【プロセカ1周年特集】ボカロPに直撃インタビュー! Leo/need書き下ろし楽曲『needLe』の制作秘話! そしてボカロPになるには!? #1:DECO*27(デコ・ニーナ)さん

超有名ボカロPのインタビュー特集だ!

 コロコロオンラインが追い掛け続けている、セガ×Colorful PaletteのiOS/Android向けアプリ『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』が、2021年9月30日をもちまして……サービス開始1周年を迎えましたッ!! めでたい!!!

 今年3月のハーフアニバーサリーでも大特集を組み、

 自分で言うのもナンですが、マニアックながらもファンの心に届くインタビューや記事を多数展開し、大きな話題を呼んだ“コロコロオンライン・プロセカ班”が……この1周年というタイミングを見逃すわけがありません……!!

 ってことで!!

 『プロセカ』1周年を記念してコロコロオンラインが踏み込むのは……このゲームには欠かせない“ボカロP”の世界!!

 聞くところによると“子どもが将来なりたい職業ランキング”において、ゲームクリエイターやユーチューバーらと並んでボカロPが上位にランクインしたり、コロコロの読者からも「ボカロPになりたい!」という声が多く届くようになったことをきっかけに……各方面にご無理を承知で調整していただき、いまをときめく超有名ボカロPの方々にインタビューすることができたのです!!

 第1回目となる今回は……!

 “Leo/need”(レオニード、以下レオニ)の書き下ろし楽曲『needLe(ニ―ドル)』を始め、『乙女解剖』、『ヒバナ -Reloaded-』、さらには『プロセカ』のテーマ曲『セカイ』においても作詞を担当されたDECO*27(デコ・ニーナ)さんにお話を伺った!!

 『needLe(ニ―ドル)』の話を中心に、これまでの歩みやボカロPになるために必要な要素などにも言及してもらったぞ!!

 ボカロPを目指している読者の皆さん、大注目!!

ボカロPの秘密!

--ファンにはおなじみのDECO*27さんですが……まずは簡単に、自己紹介をお願いしたいのですが……!!

DECO*27 わかりました! 2008年からボーカロイドを使って楽曲を作りを始めまして、それを動画共有サイトにアップしつつ、並行してさまざまなアーティストさんに楽曲提供を行っています。もうかれこれ……14年になりますかね。

--14年というと、長いですね!!

DECO*27 そうですねー。コロコロは小学生が大好きなメディアですけど、そんな子どもたちよりも僕の活動年数のほうが年上になっちゃうかもしれませんね。

--ボカロPの中では、DECO*27さんはベテランの域に入られるのですか?

DECO*27 自分ではそんなつもりはないですし、やっていることは20代前半くらいでとまっている感覚なんですが(笑)。やってきた時間で考えると、長いほうだと思いますね。

--『プロセカ』に書き下ろし楽曲の『needLe(ニ―ドル)』を提供されています。この依頼を受けたときの、率直な心境をお聞かせください!

DECO*27 それはもう、もうめちゃくちゃうれしかったですよ! 『プロセカ』って、バーチャル・シンガーと個性的なキャラたちが同じ作品の中で融和しているゲーム……ということで、じつにおもしろそうだなと感じていたんです。ですので依頼をお受けしたときも、「よし! やってやろうっ!」と気合が入ったのを覚えています。うれしいという気持ちといっしょに、楽曲を作る意欲が沸き上がった瞬間でした。

--そんな『needLe(ニ―ドル)』は、レオニ用の書き下ろし楽曲です。女の子だけのバンドですが、彼女たちを初めて見たときにどんな印象を持たれましたか?

DECO*27 単純に、「めちゃめちゃかわいいな!」と思いました。楽曲が『プロセカ』そのものの世界観に合うのはもちろん大事なんですけど……それ以前に、この子たちの曲ですからね。彼女たちが実際に演奏している姿だとか、歌声だとか、風景だとかがわりとすんなりと想像できたので、そういう意味ではすごく印象に残るキャラクターなんだなと思いました。

--曲を作られる時って、印象を大事にされるんですね。

DECO*27 大事ですねー! 僕が感じた第一印象は、他のレオニのファンとか、これから『プロセカ』を知ってレオニを見る……という方と、おそらくそうそう遠くないと思っているんです。いろんなユーザーが近しい印象を持たれるのであれば、僕が最初に感じた想いを曲の中に盛り込んだほうが、スムーズにファンの方々に届くんじゃないかな、と。そういう意味で、第一印象はすごく大事にしています。

--素直な気持ちを、そのまま曲に込められたというイメージでしょうか?

DECO*27 そうですね。いただいたレオニのストーリーと、僕の第一印象を加味して曲を書いていった……という感じです。

--では、『needLe(ニ―ドル)』のテーマをお聞かせください! 方向性は、どのように決められましたか?

DECO*27 テーマは“絆”でした。レオニは、昔は仲がよかったのにいろいろあって、ちょっとギクシャクしてしまった女の子4人のユニットですけど、「それでもいっしょにやろう!」という想いに至るまでを表現したいな、と……。仲良しだったのにうまく嚙み合わなくて、離れ離れになって辛い思いもする。でも、やっぱりいっしょにやりたいという気持ちになれる、“想いの強さ”をテーマに書きたいと思いました。

--とくにお気に入りの歌詞はございますか?

DECO*27 ふたつあって、ひとつはサビの真ん中くらいにある、「君を刺すその針は 私が奪ってあげるから」という箇所。タイトルにもあるneedLe(ニ―ドル)は“針”という意味ですが、「君を苦しめているもやもやした針は、私がちゃんと抜いて解決してあげる。だから信頼して、信じて」っていう主人公たちの思いを込めました。そして、“needLe”というタイトルは“Leo/need」(レオニード)”のスペルのアナグラムで作ったんですけど、曲名そのものにもこだわりを持っているんです。

 もうひとつのお気に入りが、「泣くときは教えてよ絶対」という歌詞です。ちょっと言葉にするのが難しいんですけど、“励ましかた”っていろいろあるじゃないですか。「泣かないで」とか、「泣いても大丈夫だよ」のような。でもレオニっていうユニットを考えたときに、こういった言い回しじゃなく、もう少し……強い信頼が感じられるような励ましかたにしたいなと思ったんですね。そこで、浅い関係では決して言えない「泣くときは教えてよ絶対」を、この曲の中に入れ込みました。
 このふたつがお気に入りです……と言いつつ、ほかにもいっぱいあるんですけど(笑)。

--どうやったら、こんなにステキなフレーズが出てくるんですか!?

DECO*27 僕、極力難しい言葉は使わないようにしているんです。すべて、日常会話でふつうに出てくるような言葉の組み合わせを意識していて、その中から、新しいニュアンスが含まれつつも、文章として成立するものを生み出して歌詞に落とし込もうとしています。ここは、いつも曲を作るときに、強く意識していることのひとつですね。

--そんな『needLe(ニ―ドル)』の制作日数はどれくらいになるのでしょうか?

DECO*27 他の曲もそうなんですけど、僕はそれほど時間をかけるタイプじゃないと思うんですよね。おそらく、なんだかんだで作曲を始めてから……3日くらいで完成しているんじゃないでしょうか。

--3日!!?

DECO*27 もちろん、テーマをもらってから頭の中で考えている時間はけっこうありますよ(笑)。ある程度は思考の中で、こういう雰囲気にしようかな……作曲はこんな感じで……と固めてからスタジオに入って作り始めるので、その思考部分を入れたらもうちょっと時間は上乗せされます。とはいえ、ほとんど悩まずに作り始められますけど。とくに『needLe(ニ―ドル)』のときは、テーマもしっかりしていましたし、キャラクターも魅力的でしたので、かなりすんなりだったと記憶しています。

--『プロセカ』って本当に世界観がしっかりしてますし、キャラクターも立っていますから、そういう意味ではイメージしやすいんでしょうね。

DECO*27 まさに、その通りですね!

--では、『needLe(ニ―ドル)』がゲームに実装されたときのご感想は?

DECO*27 まずは、純粋に感動しました。すごく思いを込めて書いた曲だったので、ゲームに実装され、レオニの子たちが演奏しているのを見たときには、心から「いいな!」って思ったんですよね。自分が持ってたイメージとビジュアルがしっかりと噛み合っていて、これは当初想定していたものよりもはるかに大きな力になってユーザーに届いてくれるんだろうな……って確信したんです。そのときのことを想像して、すごく興奮しましたよ。

--ファンの反応もご覧になったと思いますが。

DECO*27 『プロセカ』がリリースされて、ゲームの世界観を知ったあとに僕の動画共有サイトにフル尺の『needLe(ニ―ドル)』を聴きに来られる方が、けっこういるんですね。そんな人たちから、「レオニの雰囲気にピッタリで、めちゃくちゃ好きです!」という反応をもらえることが多くて。これが、すごくうれしい……! やっぱり、レオニのために書いた曲なので、そこをファンの方にも認めていただけると、作り手冥利に尽きますよね。

--さてここから、“ボカロPに関する全般的な質問”を、ぜひぶつけさせていただこうと思います。
 コロコロ読者の中にもたくさん、「将来はボカロPになりたい!」と思っている少年少女が大勢いますので、そんな彼らに届けたい質問をぶつけさせてください。まずは……ボカロPになられたきっかけを教えてください!

DECO*27 僕が動画共有サイトに投稿を始めた2007年は、まだ初音ミクが出たばかりのころだったんですけど、その時に何も知らない状態で聴いたkzさんの『Packaged』って曲に衝撃を受けまして。でも、そもそも“ボーカロイド”っていう概念すら知らなかったので、アニメチックでかわいい初音ミクっていう子が実際にいて、独特な声で歌っているんだろうな……って思っていました(笑)。ところが調べていくと、初音ミクは音声合成ソフトウェアであり、ボーカロイドというものもあって……ということを知って、そこでまた衝撃を受けるんです。そこから自分でも触ってみたいと思い、作った曲をボカロでアップするようになったんです。

--ふむふむ!

DECO*27 “ボカロPになりたい!”って思ってる子たちって、おそらく現在、ボカロPとして活躍している人やアーティストを見て、「自分もなりたい!」と思ってくれていると思うんです。それって、まさに僕と同じで。先ほどのkzさんっていう、当時ボーカロイドの曲をたくさんあげてた方の曲を聴いて、憧れて、ボカロPになろうって思った人間ですから。

--憧れたことが、すべてのスタートだったんですね。

DECO*27 はい。なんだか……すごくかっこよくて、キラキラしたものに見えたんですよね。当時の僕には。

--ここまでの歩みで、苦労されたとかはありますか?

DECO*27 スキル的なことで言うと、初音ミクをうまく歌わせる方法とかはすべて手探りでやっていたので……いやでも、それは苦労よりも楽しさのほうが大きかったなぁ……。
 僕が作り始めたころは出始めのコンテンツっていうこともあって、世間の風当たりは強かったかもしれません(笑)。ネット発のモノを色眼鏡で見る風潮もあったので、そこはやりにくかったかもしれないです。でもいまは、そんな雰囲気はゼロですよね。逆に、ボカロPであることがブランドのようになっていますし。とはいえ当時は風当りも強かったので、「いつか絶対に“これいいな!”って思わせてやるぞ!」という反骨心みたいなものは育まれたと思います。

--では、ボカロPになるために必要なスキルや要素はありますでしょうか?

DECO*27 楽器は、何かしらできたほうが得だとは思います。できれば、ギターかピアノのどちらか。ボカロPは自分で曲を作るわけですけど、そのときに楽器に触っていたほうがイメージしやすくなると思うので。とはいえ、ボカロPでも楽器は弾けないって人、いっぱいいますけどね。
 あとは、自分が好きな曲を聴いて、それを研究したり掘り下げる時間が持てるといいかなと思います。好きな曲を聴いてるときの脳の使い方と、いざ楽曲を作る段階での脳の使い方って別だと思うんです。実際に作るようになってから自分が好きだった曲を聞き直すと、「なるほど! ここはこうなっていたんだ!」という新しい発見がいっぱいあって、目からウロコだと思います。
 あとは……なんと言っても、「ボカロが好きだ!」っていう気持ちがいちばん大事です! そういう想いって聴く側に絶対に伝わるので、好きであることは重要です。

--“好き”って気持ちが根底にあると、伸びが違いますよね。

DECO*27 もう、ぜんぜん違います! 知識を吸収する窓口がガッと広がると思うので、好きという気持ちは大切にしてほしいです。 

--では、「ボカロPになってよかった!」と思うことは、具体的に何かございますか?

DECO*27 僕の曲を通してボーカロイドを知ってくれる方をたくさん作れたことが、いちばんよかったことでしょうか。僕も、2007年にこの世界を初めて知って衝撃を受けて、「いつかこの感動を、自分の活動を通して誰かに届けたい!」と思った人間ですから。長く活動していく中で、いろいろな世代の人たちから、「いい曲ですね!」、「初音ミクが好きになりました!」なんて言ってもらえるようになったことが、ボカロPになっていちばんよかったと思うことです。

--いまボカロPに憧れる子どもたちが増えてきているのを見ると、すごく意義のある事をされているんだなと強く思います。

DECO*27 お仕事でいっしょになる方から、「10年前の中学生のときから聴いていました!」なんて言われることも増えたんです。10年前って言うと、まだまだ作るだけで精いっぱいで、「これを聴いてくれている子たちが将来どうなるんだろう……」なんて、まったく考えられなかった時期です。でも、そのころの曲を聴いた人たちが成長して、ボカロPになったり、歌い手になったりしている……。「いまの仕事に就くきっかけになりました!」と言ってもらえることも増えたので、それは……うん、すごく光栄だなと思います。

--この記事を読んで火がついた子どもたちが、将来、DECO*27さんの前に現れるかもですね。

DECO*27 あははは、確かに! ライバルですね! 楽しみです!

--同じ志の方が増えていくのって、楽しいですもんね。

DECO*27 楽しいですよー! いまも、若いボカロPたちがめちゃくちゃいい曲を作っていて、多くのファンに評価されています。「すばらしいな」と思う反面、「悔しいな!」と感じる自分もいるので、いまの状況に甘えず、これからもしっかりと活動していこうと思っています。

--では……ボカロPを目指す少年少女に向けて、先達としてエールをお願いいたします!

DECO*27 自分自身が“最高に楽しめる場所だな”って思って、ずっと活動を続けてきました。いま「ボカロが大好き!」だとか「ボカロPになりたい!」っていう気持ちを持っている子たちにも、この業界は楽しんで活動できる環境になっていると感じます。将来、実際にボカロPになられた暁には……同じフィールドで、同じ肩書を持って業界を盛り上げていけることが非常に楽しみなので、夢を持っている人は、ぜひがんばってください!

--最後に、『プロセカ』が1周年を迎えました! お祝いコメントをいただけると幸いです……!

DECO*27 もう1周年なんですね! 早いなぁ~。1年経ちましたけど、いまだに新しい曲が追加されるとTwitterのトレンドワードにも入りますし、根強い人気があるんだなとつねづね思っていました。曲について、ボカロの黎明期を知っているファンと、若いファンがネット上で議論や考察なんかをしているのを読むと、『プロセカ』って新旧のボカロファンをつなぐ格好の場所なんだなと思って感動するんですよね。
 そんな作品の1周年ってのは本当にすばらしいですし、ここからも2周年、3周年に向けてどんどん盛り上がっていったらいいなって思います!

--ありがとうございました!!

DECO*27

作詞、作曲を手掛けるアーティスト/プロデューサー。

 

ロックをベースにフォークからエレクロニックミュージックまで柔軟に吸収したサウンドと、一聴してDECO*27の作品だと判る印象的なメロディー。「愛」や「恋」といった万人が持ち得るテーマ、思春期に体験する等身大の感情をリアルに、かつ絶妙な言葉遊びを用いて描いた歌詞が10代~20代の若い世代に圧倒的な支持を得ている。2008年よりVOCALOIDを使用した作品を動画共有サイトに投稿開始。

これまで公開されたDECO*27の楽曲の関連動画を含む総再生回数は7億を超える。また、Hey! Say! JUMP、Ado、浦島坂田船、すとぷり、柴咲コウ  などのプロデュース、その他様々な楽曲提供、作詞、タイアップ・ソングなどを手がけるのと並行して、活動の原点であるVOCALOID楽曲を自身の最新作へ向けた布石として発表し続ける。

 

☆☆プロセカ一周年特集はこちら☆☆

ボカロPに直撃インタビュー!

#1:DECO*27さん

#2:ピノキオピーさん

#3:Mitchie Mさん

#4:Gigaさん

#5:syudouさん

 

 

衣装カタログ

#1:バーチャル・シンガー編

#2:Leo/need編                        

#3:MORE MORE JUMP!編

#4:Vivid BAD SQUAD編      

#5:ワンダーランズ×ショウタイム編

#6:25時、ナイトコードで。編

 

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クリエイターチーム優勝インタビュー

譜面制作チームインタビュー

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瑠璃選手・HPS選手座談会

 

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タイトル概要

プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク

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■Google Play URL:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.sega.pjsekai

■配信開始日:配信中(2020年9月30日(水)配信)

■価格:基本無料(アイテム課金あり)

■ジャンル:リズム&アドベンチャー

■メーカー:セガ/ Colorful Palette

■公式Twitter:https://twitter.com/pj_sekai