By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。
先週末にはMTGアリーナの限定セット『ヒストリック・アンソロジー4』がリリースされました(収録カードはこちら)。収録されたカードはスタンダードでは使用できませんが、MTGアリーナの限定フォーマットであるヒストリックでは使用可能です。また、今週末には紙のカードセットとして『時のらせんリマスター』もリリースされる予定となっており、サプリメントセットが続々と登場しています。
【#MTGアリーナ お知らせ】
『ヒストリック・アンソロジー4』が3月12日に登場《肉体と精神の剣》や《死の影》、《勝利の算段》など25登場がヒストリックフォーマットに追加!
全カードリストはこちらからhttps://t.co/8IX1WWU5nc
— MTGアリーナ日本公式 (@MTGArenaJP) March 6, 2021
【翻訳記事】 『時のらせんリマスター』に収録されるカードについて、『時のらせん』ブロック初登場時に立ち返り、開発者マローがカード個別の開発秘話を語ります。あの象徴的なカードの背景は? 「Making Magic:『時のらせん』のあとの時」 https://t.co/WMn65aDprz #mtgjp
— マジック:ザ・ギャザリング (@mtgjp) March 16, 2021
さらに、慣例通りであれば今月末には待望の新セットである『ストリクスヘイヴン:魔法学院』(こちらはスタンダードでも使用可能)の新カード情報も出てくるはずですし、またしばらくはコミュニティが盛り上がりそうですね!
さて、今週もスタンダードの最新のデッキリストをチェックしていきたいと思います!
『ストリクスヘイヴン:魔法学院』チャンピオンシップ予選
いよいよ来週末には『カルドハイム』チャンピオンシップが開催されますが、予選スケジュールは一足先に4月末発売の新セット『ストリクスヘイヴン:魔法学院』のチャンピオンシップ予選が開始されています(本戦自体は今年6月開催予定)。新型コロナウイルス感染症の影響でオフラインでのイベントが開催されなくなってから1年が経ちましたが、徐々にマジックのトーナメントシーンもオンラインに舞台を移行しつつあります。ファンコミュニティやショップの主催するイベントも増えていますし、マジックで遊べる機会が増えるのはうれしいですね。
さて、そんな『ストリクスヘイヴン:魔法学院』チャンピオンシップ予選の上位入賞デッキを見てみると、「赤単アグロ」が入賞率2位という結果にポジションに就いていました。『カルドハイム』リリース以降、「スゥルタイ根本原理」や「ナヤクラリオン」といったミッドレンジデッキが主流で、そうしたメタゲームにジェスカイサイクリングが目覚ましい躍進を遂げるなどしていましたが、前環境でも強かった「赤単アグロ」もまた決して無視できない存在です。
というわけで、今週はこのチャンピオンシップ予選を勝ち抜いた赤単のリストを見ていきたいと思います!
赤単アグロ(使用者:エアトン・ミカレフ選手) | |
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枚数 | カード名(メインボード) |
19 | 《冠雪の山》 |
4 | 《不詳の安息地》 |
2 | 《エンバレス城》 |
4 | 《鍛冶で鍛えられしアナックス》 |
4 | 《砕骨の巨人》 |
4 | 《熱烈な勇者》 |
4 | 《火刃の突撃者》 |
4 | 《義賊》 |
3 | 《リムロックの騎士》 |
3 | 《朱地洞の族長、トーブラン》 |
1 | 《灰のフェニックス》 |
4 | 《エンバレスの宝剣》 |
4 | 《霜噛み》 |
枚数 | カード名(サイドボード) |
2 | 《アゴナスの雄牛》 |
2 | 《灰のフェニックス》 |
2 | 《焦熱の竜火》 |
2 | 《乱動する渦》 |
2 | 《魂焦がし》 |
2 | 《アクロス戦争》 |
2 | 《レッドキャップの乱闘》 |
1 | 《切り裂かれた帆》 |
「赤単アグロ」は《熱烈な勇者》や《義賊》といった優秀な軽量クリーチャーと、《鍛冶で鍛えられしアナックス》といったアドバンテージカード、そしてフィニッシャー性能の高い《エンバレスの宝剣》や《朱地洞の族長、トーブラン》を擁すバランスの良いアグロデッキです。その布陣だけでも強力なデッキであるということは前環境のメタゲームから判りますが、『カルドハイム』で氷雪土地と新たなミシュラランドの《不詳の安息地》、そして使い勝手の良い除去である《霜噛み》を得たことで純粋に強化されています。
特に《不詳の安息地》は歴代のミシュラランドの中でもトップクラスの性能で、パワー4という土地とは思えない高打点を叩き出します。ミシュラランドはその性質上「スゥルタイ根本原理」の使う《血の長の渇き》や《古き神々への束縛》といったソーサリー除去全般に対して耐性があります。もちろん《無情な行動》や《取り除き》のような除去には引っかかってしまうのですが、全体除去の《影の評決》や《絶滅の契機》の後にも打点を盤面に残すことができるため、「赤単アグロ」の弱点を補ってくれます。
また、赤単はデッキ全体が軽いカードで構成されており、その分クリーチャーのパワーが低いので対戦相手の《砕骨の巨人》などブロッカーを乗り越えていくのが苦手ですが、《霜噛み》はわずか1マナで3点のダメージを与えてくれます。これまで赤単には《焦熱の竜火》しか除去の選択肢がなかったので、《霜噛み》が選択肢に増えたことも純粋なパワーアップと言えます。
《火刃の突撃者》は概ね《ゴブリンの付け火屋》ですが、《ゴブリンの付け火屋》と異なる点として死亡時に誘発するダメージの点数が不特定で、《火刃の突撃者》自身のパワーが上がっていればダメージが増えます(そのぶんマイナス修正の除去には弱いのですが、環境ではほとんど使用されていません)。このことから、《リムロックの騎士》とシナジーすることで対戦相手の計算を狂わせることもあるでしょう。また、環境にはタフネス1のクリーチャーとして《エッジウォールの亭主》や《盗賊ギルドの処罰者》など、なるべく早く除去しておきたいクリーチャーも少なくありません。対戦相手にダメージを与えるだけでなく、状況に応じて対戦相手のリソースと交換できるというのも強力です。
来週末にはいよいよ『カルドハイム』チャンピオンシップも開催されます。現環境の総決算となる大会で勝ち上がるのはどのようなデッキなのか気になるところですね。メタゲームが一周してミッドレンジが勝ち上がるのか、あるいはアグロデッキがミッドレンジデッキを上回っていくのか、楽しみですね。来週も引き続きスタンダードの動向を見ていきたいと思います!
ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。 MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。
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