ガチスタッフが熱望した譜面チームインタビューが実現!
2020年9月30日にリリースされて以来、リズムゲームとしての完成度の高さはもとより、練りに練られたストーリーと個性的な登場人物たちの群像劇、そして初音ミクに代表される“ボカロ”人気も相まって、スマホアプリ界でスマッシュヒットを飛ばしているタイトルがある。
それが……セガ×Colorful Paletteの『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』だ!!
コロコロオンラインではこれまで、ボカロやリズムアクションゲームに類するコンテンツはほとんど扱ってこなかったけど、『プロセカ』は別ッ!! PSPの『初音ミク -Project DIVA- 2nd』の時代からボカロを追い掛け続けるスタッフが、
「3月30日に、『プロセカ』がハーフアニバーサリー!! それに合わせて、3月9日(ミクの日)から特集記事を作りたい!!」
と一念発起! ここに“『プロセカ』ハーフアニバーサリー特集”を展開することになったのです!!
さて、今回は……!
じつは前述のスタッフが、
「どうしても話を聞きたい!!」
と、『プロセカ』がリリースされたときから熱望していた“譜面制作チーム”にアクセスすることに成功!! あの工夫が凝らされた『プロセカ』の譜面がどのようにして作られているのか、その核心に迫ったぞ!!
※インタビューは、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、メールで行ったものです!
3名のスタッフで、あれだけの曲を!
--まずは、工夫を凝らされた『プロセカ』譜面を何人体制で作っているのかを知りたいです! 曲数もギミックも多いので、かなりのスタッフを配置しているのでは……と想像するのですが。
制作チーム 社内の制作チームは3名体制です! それぞれにいろいろな役割があるんですけど、可能な限り1名に依存する形にはせず、3名で互いの作業を補完・フォローできるように工夫をしています。
--さ、3名!? 少なくとも、その5倍くらいの人数で回しているのかと思っていました……。では、実際に譜面を作る過程を教えてください。
制作チーム まず、その楽曲の担当者が譜面のベースを作ります。それがいわゆる土台で、これをもとにメンバー3人で協議をしながら、難易度の方針を決めていくんです。
--なるほど! 先ほどの「3名で互いをフォロー」というお話に紐づきますね。
制作チーム はい。そしてそこからは、チームみんなでひたすらプレイです。遊びながら問題点をあぶり出し、ひとつひとつ潰していく作業。プレイ、修正……をくり返して、精度を高めていくんです。
--やはり、コツコツと積み上げていく工程が必要なわけか……。では最終的に、1曲が完成するまでにどれくらいの時間がかかるのでしょうか?
制作チーム 曲によってまちまちですが、“EASY”から“MASTER”までの1曲5譜面を、だいたい2週間くらいで制作しています。
EASY | NORMAL | HARD | EXPERT | MASTER |
▲これは『セカイ』という楽曲の冒頭の譜面だ。同じ曲でも……難易度によって、これだけ譜面が違うんです!!
--では、譜面制作をするために必要なスキルってありますか? と言いますのも、この記事を読むコロコロ読者の少年の中に、「将来、こういう仕事をしてみたい!」という子も出てくると思うのです。そんな子たちに、何かヒントを!
制作チーム 必要なスキルは……“想像力”ですね! どのようにすればプレイヤーが「おもしろい!」と感じてくれるのか? 楽しく遊んでくれるのか? 技術的なことよりも、まずはそこに考えを至らせられることがいちばん大事だと考えています。
--とは言え、音楽の知識はかなり必要かと思うのですが、いかがですかね?
制作チーム いえいえ! 深い音楽知識は、それほど必要じゃありませんよ。楽曲のテンポや拍子について理解できれば譜面制作を行うことができると思います。
--では角度を変えまして……譜面制作に向いているのは、どんな人でしょうか!? ゲームがうまくないと無理ですよね……?
制作チーム もちろん、プレイが上手なことも重要なんですけど……それよりもまずは、リズムゲームが好きな人ですね! どのジャンルも同じかもしれませんけど、向き合っていることに愛を持てるかが最重要だと考えています。
--夢のある回答をありがとうございます! ……となると、制作チームの方々は腕も愛も両方お持ちなんですね……?
制作チーム もちろんです!(笑) じつはメンバー内には……某リズムゲームのトップランカーもいたりします。
譜面作りの喜びとは?
--ではここから、よりマニアックな質問に入らせていただきます……! “『千本桜』エキスパートがフルコンで1000コンボ”のように、ほかにもコンボ数にこだわった曲はあるのでしょうか?
制作チーム ありますよ! たとえば“ミク”にかけて下2桁が“39”になっている曲とか……。いくつか仕掛けがありますので、ぜひ遊びながら探してみてください!
▲有名な『千本桜』の“千”に掛けて、フルコンボだとなんとぴったり1000コンボで収まるようになっている! 譜面チームの強いこだわりを感じます!
--そのようにコンボ数に企画をからめるにあたり、どのような工夫、苦労があるのでしょうか?
制作チーム わかりやすいところで言いますと、たとえば難易度を微調整しただけでもコンボ数が変化してしまいます。それを踏まえた上でバランスを調整し、なおかつ狙ったコンボ数に持っていかないといけないわけです。難易度の調整はつねについて回るものですから、落としどころを決めるのはたいへんですね。
--お話を聞いていると……デバッグがものすごくたいへんそうなゲームですね……。1曲あたり、どれくらいの時間をかけて調整されているんですか?
制作チーム 正直……デバッグには、譜面制作期間のおおよそ半分くらいの時間を割り当てています。しかも、デバッグチームはもちろんなのですが、譜面制作チーム以外のスタッフにも協力してもらい、なるべく多くのメンバーでくり返しプレイするようにしているんです。そこからフィードバックを得て最終的な調整を行います。
--……どの譜面も、フルコンボできるものなのですか?
制作チーム もちろん! どの譜面もフルコンボを達成できるかチェックしてからリリースしていますよ!
--おおお!! それを聞いて安心(?)しました! では、文字や記号など遊び心満載の譜面も多いですが、ユーザーに見てほしいオススメポイントをぜひ!
制作チーム 列挙しますね! まず、文字のような演出ですと……!
・『ロキ』の「ROCK ‘N’ ROLL」「ROKI」
・『39みゅーじっく!』の「39」
・『アイドル新鋭隊』の「MORE」「LOVE」
・『ブレス・ユア・ブレス』の「HELLO」「ハロー」「はろー」
などがあります。文字以外の演出ですと、『脱法ロック』ではMVにあわせた演出を組み込んでいますし、『テオ』では歌詞にあわせてキラキラをモチーフにしたノーツを配置しております。また『千本桜』では“光線銃で打ちぬく”ようなスライド演出が入っていたり……。もちろん、これら以外にもたくさんありますので、ぜひ探して皆さんでシェアしてみてください!
▲『テオ』のMASTERの譜面がこちら。歌詞の「キラキラキラ きらめいていてよ」にあわせて、譜面がホントにキラめいている~! 随所に見られるこういった遊び心が、ユーザーを惹きつけてやまない要因のひとつかもしれない。
--一方で、難易度があがると「うわ、ここか!」と震える箇所にフリックが入ったり、難しいポイントも増えてきますよね。このへんの、難易度の考え方をぜひお聞きしたいです!
制作チーム 制作方針として、MASTERはもっとも難しい難度ですので、上級者でも楽しめるレベルに調整しています。例えばEXPERTと同じ難易度でも、MASTERの方がひと工夫いれた譜面になっていますし。とはいえ、ただ難しいだけではなく、プレイしたときに「おもしろい!」、「楽しい!」と感じられる譜面作りをつねに目指していますね。
--現在の最高難度は、レベル33の『初音ミクの消失』ですが(※2月20日現在です)、難度の高い譜面ほど作るのもたいへんになってくるのでしょうか?
制作チーム もちろん、高難度の譜面を制作するのは、時間も労力もかかります。上級者にも満足してもらうものにしないといけませんからね。でも一方で、難易度が低めのMASTER譜面のほうが微調整が難しいこともあるんです。ですので一概に、「高難度のほうがたいへん!」とは言えないかもしれませんね。
▲皆伝の称号を持つ本誌ガチスタッフですら、「もはや、何が起こっているのかわからないレベル!!」と舌を巻く譜面……w でも、上級者にとってはやり甲斐のある譜面であることに間違いなく、譜面制作チームの腕の見せ所でもあるわけだ!
--譜面制作の立場から思う、上手にプレイするコツがあれば教えてください!
制作チーム 基本的なことかもしれませんが、ノーツスピードを少しずつ上げて、画面の手元付近ではなく、できるだけ奥のほうを見るように心掛けてプレイしていくと、徐々に高い難易度に挑戦できるようになっていく……と思います! 加えて、いろいろな楽曲に積極的に触れていくことも大事ですね。
--譜面作りでいちばん大切にしていることを教えてください。
制作チーム 楽曲を大切にすることです。そのうえで、くり返しプレイしたくなるようなおもしろさを追求すること……でしょうか。
--では、譜面作りで、とくにたいへんな点は?
制作チーム これは……表現が難しいんですけど、先ほど“おもしろさを追求している”と回答しましたけど、ときに「なんだか……おもしろくないかもしれないぞ」と感じることもあるんです。そのときに、“どこをどうしたらおもしろくなるのか?”という感覚をキチンと言語化し、分析したうえで調整しないといけない。ここが、非常に根気のいる作業なんです。
--逆に、譜面作りで喜びを感じるのはどんなときですか?
制作チーム それはもう、遊んでいただいているユーザーの皆さんからコメントをもらったときです! 評判がよかったときはもちろんうれしいですし、狙った仕掛けで楽しんでもらえたときは……もう、最高ですね!
--じつは……弊社のプロセカ大好きスタッフが“皆伝”になったのですが、その者も含めて、全国の皆伝称号者にエールをいただきたいです!w
制作チーム おおおお! 皆伝がすばらしいのはもちろんなんですけど、そもそもMASTERをフルコンボすること自体がとんでもないことなので、今後もぜひぜひ楽しんでいただけたらうれしいです!!
▲皆伝は、”難易度MASTERで30曲フルコンボ”でゲットできる! 腕に覚えがある人は、その上にそびえる”真・皆伝”を目指すしかない!(ちなみに、本誌ガチスタッフも真・皆伝にはたどり着いていません^^;)
--ありがとうございます!! では最後に、全ユーザーの皆さんにメッセージをお願いいたします!
制作チーム はい! 譜面チームのメンバーも、ふだんから『プロセカ』をたくさん遊んでいます! もしかすると、皆さんとどこかでマッチングしているかもしれませんね! これからもぜひ、我々とともに楽しく遊んでいただければありがたいです。今後とも、応援よろしくお願いいたします!!
--貴重なお話、本当にありがとうございました!! これからもガチで遊ばせていただきますー!
【タイトル概要】
タイトル名称:プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク
対応OS:iOS/Android
App Store URL:https://itunes.apple.com/app/id1489932710
Google Play URL:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.sega.pjsekai
配信開始日:配信中(2020年9月30日(水)配信)
価格:基本無料(アイテム課金あり)
ジャンル:リズム&アドベンチャー
メーカー:セガ/ Colorful Palette
公式サイト:https://pjsekai.sega.jp
公式Twitter:https://twitter.com/pj_sekai