By まつがん
あけましておめでとう!
平成という時代が終わりに近づき、新たな時代の幕開けが近づいてきている今日このごろだが、この連載では相変わらず妄想と狂気に満ちたデッキ構築を行っていく予定なので、2019年も引き続きよろしくお願いしたい。
▲「夢の最&強!ツインパクト超No.1パック」収録、「悪魔神バロム/バロム砲」
さて、前回は「夢の最&強!ツインパクト超No.1パック」に収録されている新カード、《悪魔神バロム/バロム砲》を紹介した。今回は早速このカードを使ってデッキを作っていこう。
しかし、はてさてどんなデッキを組むべきか……そう考えたとき。
《バロム砲》の存在意義が、デッキ構築の障害となっていきなり立ちはだかったのである。
というのも、《バロム砲》のマナコストは10。つまりあとたったの1マナを足せば《オールデリート》が打ててしまう。そうなると、大抵の使い方では「《オールデリート》で良くね?」となってしまうという問題が出てきてしまうのだ (《悪魔神バロム/バロム砲》は2ブロックでも使えるという差別化も可能ではあるが、ここでは触れない)。
この問題を解決するため、まず始めに私が考えたデッキは以下のようなものだった。
『サンプルデッキ』
《終断α ドルーター》 | |
《リロード・チャージャー》 | |
《Dの妖艶 マッド・デッド・ウッド》 | |
《レインボー・スパイラル》 | |
《テック団の波壊Go!》 | |
4 | 《パイレーツ・チャージャー》 |
4 | 《マッド・デーモン閣下 /デーモン・ハンド》 |
4 | 《邪霊神官バーロウ》 |
4 | 《悪魔神バロム/バロム砲》 |
4 | 《悪魔神ドルバロム》 |
超次元ゾーン | |
1 | 《FORBIDDEN STAR ~世界最後の日~/終焉の禁断 ドルマゲドンX》 |
8チャージャーで10マナまでマナを伸ばせるようにしつつ、《Dの妖艶 マッド・デッド・ウッド》と《邪霊神官バーロウ》との組み合わせでツインパクトの上側、すなわち《悪魔神バロム》の方も生かせるようにする。それが私のアイデアだった。
しかし、ここにも罠が潜んでいた。
▲「転生編(ジェネレート・ギア) 第1弾」収録、「悪魔神 ドルバロム」
まつがん「この《悪魔神ドルバロム》ってカード、想像以上に強いな……」
そう……進化クリーチャーであるツインパクトの上側を踏み倒せるようにした途端、今度は「《悪魔神ドルバロム》で良くね?」となってしまうのだ。
もしも将来的に闇のツインパクトだけでデッキが組めるようになれば話は別かもしれないが、今の時点では《悪魔神バロム/バロム砲》は、クリーチャー側にも呪文側にも唯一無二の存在意義はどうやら見いだせそうもない。そしてデッキとは、カードに宿る唯一無二の存在意義を先鋭化させるものだ。
そう考えたとき、《悪魔神バロム/バロム砲》はあらゆるデッキの核にならないカードになってしまいそうだったのである。
何か……何か解決策はないのか。
私は《悪魔神バロム/バロム砲》が持つ唯一無二性を引き出すことのできるカードを求め、《悪魔神バロム》の進化元になりうる闇のコマンドを片っ端から眺めることにした。(1月11日追加:後述しますがこの時点でまつがんはルールに関する勘違いをしています)
もし仮に。
仮に「呪文と親和性がある能力を持つ闇のコマンド」が存在したならば、それはツインパクトカードである《悪魔神バロム/バロム砲》の両側とシナジーがあるということになり、《オールデリート》や《悪魔神ドルバロム》ではなくあえてこのカードを使う理由になるからだ。
頼む、見つかってくれ……!
そんな、縋るような私の思いに応えるように。
一枚のカードが、検索結果画面に姿を現したのである。
▲「革命ファイナル 第1章 ハムカツ団とドギラゴン剣」収録、「邪眼大帝 ラスト・ロマノフ」
《邪眼大帝 ラスト・ロマノフ》。
このカードこそが《悪魔神バロム/バロム砲》の救世主だった。
なぜなら、闇のコマンドであり《悪魔神バロム》の進化元になれる上に、攻撃するだけで墓地に落ちた《バロム砲》をも撃つことができるからだ。《悪魔神バロム/バロム砲》というツインパクトを両面ともに有効活用できる、まさしく最後の希望と言うほかない。
だが、そんな万能な《邪眼大帝 ラスト・ロマノフ》にも一つの欠陥があった。それは、即効性がないという点だ。
8マナをかけて……あるいは何らかの手段でマナコストを踏み倒して《邪眼大帝 ラスト・ロマノフ》をバトルゾーンに出したとしても、《バロム砲》を打つためには攻撃に向かわせられなければならない。だがバトルゾーンに出したばかりの《邪眼大帝 ラスト・ロマノフ》は当然攻撃することができず、対戦相手に無防備な1ターンを渡す必要が出てきてしまうのだ。
あと一歩なのに。ソリューションとなるカードはわかっているのに。
答えはわかっているのに、どうしても手が届かない……だがそのもどかしさに反比例するように、私の頭は急速に冷静さを取り戻していった。
その理由は明白だ。
そう、このシチュエーションは過去に経験したことがある。
かつて、誰かが言っていた。
『「カードの単体の性能に『A』という不足があるとき、プレイヤーは『A』がないから弱い」と考えがちだ。
だが、デッキビルダーは違う。
「このカードが『A』を持ったら最強だから、『A』を持たせるデッキを作ればいい」』
ならば、答えは簡単だ。
《邪眼大帝 ラスト・ロマノフ》が、すぐに攻撃できないせいで《バロム砲》を撃てないというのなら。
▲「デュエル・マスターズ ゴールデン・ベスト」収録、「ドルマゲドン・ビッグバン」
スピードアタッカーを持たせればいいのだ。
それは、本当に偶然の出会いだった。
《阿修羅ンチュラ/傀儡が来る!》の登場で話題となった《煉獄と魔弾の印》がある以上、闇文明でスピードアタッカーを持たせる蘇生系カードがデュエマで他に存在するとは思ってもみなかったからだ。
だがそれでも、闇で「スピードアタッカー」を持たせるカードがどうしても必要とわかった以上は、無駄だとわかっていても確かめざるをえない。
しかしその結果は……《ドルマゲドン・ビッグバン》という、《邪眼大帝 ラスト・ロマノフ》と《悪魔神バロム/バロム砲》の最高の相棒との出会いだった。
何せ《ドルマゲドン・ビッグバン》は、墓地から釣り上げた《邪眼大帝 ラスト・ロマノフ》にスピードアタッカーを持たせられるだけでなく、相手のクリーチャーすべてに封印を付けるために、「既にできあがった盤面に対しては無力」という《バロム砲》の弱点を完璧にカバーしていたのだ。
さあ……今こそ、すべてを闇に還す時が来た。
これが《悪魔神バロム/バロム砲》を生かした今回のデッキ……「バロマノフ・ビッグバン」だ!!
『バロマノフ・ビッグバン』
《終末の時計 ザ・クロック》 | |
《闇鎧亜ジャック・アルカディアス》 | |
《マッド・デーモン閣下/デーモン・ハンド》 | |
《邪眼大帝 ラスト・ロマノフ》 | |
《悪魔神バロム/バロム砲》 | |
4 | 《リロード・チャージャー》 |
1 | 《ボーンおどり・チャージャー》 |
4 | 《パイレーツ・チャージャー》 |
4 | 《テック団の波壊Go!》 |
4 | 《ドルマゲドン・ビッグバン》 |
4 | 《オールデリート》 |
1 | 《禁断 〜封印されしX〜》 |
やっぱり《オールデリート》じゃねーか!!!
いや、だってそりゃあ《ドルマゲドン・ビッグバン》で《邪眼大帝 ラスト・ロマノフ》が釣れるなら、撃つのは《オールデリート》になるよね……あたり前田のクラッカー……。
だが、それでも《悪魔神バロム/バロム砲》に存在意義がなかったかというと、そんなことはない。
なぜなら《悪魔神バロム/バロム砲》には、5枚目以降の《オールデリート》で、5枚目以降の《悪魔神ドルバロム》という唯一無二の役割があるからだ。
《邪眼大帝 ラスト・ロマノフ》で必ずしも《オールデリート》が墓地に落ちてくれるとは限らない。そんなとき、《悪魔神バロム/バロム砲》は相手のマナをズタズタにするという優秀なセカンドプランとしての役割を存分に果たしてくれることだろう。
最後に、このデッキの実際の動きについては、以下の動画をご覧いただきたい。
さて、いかがだっただろうか。
《悪魔神バロム/バロム砲》が収録されている「夢の最&強!ツインパクト超No.1パック」は、1月26日(土)に発売予定だ。
また、来週1月15日ごろ発売予定のコロコロコミック2月号ではデュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されている。ぜひとも手に取ってみて欲しい。
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
デュエマ妄想構築録vol.6 | |
デュエマ妄想構築録 vol.6-1 〜強力な呪文を踏み倒そう!〜 | |
デュエマ妄想構築録 vol.6-2 〜夢の最&強、《悪魔神バロム/バロム砲》登場!〜 | |
デュエマ妄想構築録vol.7 | |
デュエマ妄想構築録 vol.7-1 〜番外編:多人数戦のデュエマを攻略せよ!〜 |