『ディアブロ IV』開発者インタビュー! エンドコンテンツと、突如現れるブッチャーの秘密とは!?

期待の大作のいま!

 2023年の発売に向け、急ピッチで開発が進められているBlizzard EntertainmentのアクションRPG『ディアブロ IV』(対応ハードは、プレイステーション5、4、Xbox Series X|S、Xbox One、WindowsPCの予定)。世界中で人気を博す“元祖ハック&スラッシュ”の11年ぶりとなるナンバリングタイトルの登場とあって、正式な発売日の発表がいまかいまかと待ち望まれている。

 そんな『ディアブロ IV』(並びにディアブロシリーズ)は、我がコロコロオンラインも精力的に追いかけてきたタイトルだ。新情報が出れば逐一お伝えをしていきたい……と思っていたところ、なんと!! 同タイトルの中枢を担うアシスタントゲームディレクターのジョセフ・ピエピオラさんと、リードゲームデザイナーのザヴェン・ハルトゥニアンさんにインタビューする機会に恵まれたのである!

 日本のメディア数社合同インタビューの場に招待されたわけだけど、いままさに制作の佳境を迎えているタイミングで開発者のナマの声が聞けるのはこの上ない幸せ!! さっそくその模様をお伝えしちゃおう!!

▲『ディアブロ IV』開発チームのアシスタントゲームディレクターを務める、ジョセフ・ピエピオラさん。新機能の導入や不具合の修正、その他の各種アップデートを担当。モンスターとの戦闘や戦利品の獲得、キャラクタービルドのカスタマイズについて最高の体験を実現する責任を負う。

▲『ディアブロ IV』開発チームのリードゲームデザイナーを務める、ザヴェン・ハルトゥニアンさん。ワールド&レベルデザイン、クエストデザイン、テクニカルデザインの一貫した明瞭性の維持に務め、『ディアブロ』ユニバースにふさわしい体験を『ディアブロ IV』にもたらしているとのこと。

『ディアブロ IV』日本メディア合同インタビュー

 それでは、『ディアブロ IV』合同インタビューでのやり取りをかいつまんでお伝えしていこう。マニアックすぎる質問もいくつかあったのだがそういったものはすべて省き、わかりやすくまとめたいと思う。

--改めてになりますが、『ディアブロ IV』は11年ぶりに出るナンバリングタイトルです。開発するうえで、これまでの伝統を踏襲するのか、それともまったく新しいものを中心に開発するのか、そのへんのバランスをどう考えていたのか教えてください。

ジョセフ 『ディアブロ』というゲームをデザインするうえで、まずは過去作について考えなくてはいけません。これは避けては通れない道です。ただ『IV』に関しては“オープンワールド”という新たな軸になるシステムがあるじゃないですか。ここに、過去作でプレイヤーからいただいたフィードバックを当てはめると、果たしてどう見えるのか……? この考えを、コンセプトの根底に据えました。たとえば『ディアブロ II』に関して言いますと、プレイヤーから上がってきたのは“カスタマイゼーション”と“スキル”に関して。どうすれば自分のプレイしやすいようになるのか……という点について、たくさんの意見をもらっていたんです。『ディアブロ III』ですと、反響が大きかったのはアクションのクオリティー。敵を倒したときの手応えに関しては、一定の評価を得られたと思っています。『ディアブロ IV』をデザインするにあたり、このふたつの点を合わせて、そのうえでオープンワールドの世界に落とし込んだらどう見えるのか……? ここを、とくに注意しながら開発を進めていきました。

ザヴェン ひとつ付け足すとすれば、“シェアドワールド”についてでしょうか。『ディアブロ IV』は、同じ世界に他のプレイヤーも入ってくる仕組みになっているので、このシェアドワールドがジョセフの言った方程式に加わったときにどうなるのか? ここは重要なポイントでした。こういうシステムはほかのゲームでも見られますけど、ポイントは“ディアブロの世界観に加わったときに、どう見えるのか? そしてどう見えてくるべきなのか?”ということ。ここが、『ディアブロ IV』をデザインするうえでのいちばんのコンセプトになったと思います。

--『ディアブロ IV』は運営型のゲームになるとのことですが、リリース後のサービス展開についてお聞かせください。ストーリーやクラスの追加、新エリアの登場など、話せる範囲でお答えいただければなと。

ジョセフ まだ詳しくは話せないのですが、“シーズン”(『ディアブロ』シリーズでおなじみのシステム。シーズンごとにゲームが刷新されて新しいゲームプレイを始められる)を年に3~4回実施することは発表済みです。もちろん、シーズンごとのコンテンツは盛りだくさんですよ。たとえば新しいキャラだとか、過去作に登場した名物キャラなどの登場も考えています。方向性としては、サンクチュアリの人々の話を広げていきたいので、マップを追加しつつ世界そのものを広くしていければなと考えているんです。『ディアブロ』を運営していくうえで、このシーズンというコンテンツは開発側も大事にしているポイントのひとつですので、今後も続けていくつもりです。……もうまもなく、もっと具体的なことを発表できると思うので、お楽しみに。

--エンドコンテンツについて、改めて詳しく教えてください。『II』では特定の狩場をグルグルと巡ったり、『III』ではリフトを楽しむなどのエンドコンテンツが用意されていましたが……?

ザヴェン 3つのコアなエンドゲームコンテンツを考えています。ひとつは、“ウィスパーオブデッド”(死者の囁き)。ゲームをある程度進めていくと解放されるのですが、各地にいろいろなアクティビティーが登場します。これをクリアーすることで報酬が得られるのですが、その中にはレジェンダリー級の強力なアイテムもあるんです。ふたつめが、“ナイトメアダンジョン”。特定の“紋章”を集めることによってこのダンジョンにアクセスしたり、アップグレードすることができるようになります。ダンジョンそのものの難度を上げることで、敵からドロップする戦利品を強力なものにすることができるんです。最後に、“ヘルタイド”。簡単に言いますと、“全世界の難易度が上がるエンドコンテンツ”ということでしょうか。ざっくりと、ハイリスク・ハイリターンのゲームを楽しめると思うので、やり込まれる人にピッタリだと思います。

--敵の強さ調整について教えてください。ベースレベルと上限があって、基本的にプレイヤーのレベルに合わせて敵の強さが変化する……という感じでしょうか? もうひとつ、ダンジョンで何度かめちゃくちゃ強いブッチャー(ディアブロシリーズの名物ボス)に出会ったんですけど、あれはいったい……? イースターエッグ(いわゆる隠し要素のこと)なのでしょうか?

ザヴェン イースターエッグ……と言ってしまえばそうなのですが、シリーズ皆勤賞のブッチャーに関しては最初から、『IV』でもぜひ出したいと考えていました。そこでひとつ、思い出していただきたいのが、『III』にいた“トレジャーゴブリン”という敵のことです。お金やアイテムを撒き散らしながら逃げる名物キャラでしたけど、これは『IV』にも登場します。そしてブッチャーですけど……本作ではトレジャーゴブリンの一種だと思っていただいたほうがいいかもしれません。倒すと、ブッチャーしか落とさないアイテムをドロップしたりしますのでね。完全ランダムでダンジョンに現れるので、言ってしまえば“どんなレベルのダンジョンにも出現する”ということ。そして通常のトレジャーゴブリンは逃げるだけですが、ブッチャーは執拗にプレイヤーを倒しにきます。それが最大の違いです。ブッチャーに関しては、出会ってしまったら倒すか、倒されるしかないので、かなりスリリングな戦闘を楽しめるんじゃないかなと思います。

ジョセフ 敵の強さ調整については、ちょっと複雑になってしまうのですが、まず大前提として『ディアブロ IV』はオープンワールドで、同じ世界に他のプレイヤーも存在しています。ゆえに、プレイヤーのレベルに合わせて敵の強さを変えるかどうかについては、かなり大きな問題になっていました。たとえば、レベル5のプレイヤーが遊んでいるエリアに、レベル45のプレイヤーがやってきたとします。その瞬間に敵のレベルが引っ張り上げられてしまうと、レベル5のプレイヤーは瞬殺されてしまいますよね。逆に敵のレベルも5のままだと、強いプレイヤーとすれ違っただけでパッシブスキルで全滅させられてしまうでしょう。こうなるとどちらのプレイヤーも楽しめないので、『ディアブロ IV』では“プレイヤーのレベルに合わせて敵のレベルも上がる”という仕様にしました。先ほどの例ですと、レベル5の人とレベル45の人が同じ敵と戦っていたとしても、レベル5の人の前にいるのはレベル5の敵、レベル45の人の前にいるのはレベル45の敵……となるのです。何が変わるのかと言うと、プレイヤーが被るダメージのパーセンテージが変わります。ですので、見た目は同じようなダメージでも、数値だと桁違いのものになるわけです。

もうひとつ、質問とはズレますが、『ディアブロ IV』には“ストロングホールド”というエリアがあります。ここは、挑戦するときに事前にエリアのレベルを決めることができるので、いっしょにプレイする人と調整してから挑むのがいいでしょう。

--私は『ディアブロ IV』でこのゲームにデビューするのですが、テスト版を遊ばせてもらったときに、要素が多いのにユーザーインターフェース(UI)が非常に考えられているなと感心したのです。この操作系のように、初心者を取り込むための施策は、何かお考えでしょうか?

ザヴェン UIに関しては、担当チームが本当にいい仕事をしてくれたなと思っています。ベースになる考えとして、もともと『ディアブロ』シリーズは、PCのキーボードとマウスを使って遊ぶゲームとして設計されていたわけです。でも今回はそれだけではなく、最初からコントローラーで遊ぶことを念頭に開発をスタートさせました。そういう意味では、あとからコントローラーによる操作を追加するよりも楽に開発が進められたと思います。また初心者への救済として、しっかりとゲーム中で説明を入れることが大事だなと考えました。たとえば何かを知りたいときに、カーソルを合わせればそれについての説明文が出てきたりするんですけど、このテキストの書き方とか、大事なキーワードをきっちりと盛り込むよう細心の注意を払って作ってきました。

もうひとつ、コントローラーの話に戻るのですが、今回はクロスプレイ、クロスプログレッションを最初から入れていますので、PCから家庭用ゲーム機に移動して遊ぶ人や、その逆のパターンもあると思うのです。とくに友だちとプレイするときにハードを変えることになると思うので、キーボードからコントローラーに持ち替えたからと言って違和感を感じないようにと慎重にデザインを進めていきました。

ジョセフ 新しいプレイヤーをどうやって取り込むか……という点ですが、大きくふたつのポイントがあります。ひとつは、前作の『III』がアクションや戦闘の評価が高く、このときにかなりの新規ユーザーを獲得できたという手応えがあるので、『IV』でもこの点はさらに磨きをかけていきたいと考えているんです。加えて、敵がどんな形で攻撃をしてくるのか……という知識を新規のプレイヤーもすぐに吸収できるような造りにできていると自負しているんです。こういったアクションRPGを初めて遊ぶ人でも、ちょっとプレイすればすぐに、「なるほど! こういうゲームなのね!」とわかってもらえるんじゃないかなと思います。

もうひとつ、今回はオープンワールドということもあるんですけど、プレイヤーがどのようにストーリーを展開させていくのか……ということに関しても注力しました。とくに“没入感をどれだけ足せるのか”が重要。惰性でプレイさせるのではなく、あたかもこの世界の人間のひとりとしてNPCと関わり、彼らの生活とか、苦しみとか、悲しみなどをしっかりとプレイヤーにも感じられるような絵作り、物語作りを行ったつもりです。『ディアブロ IV』で初めてこの世界に入ってきた人でも、すぐに世界観に没入できると思います。

--アイテムのドロップについて、敵のグループとか特定のボス、また地域などによって違いはあるのですか?

ジョセフ 地域によってルートテーブルということではなく、ちょっと複雑なんですが、どちらかというと“モンスターテーブル”というようなものがあります。何かと言うと、ある特定のアイテムはこのモンスターのグループからよくドロップするよ……という設定のことです。たとえば、ゾンビ系のモンスターからは宝石がよく落ちます。吸血鬼系は、また別のものが……という感じで。なので特定のアイテムが欲しいときは、このテーブルをある程度理解していると楽に集められるんじゃないかなと。その地域によって特定のモンスターをガンガン倒していれば、欲しいアイテムを手に入れられる確率が俄然上がるわけですから。それと、アイテム……というか素材になるんですが、ハーブだったり、モンスターの一部なども合成素材として使えるので、先ほど言った“どの地域にどんなモンスターが生息しているのか?”ということを頭に入れておくことは重要になると思います。単純にモンスターを倒し続けるだけでは、欲しい素材にはなかなかたどり着けませんから。

--今回の物語のカギを握る存在として“リリス”がフィーチャーされていますが、採用の理由は? 

ザヴェン リリスが選ばれたのは、『IV』を作るに当たってフォーカスしたかったのが“サンクチュアリ”だったことに由来します。サンクチュアリを作ったのがイナリウスとリリス……天使と悪魔でしたので、まずはこのふたりがフィーチャーされています。さらに、サンクチュアリに住んでいる人にもスポットを当てたかったんですね。いま言ったようにリリスとイナリウスによってサンクチュアリは作られたわけですけど、ここは天国と地獄に挟まれた狭間の世界なんです。この、絶妙なバランスで保たれている場所に人間が住んでいて、天国からも地獄からも圧力をかけられている状態にある、と。そこでは人々はどんな人生を送っているんだろう……と考えたときに、「これはリリスを中心に構築していくのがいいだろう」と決意しました。

ジョセフ 『ディアブロ III』に砂漠のエリアがあるのですが、『ディアブロ IV』のアクト2で、ここに戻ることになります。ですので、『III』の時代からどう変わってしまったのか見ることができますし、ほかにもそういう要素はいくつもあるので、懐かしくも興味深く思ってもらえると思います。

--ソロプレイに関して。モバイル版の『ディアブロ イモータル』では複数のプレイヤーがそろわないと遊べないエリアがあったりしましたが、『ディアブロ IV』ではどのようになっているのでしょうか?

ジョセフ ストーリーに重点を置いているタイトルですので、そういった意味では、ほぼすべてのコンテンツをソロで遊んでもらえるようになっています。ただ、ゾーンイベントやワールドボスといった大型のイベントは、そもそも複数でないと太刀打ちできないので、これらに関してはマルチで挑むことになります。とはいえ、キャンペーンやストーリーの大事な部分はプライベートの設定になるので、他のプレイヤーはいっさい見えないところで、ソロか友だちと遊んでもらえればなと。自分のストーリーを進めていくうえで、知らないプレイヤーがわちゃわちゃしている状況にはならないと思ってください。

『ディアブロ』公式サイト:
https://diablo4.blizzard.com/ja-jp/

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