神・騎》 | 3 | 《シンクロ・スパイラル》 | 4 | 《電脳呪文「ブレイン」》 | 1 | 《海底鬼面城》 |
回らん!!!!!😡😡😡
とはいえ「《貝獣 ラリア》とか意味不明なカード入れてるからじゃねーのか」と思われるかもしれないが、これにはきちんとした理由があるのだ。
まず水単スコーラーは受けがないデッキのため、遅くとも4ターン目には6打点以上+《次元の嵐 スコーラー》までつなげて勝勢に持ち込みたいところ、4ターン目に《次元の嵐 スコーラー》を出すには呪文を「1+1+1+1」で唱えても足りないため、どこかに「0」の呪文を挟む必要が生じる。
もしそれが《セイレーン・コンチェルト》なら何の文句もないのだが、殿堂カードであるためそこまで期待はできない。そこで多くの場合《シンクロ・スパイラル》に頼ることになるわけだが、ここで大きな問題が出てくる。
そうなると4ターン目の4マナの用途がすべて1コスト呪文で埋まってしまうことになり、《ルナ・ゲリラライブ》を挟む余地が一切ないのだ。
これが《超宮兵 マノミ》につなげるだけなら「1+1+1+《ルナ・ゲリラライブ》」で何の問題もないが、そこから《次元の嵐 スコーラー》につなげようにも呪文を唱えるマナがなく、《ルナ・ゲリラライブ》の採用を前提とするなら「1+1+1+《ルナ・ゲリラライブ》+0+0」と2枚もの0マナ呪文を要求されてしまうことになってしまう。
要するに、《ルナ・ゲリラライブ》は《超宮兵 マノミ》とは相性が良いが《次元の嵐 スコーラー》とは相性が悪いのだ。
上記のデッキはその問題を解決するべく、新たなる「0」として同じくゴッド・オブ・アビス第2弾「轟炎の竜皇」で登場する《電脳呪文「ブレイン」》に頼ろうとした結果、呪文4回までで並べられる水のクリーチャーの頭数の問題で《貝獣 ラリア》や《神出鬼没 ピットデル》を入れざるをえなくなった形だが、要求が高すぎてとてもではないが回せそうになかった。
ただ、この問題を回避する方法も実は存在していた。
4ターン目に4マナしか出ないのは水文明単色だからだ。ならば、自然文明を採用することで4ターン目に「1+1+1+1+1」で動くことが可能になるのではないか。
いや、むしろそれ以上に《妖精の裏技 ラララ・ライフ》を採用すれば0マナでマナ加速すらも可能となる。
さらに《♪面白き こともなき墓地を 面白く》で《妖精の裏技 ラララ・ライフ》を再利用すれば、実質0マナで3回も呪文を唱えることができる。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『プロトタイプ・水自然型』
4 | 《桜風妖精ステップル》 | 4 | 《超宮兵 マノミ》 | 4 | 《ルナ・ゲリラライブ》 | 4 | 《次元の嵐 スコーラー》 | 4 | 《ア・ストラ・センサー》 | 4 | 《ガガガン・ジョーカーズ》 | 4 | 《♪面白き こともなき墓地を 面白く》 | 4 | 《妖精の裏技 ラララ・ライフ》 | 4 | 《フューチャー・ブレイン》 | 4 | 《ジャスミンの地版》 |
回らなくもない……が、何かが物足りない🤔🤔🤔
理論上は問題なく回るはずなのに実際に回してみると違和感がある……その原因は、《妖精の裏技 ラララ・ライフ》への依存度がとてつもなく高いという部分にあった。
ならば《妖精の裏技 ラララ・ライフ》を増やせばいい……というわけにもいかないのがこのカードの難しいところである。《妖精の裏技 ラララ・ライフ》は唯一無二過ぎて2種類目が存在せず、8枚積むことができない。つまり多少の枚数調整の余地はあれど、このデッキにこれ以上の大幅な進化は望めない。
そう判断した私は、一度は諦めた水単の進化形を再び模索することにした。
《貝獣 ラリア》や《神出鬼没 ピットデル》を入れる必要があったのは、4ターン目に唱える5枚目の呪文として《電脳呪文「ブレイン」》を0マナで唱えるためだ。だが水のクリーチャーは必ずしも呪文連打のターンと同一のターンに展開する必要があるわけではない。どうせ2ターン目や3ターン目はマナチャージのみで終えることも多いのだから、そこに手札が減らないクリーチャーを挟む余地があるのではないか。
そう、《伝説演者 カメヲロォル》や《貪欲な若魔導士 ミノミー》を投入すればいいのだ。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『プロトタイプ・水単型2』
4 | 《伝説演者 カメヲロォル》 | 4 | 《貪欲な若魔導士 ミノミー》 | 4 | 《超宮兵 マノミ》 | 1 | 《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》 | 3 | 《ルナ・ゲリラライブ》 | 4 | 《卍 ギ・ルーギリン 卍/卍獄ブレイン》 | 3 | 《次元の嵐 スコーラー》 | 4 | 《【奇跡】まさかの神引き!!【豪運】》 | 3 | 《ガード・グリップ》 | 1 | 《セイレーン・コンチェルト》 | 3 | 《シンクロ・スパイラル》 | 1 | 《ストリーミング・シェイパー》 | 3 | 《電脳呪文「ブレイン」》 | 1 | 《神の試練》 | 1 | 《海底鬼面城》 |
不純物多すぎ後引きカメヲロォル&ミノミー不快すぎ!!!😡😡😡
《伝説演者 カメヲロォル》を出すデッキがノートリで後手4ターン目を迎えられると信じる甘えもさることながら、想定される4ターン目の最適な手札内容 (e.g. 1マナドロー呪文×3+マノミなど) に対して余計なカードが入りすぎていることにより、分散が大きすぎて理想の動きから遠ざかる結果となってしまった。
まだ《歩く賄賂 コバンザ》と《機動基盤 コア・キャリバー/エレクトロ・シャワー》の8投でドロー力を高めてぶん回すという選択肢もあったが、このあたりで水単に限界を感じていた私は、また別の0マナ呪文を使った形を思いつく。
そう、《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》だ。
また、光を入れることで《ジャスト・ラビリンス》を採用できるのも大きな魅力に思えた。
ただ4ターン目の4マナのうち3マナが《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》に使用されてしまうことを考えると、その後の呪文踏み倒しがあるにせよさすがに《次元の嵐 スコーラー》まではどう頑張ってもつながらない。
そこで試験的に《次元の嵐 スコーラー》を抜いた形が考えられないかということで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『プロトタイプ・光水型』
4 | 《ナゾの光・リリアング》 | 4 | 《貝獣 ラリア》 | 4 | 《超宮兵 マノミ》 | 1 | 《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》 | 4 | 《ルナ・ゲリラライブ》 | 4 | 《ア・ストラ・センサー》 | 1 | 《セイレーン・コンチェルト》 | 4 | 《ジャスト・ラビリンス》 | 4 | 《団・鎧・鉄・壁》 | 4 | 《十・二・神・騎》 | 4 | 《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》 | 1 | 《電脳呪文「ブレイン」》 | 1 | 《海底鬼面城》 |
略 |
一番強いカードをデッキから抜くとか正気か???😡😡😡
迷走に次ぐ迷走の果てに、気が付けば私は袋小路に迷い込んでしまっていた。
そもそも《ルナ・ゲリラライブ》は確かに強力とはいえ、1ドローを必要としないのならば《超宮城コーラリアン》でも済む話である。
それを無理矢理《ルナ・ゲリラライブ》に寄せようとしたことで、答えがない問いにハマりこんでしまっているのではないか……とさえ思い始めていた。
だが、《ルナ・ゲリラライブ》を強く使うには限界があるのかもしれない……そんな弱い考えに頭が支配されそうになっていたそのとき。
私は気が付いたのだ。
まだ試していない組み合わせが存在するということに。
水自然型に《十・二・神・騎》を入れればいいのでは???🤔🤔🤔
「ギャラクシールド」呪文と《ルナ・ゲリラライブ》との相性の良さについては早くから気が付いていた。だが、それはあくまで2マナ域のアクションが薄い水単型における《妖精の裏技 ラララ・ライフ》の代わりのオプションとしか考えていなかった。
しかし、別に水自然型に《十・二・神・騎》を入れてはいけないという法はない。
確かに水自然型におけるベストな2ターン目のアクションは《桜風妖精ステップル》もしくは《ジャスミンの地版》だろう。だが他方でこのコンセプトでは自然マナはそれらの展開のための1枚しか使わず、できれば残りのマナはすべて水のカードであることが望ましいため、自然文明のカードを極限まで削るデッキ構築になりやすい。
そうなったとき、デッキに4枚しか入れられない《妖精の裏技 ラララ・ライフ》を含め、《桜風妖精ステップル》や《ジャスミンの地版》を唱えるための2枚目の自然のカードを用意する足掛かりになり、かつ《超宮城コーラリアン》と違って3ターン目にポン出しするプランも存在する《ルナ・ゲリラライブ》のための呪文カウントも稼げるこのカードは、これ以上の進化が望めないと思われた水自然型の穴を埋める、見落としていたラストピースと言って差し支えなかった。
つまり《十・二・神・騎》こそが、水単に限らず《ルナ・ゲリラライブ》の最高の相棒だったのである。
というわけで、できあがったのがこちらの「ゲリラ・スコーラー」だ!
『ゲリラ・スコーラー』
4 | 《桜風妖精ステップル》 | 4 | 《超宮兵 マノミ》 | 1 | 《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》 | 3 | 《ルナ・ゲリラライブ》 | 3 | 《次元の嵐 スコーラー》 | 3 | 《ア・ストラ・センサー》 | 1 | 《セイレーン・コンチェルト》 | 2 | 《♪面白き こともなき墓地を 面白く》 | 4 | 《妖精の裏技 ラララ・ライフ》 | 4 | 《十・二・神・騎》 | 4 | 《フューチャー・ブレイン》 | 2 | 《クローン・ファクトリー》 | 4 | 《ジャスミンの地版》 | 1 | 《海底鬼面城》 |
このデッキが実際にどんな動きをするのか気になる方は、以下の動画で確かめてみて欲しい。
さて、いかがだっただろうか。
《ルナ・ゲリラライブ》が収録されているゴッド・オブ・アビス第2弾「轟炎の竜皇」は、12月17日(土) に発売予定だ。
また、コロコロコミック1月号ではデュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。