By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。
なんと今回連載100回目だそうですね。昨年からは新型コロナの影響で大型イベントが軒並み中止になり、僕自身もマジックの記事を書く機会(カバレージなど)が激減してしまったのですが、なんやかんやこうした場でずっとマジックの記事を書かせていただいて、時たまマジック日本公式さんからプレビューカードをいただいたりなんかもして、大変ありがたいことです。みなさま、今後とも何卒よろしくおねがいします。
せっかくなのでドブフクロウのオリジナルデッキなどを掲載しようかなどとも思いましたが、誰からも需要がなさそうなのと、普通にデッキアイディアを思いつかなかったのでまたの機会にします。そんなことより、今非常に面白いデッキが頭角を表してきているので、ぜひともそちらのデッキをご紹介せねば!
というわけで、今週もスタンダードの最新のデッキリストをご紹介していきます!
『カルドハイム』チャンピオンシップ予選
さて、いよいよ1ヶ月後の3月26~28日には『カルドハイム』チャンピオンシップが開催される予定です(詳細はこちら/リンク先は英語の外部サイト)。250,000ドルの賞金を懸けて世界中の猛者が集まるこのイベントは名実ともに競技シーンで最大級のトーナメントとなっており、この大会で上位入賞を果たすことでマジック・プロリーグやライバルズ・リーグ入りを懸けたさらなる上位大会へと駒を進めることができます。
『カルドハイム』チャンピオンシップは、そうしたプロプレイヤーへの登竜門的な位置づけの大会ですが、そこで上位入賞を果たしていたデッキは、これまでにないユニークな戦略を実現していました。果たしてどのようなデッキなのか、さっそくリストを見ていきましょう!
ナヤフューリー(使用者:liopoil選手) | |
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枚数 | カード名(メインボード) |
4 | 《枝重なる小道》 |
4 | 《岩山被りの小道》 |
4 | 《針縁の小道》 |
3 | 《寓話の小道》 |
2 | 《平地》 |
2 | 《山》 |
1 | 《森》 |
4 | 《巨人落とし》 |
4 | 《群れの番人》 |
4 | 《砕骨の巨人》 |
4 | 《エッジウォールの亭主》 |
4 | 《恋煩いの野獣》 |
4 | 《黄金架のドラゴン》 |
4 | 《スカルドの決戦》 |
4 | 《憤激解放》 |
4 | 《セジーリの防護》 |
4 | 《カズールの憤怒》 |
枚数 | カード名(サイドボード) |
3 | 《赦免のアルコン》 |
2 | 《レッドキャップの乱闘》 |
2 | 《灰のフェニックス》 |
2 | 《焦熱の竜火》 |
2 | 《乱動する渦》 |
1 | 《アゴナスの雄牛》 |
1 | 《アクロス戦争》 |
1 | 《トーモッドの墓所》 |
1 | 《傑士の神、レーデイン》 |
今回ご紹介する「ナヤフューリー」は、最近流行の兆しを見せているデッキです。デッキ名の「フューリー」とは、このデッキのキーカードである《憤激解放/Unleash Fury》から取ったものです。なかなか聞き馴染みのないカード名ですが、どのようなカードなのでしょうか?
《憤激解放》は、クリーチャーのパワーを2倍にするという能力を持ったカードです。バイ○ルトみたいですよね。なかなか派手な能力を持ったカードですが、とはいえ仮にパワーが5の《恋煩いの野獣》にプレイしたとしても、その修正値は+5/+0。もちろん馬鹿にはなりませんが、マジックは対戦相手のライフを20点削る必要があるので、もう一歩というところです。しかし、そこに《カズールの憤怒》が絡むことで一気にゲームエンド級の破壊力が生まれます。さきほどの例で言えば、《恋煩いの野獣》の攻撃に《憤激解放》を合わせることで10点ダメージ。さらに第2メインで《カズールの憤怒》をプレイすればもう10点。合計20点でゲームセットです!
もちろんそうしたコンボがいつも決まるわけではないので、デッキの基本構成自体は「グルール・アドベンチャー」を踏襲しています。《エッジウォールの亭主》+《恋煩いの野獣》+《砕骨の巨人》のパッケージはアドバンテージ面でもテンポ面でも優秀で、『エルドレインの王権』リリース移行ずっと環境の中心で活躍してきました。現行環境ではこれらに加えてより効率的にカードアドバンテージを獲得できる《スカルドの決戦》が加わっており、さらに骨太なデッキとなっています。
《黄金架のドラゴン》もこのデッキの主力として採用されています。『カルドハイム』の新カードの中でも特に人気のあるカードの1つで、ただ強カードとして活躍してくれることはもちろん、回避能力が付いているため《憤激解放》との相性も良好です。また、《憤激解放》+《カズールの憤怒》のコンボ成立には5マナが必要になりますが、宝物トークンの生成による一時的なマナ加速はその勝ち筋をアシストしてくれます。
ミッドレンジデッキとして立ち回りつつ、一撃必殺のコンボを内蔵したこのデッキ。こうした異なる2つの勝ち筋を持ったデッキはプレイングは難しいですが、相手にすると非常にやりづらく、強力な戦略です。興味がある方はぜひ組んでみてはいかがでしょうか?
ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。 MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。
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