トッププレイヤー イカすガチ対談マッチ!!
【あとばる×のりすけ 第2回】
あとばる選手とのりすけ選手による対談の第2回目。
前回に引き続き、H3リールガンを使いこなすための極意について、ふたりにたっぷり語ってもらったぞ!
あとばる
驚異的なエイム力を持つカリスマプレーヤー。「第2回スプラトゥーン甲子園」では、不利な状況から相手を次々と倒す神がかり的なプレーを連発し、優勝に大きく貢献。H3リールガンの名手としても知られ、彼の影響でH3リールガンを使い始めたプレーヤーも多いとか。おもな実績は「第2回スプラトゥーン甲子園」優勝、「第4回スプラトゥ-ン甲子園オンライン代表決定トーナメント」優勝など。チーム・よしもとゲーミング カラマリ所属。
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的確な判断力と、ミスの少ない堅実な動きでチームをサポートする中衛のトッププレーヤー。視野の広さ、状況判断、エイムとすべてが高いレベルにあり、状況に合わせた盤面のコントロールから味方への指示出しまで、さまざまな局面でチームに貢献。彼がいることでチームとしての安定感もグッと高まる。「スプラトゥーン甲子園」や「NPB eスポーツシリーズ スプラトゥーン2」といった大舞台の経験も持ち、学ぶところも多い。
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シンプルだが奥深いインクアーマーの使い方
――H3リールガンDのインクアーマーを使う際に意識していることはありますか?
のりすけ:吐くタイミングはけっこう意識していますね。ちゃんとタイミングを合わせないと無駄吐きというか、意味のないスペシャルになってしまうので。たとえば、打開の場合だったら、基本的にはキルが入って自分たちが人数有利になったときか、味方のスペシャルが溜まって一緒に合わせられるときに吐くようにしています。
逆に抑えのときは、シンプルに相手にスペシャルを吐かれたのでこっちも返すという吐き方と、人数有利状態になって完全に相手を抑え切るために吐くというのが基本ですね。あと、カウントをもう少し稼ぎたいときなんかは、相手にスペシャルを吐かれる前に先に吐いておくという使い方もします。
――なるほど。すごく理にかなった吐き方ですね。あとばる選手はなにかありますか?
あとばる:基本はのりすけくんの言ってくれた通りなんですけど、応用編のようなことで言うと、あえてこちらが先にインクアマーマーを吐いて、相手のスペシャルを誘うというのもありますね。打開時にインクアーマーを吐くと、大抵は相手もそれに対してなにかしらスペシャルを返してくるので、そこで消費させておくみたいな。
ただ、これは意思疎通のできるチーム戦じゃないと単に無駄で終わったりもするので、野良のガチマッチで行うのは難しいところではあるんですけど。
――ちなみに自チームにふたりインクアーマーがいる場合でも、基本的な考え方としては同じ感じですか。
のりすけ:チーム戦での話になってしまうんですけど、自分の場合だと味方に「いつでも吐いていいよ」と言っていますね。自分が絶対に必要というときのために保持しておくので、もうひとりには使いたい場面で自由に吐いてもらえる状態にすることが多いです。
あとばる:僕もチーム戦のときは立ち位置によって、どちらが先に吐くかは事前に決めておくことが多いですね。やっぱり、前に出ているときって、自分が対面を仕掛けたいタイミングで吐きたいじゃないですか。なので、基本的には前にいる人に好きに吐いてもらって、後ろにいる人がカバーのタイミングで吐くという形にしています。
野良のガチマッチだと事前にそういう話ができないので、基本的には味方に先に吐かせて、自分は温存することが多いですね。
のりすけ:もうひとつ自分たちの抑えのとき吐き方なんですけど、相手側が人数有利状態でスペシャルを切ってきたときは、基本的にインクアーマーは吐かないですね。相手に人数有利状態でスペシャルを吐かれたときって、ほぼ打開されてしまう状況なので、個人的にはそこで無理に吐くよりは、温存して次の自分たちの打開を早めた方がいいという考えなので。
あと、インクアーマーを吐くと、センプクしている味方の位置がバレたりもするので、それを防ぎたいというのもあります。味方がセンプクからうまくキルをとってくれたら今度はこちらに人数有利がつくので、そこでインクアーマーを吐けば一気に打開の流れができるので、これはけっこう意識したほうがいいのかなと思います。
――なるほど。
のりすけ:たとえば、味方にローラーがいるときに、相手にスペシャルを吐かれたから自分も吐こうとやっていると、ローラーの仕事がなくなっちゃうんですよ。なので相手にスペシャルを吐かれても味方がセンプクで刺せそうであれば、あえて吐かないという選択もあります。
――いままで、なにも考えずに吐いてたけど、言われてみれば確かにその通りですね。あと、N-ZAP85についても聞きたいのですが、N-ZAP85でのガチマッチの立ち回りでこ意識していることはどんなことでしょうか?
のりすけ:H3リールガンと比較するとセンプクから相手を倒すことをしやすいブキなので、相手が人数有利をつけて打開してきたときに塗り合いに走るのではなくて、一旦センプクして周りの状況を見て、相手の位置情報を掴んだあとにセンプクからキルを狙うという動きを意識していくこともけっこう大事になるのかなと思います。
――あとばる選手もN-ZAP85を使うことがありますが、ガチマッチの立ち回りで意識していることはありますか?
あとばる:味方のカバーにはいち早くいくようにはしていますね。性能的に正面から撃ち合ってバチバチに勝てるブキではないので、基本的には塗ってインクアーマーを溜めつつ、センプクで刺すか、味方のカバーいくかの選択という感じの立ち回りですね。ただ、N-ZAP85はあまり動きを固定しないほうが強い気はしますね。いろいろできるブキなので。
のりすけ:そうですね。N-ZAP85って初心者向きと言われれば初心者向きのブキではあるんですけど、なんでもできてしまうからこそ、状況に応じて柔軟にいろいろな行動をしていく必要はありますね。使いやすいけど、立ち回り的な難易度は高いブキだと思いますね。
――エイムが上手くなるための練習方法やコツはありますか?
のりすけ:エイムに関しては、結局はガチマッチに潜りまくったりして、実践で身に着けていくしかないかなと思います。ただ、他のプレーヤーの動画を見ることで、ブキごとの当て方の参考になる部分はあったりするので、そのあたりを学んでいくのもいいと思います。
――H3リールガンはクセが強いブキだと思うんですけど、使っていて「当てるの無理だ」とはならなかったですか?
のりすけ:最初の『1』のときのH3って、どちらかといえば前に出るブキだったんですけど、自分はそこまで前に出る動きをせずに、スペシャルのバリアをいまのインクアーマーと同じような感じの使い方をしてたんですよ。とにかく溜めて、味方に付与してという。なので、エイムというよりは、立ち回りでなんとかしていた部分はありますね。エイムは後からついてきたみたいな。
――しっかり溜めてバリアを張って、有利状況で対面してというような。
のりすけ:そうですね。『2』になって最初にH3を持ったときも当てづらいなとは思ったんですけど、当てたら活躍できるし、当てなくても仕事ができるなと思ってずっと持ち続けてました。
あとばる:『2』は『1』のときとは撃ち方のモーションが違うんですよね。
のりすけ:ああ、確かに。
あとばる:『1』のときって一回一回鞘に収めるみたいな動きがるんですけど、『2』はそれが撃ちっぱなしになっちゃってて、最初はそこにすごく違和感があって。
――モーションが変わったことで、射撃の感覚も違ってきた?
あとばる:まあ、気持ち的なものであるんですけど、なんというか『1』のときは鞘に収める動作があったことで、ワントリガーに集中している感があったんですよね。『2』だと撃ちっぱなしになったが故にそこが薄れたというか。
あとは、鞘に収めるモーションが撃ち方の目印になっていたところがあったのか、『2』の最初の頃はトリガーのタイミングとかがうまく掴めなかったところはありましたね。ただ、そのあとのアップデートでワントリガーすると音が鳴るようになって、それで解決できた感じではあるんですけど。
――そもそも、のりすけ選手はどうしてH3リールガンDを使おうと思ったんですか?
のりすけ:あとばるさんのプレーを見たこともあるんですけど、やっぱり使用者が少ないというのが魅力的でしたね。
――あまり使われていなからこそ、逆にこれで強ければかっこいいみたいな?
のりすけ:そうですね。逆張りじゃないですけど、僕はいま流行っているブキをあまり使いたくない傾向があって。逆にいま流行っているブキに刺さるブキを持とうという考え方なんですよ。たとえば、スパイガジェットベッチューが流行った時期があったんですけど、スパイガジェットベッチューってH3リールガン側からしたら超辛い相手だったんですね。
それで、スパイガジェットベッチューが流行っているならこれが刺さるだろうと思って、わかばシューターで大会に出ていたりしていて。そうしたら今度はわかばシューターが流行りだしたので、じゃあこれからはN-ZAP85を持とうみたいな。
――じゃあ、いまの環境だと.52ガロンとかは基本使いたくないみたいな?
のりすけ:使いたくないですね。そこは、自分なりの意地というか、こだわりがあります(笑)。
・インクアーマーは人数有利か、味方のスペシャルと合わせて吐くのが基本
・味方のセンプクが刺さりそうなら、あえてインクアーマーを吐かないのもひとつの手
次回も引き続き、ふたりの対談をお届け。H3リールガンDでの打開時の立ち回りについて、ふたりに聞いていくぞ。