By ZweiLance
皆さんごきげんよう、ZweiLance (ツヴァイランス) だ!
さて先日ついに発売となった開発部セレクションデッキ。「水闇魔導具」と「火水覇道」。
色々な意味で衝撃的なCMが公開されていたのだが、そちらは既にご覧になっただろうか?
はたして過去、これほどに「再録」の2文字をゴリ押してくるCMがあっただろうか……。
しかし内容はそのゴリ押しに相応しく、これらのデッキは既に実戦レベルの構築済みでありながら、「再録」という点でもユーザー待望の内容となっている。
特に《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》と《絶望と反魂と滅殺の決断》については、今まで入手を諦めていた方にとっても、今後は気軽に触れられる機会となることだろう。
しかしこれは言い換えると、この再録を機に初めて使う方も多いはず。
いざ使うにもなかなか長文なテキストが書かれていることから、初めは戸惑うかもしれない。
そこで今回のDMゼミでは、これらのカードについて、どういったポイントに注意して使えば良いのか、またどういったデッキと相性が良いのか、改めて深掘りする特別回にしていこうと思う。
特に《絶望と反魂と滅殺の決断》に関しては、少々知らないといけないルールの話もあるので、その点についても紹介していく。
それでは早速いってみよう!
《絶望と反魂と滅殺の決断》
まずは《絶望と反魂と滅殺の決断》、通称「ダークネス」から。
このカードの強みは、何と言っても3つのモード選択からなる、圧倒的な対応力。
ルール上注意すべきポイントは以下の2つ。
1. まずどのモードを選択するか、あらかじめ宣言してから効果解決に移る
2. 上にあるモードから順番に解決する
つまり、「相手のパワー4000以下の対策クリーチャーを破壊した後、墓地から《天災 デドダム》を出す」みたいなことはできないということだ。
このポイントさえ押さえておけば、あとは状況に応じて最も相手が嫌がるモードを逆算し、的確に選んでやればいいだろう。
余談だが、このポイントはどのパーフェクト呪文も共通なので、改めてテキストを見返してみると、色々なコンボが見つかって面白いかもしれない。
例えば《生命と大地と轟破の決断》であれば、マナに出したいクリーチャーがなくても、「マナ加速のモード」と「マナから出すモード」を選択しておくことで、運が良ければ山札の上からマナに落ちたカードをそのまま出せたりもする。知っておいて損はない。
話を戻すと、デュエル・マスターズはバトルゾーンにクリーチャーを展開するか、手札に展開するためのクリーチャーやコンボカードを抱えるか、ほとんどのデッキがこのどちらかに分類されている。
最近のビートダウンなんかはその中間に位置するが、相手が手札を抱え込むようなら手札を、場に展開するようなら場を、その中間ならこちらもまたその中間をと……。
特に「手札破壊モード」と「パワーマイナスモード」の相性が良く、常に相手のやりたいことに対して大きな裏目を作り続けることができる。
このカードを特に上手く使えているデッキの一つに、「墓地退化」のコンボがある。
ご存知《死神術師 デスマーチ》と《龍脈術 落城の計》を組み合わせたコンボなのだが、例えばそのコンボを止めようと相手が召喚した《奇天烈 シャッフ》なんかが分かりやすいだろう。
《奇天烈 シャッフ》というカードは、手札1枚と1ターンを使って、相手の行動をピンポイントで妨害するカードと言える。
逆に言えば、その《奇天烈 シャッフ》がまんまと倒されてしまうと、今度は《奇天烈 シャッフ》を使った側がとんでもない痛手を負うことになるのだ。
しかもそれが1回きりのことならまだなんとかなるはずが、墓地から再度《絶望と反魂と滅殺の決断》を唱えられることで、追撃が確約されているから恐ろしい。
このように、相手をする側としてはたまったものじゃないカードで、まさに「コントロール」という名に相応しい1枚となっている。
えっ?「墓地から出すモード」はそれほど使わないのかって?
……いやいや、全然そんなことはない。
《天災 デドダム》や《虹速 ザ・ヴェルデ》との相性は言わずもがな、アドバンスフォーマットではそこに《斬罪 シ蔑ザンド》や《乱罪 ダイパ殺デー》の「GR召喚」までもが付いてくる。
デッキによっては最も使うことになるモードで、本来妨害しかできなかったはずのこのカードも、それこそ《天災 デドダム》などを墓地から出すことで、自分の動きを伸ばすという選択肢まで生まれてくるのだ。
一見ゴリゴリのコントロールカードのように見えて、思った以上に様々なデッキに溶け込み、弱点を補完してくれることは往々にしてある。
おまけに複数枚採用することで、なんと山札切れまで解消してくれる。
あとは実際に使ってみるのが一番早いと思うので、とりあえず雰囲気だけでも伝われば幸いだ。
《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》
続いて《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》、通称「カツキング」。
まず基本的な部分からのおさらいで、例えば「革命2」の場合、シールドをブレイクされた時点で、残りのシールドが何枚かを参照することで発動できるかどうかが決まる。
例えば《轟く侵略 レッドゾーン》が自分の5枚のシールドのうち3枚をブレイクしてきた場合、残りのシールド枚数が2枚であることから、「革命2」を発動することが可能だ。
これは《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》を相手する際も注意が必要なポイントで、先にシールドを2枚ブレイクしておくことで、《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》がシールド・トリガーになる確率を若干減らす、というテクニックは非常に重要となる。
さてこのカードは《蒼き団長 ドギラゴン剣》、《時の法皇 ミラダンテXII》、《百族の長 プチョヘンザ》という、RevF編で登場した3大LEGEND革命チェンジドラゴンとの相性が高く、最近ではここに《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ /「未来から来る、だからミラクル」》と《蒼き覚醒 ドギラゴンX》も加わったという印象が強い。
自身が手札補充能力と、自分相手問わず手札に戻す能力を持っていることから、異常なまでに「革命チェンジ」との相性が良い。まずこれが一つ。
そして種族に「ドラゴン」を持っている点。
ご存知《メンデルスゾーン》や《ボルシャック・栄光・ルピア》との相性はもちろんのこと、特にアドバンスフォーマットでは《爆熱天守 バトライ閣》や《邪帝斧 ボアロアックス》との強烈な相性を見ることができる。
ドラゴンを軸にしたデッキに雑に入れてやるだけでそれなりの味付けになってしまう。
……そうだ、これは料理におけるニンニクに近い。《切札勝太&カツキングー熱血の物語ー》はドラゴン界のニンニクと言えるだろう。
この他にも、火水自然を含む4色以上の中速デッキには、ほぼ間違いなく採用を検討できる。
さて、どちらのカードにも共通して言えることは、単体では決してコンセプトとして成立しないということだ。
《超戦龍覇 モルトNEXT》のように、1枚でゲームを決着させるような主人公カードではない。「最強のサポートカード」なのだ。
皆さんがこれから新しく手に取るデッキ、あるいは何かコンボを実現したかったデッキの、手助けをしてくれる可能性は非常に高い。
なぜなら、先の《奇天烈 シャッフ》の例のように、これらの強烈なギミックが土台にあるからこそ、自分が本当にやりたいことを押しつけやすくなるから。
だからこそ多くのユーザーに求められ、今回の再録に至った。
デッキ自体も既に完成して、もちろん楽しめる内容になっているのだが、公式がここまで「再録」と声を上げてくれたのだから、それ目的で2個3個とデッキを買っても全っ然問題ない!
文章や動画で伝えるのがもったいないくらい、これらのカードはPOWERに溢れている。
店頭で見かけたらぜひ手に取って、それをご自身で体感して欲しい。
そしてデュエチューブでは、同様のテーマでより面白おかしく講義形式でお送りしているので、そちらもあわせてチェックして欲しい!
それではまた次回のDMゼミでお会いしよう。
(ただしニンニクというのは言い得て妙で、あまりにも相性を度外視すると、クセばかりが目立つぞ!!)
ZweiLance:
デュエル・マスターズの超強豪プレイヤーにして、YouTubeの「ZweiLance Channel」でデュエル・マスターズに関するコンテンツを主に配信するYouTuber。『モルトNEXT』『デ・スザーク』『アナカラーデッドダムド』『オカルトアンダケイン』などの名手として知られ、競技デュエマにかける情熱は誰よりも熱い。主な戦績はグランプリ-7th3位入賞、日本一決定戦2018トップ8入賞、日本一決定戦2019出場権をDMPランキング上位枠で獲得など。
YouTube「ZweiLance Channel」:
https://www.youtube.com/channel/UCgo6OjaW8C8kghG0SHwMsJA
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