【BLIZZCONLINE】シリーズ初のスマホアプリ『Diablo イモータル』の“いま”に迫るインタビュー!

気になる開発状況は……!

 『Diablo』シリーズや『オーバーウォッチ』シリーズでおなじみのゲームメーカー、Blizzard Entertainmentが、毎年恒例の発表会“blizcon”を開催。今回は新型コロナウイルスの影響で初のオンライン開催“BLIZZCONLINE”となったが、例年以上に多くの情報、サプライズが飛び出した。

 コロコロオンラインでは、世界中に多くのファンを抱える元祖ハック&スラッシュ、『Diablo』シリーズに注目!! 今後も新情報を追いかけて行く決意とともに、BLIZZCONLINEで飛び出した『Diablo』関連情報をピックアップして記事にしていくぞ!

 ここでは、『Diablo』シリーズでは初となるスマホアプリ、『Diablo イモータル』の開発者の声をお届けしたい。いまかいまかとサービスインが待たれる『Diablo イモータル』の、現在の開発状況は? リードプロデューサーのカレブ・アーセナーさんと、シニアシステムデザイナーのクリス・ジアハットさんに答えてもらった合同インタビュー!

テクニカルαテストで得たもの

--もっとも気になっていることを先に聞かせてください。サービスインが待たれていますが、現在の開発進行度と今後のスケジュールを話せる範囲でぜひ!

カレブ・アーセナー:パブリックテスティングの時期に入っており、年末年始にかけてテクニカルαテストを実施して、無事に完了しております。αテストではおもにゲームの安定性を確認し、参加いただいた方からさまざまなフィードバックをいただくことができました。

 また今後の開発のスケジュールですが、現状ではエンドコンテンツのテストを行えていないので、しばらくはこちらに注力してテストを実施する流れになると思います。というのも、先日のテクニカルαにはエンドコンテンツが含まれていませんでしたので。

――いま、世界的に新型コロナウイルスが蔓延し、ゲームの開発にも多大な影響が出ているのではと思いますが、現場はいかがでしょうか?

カレブ・アーセナー:まさにその通りで、新型コロナウイルスの影響が出始めて以来、我々も在宅にて開発を行っているんです。このインタビューも自宅で受けているのですが、いまmこのパネル(カレブさんの背景にあった衝立)の向こうで娘が楽器の練習をしているので、音が聞こえちゃうかも(笑)。

 とはいえ、以前はミーティングのたびに会議室に移動したり、各ミーティングに備えて時間をやりくりしたり……という流れでしたが、現在はそれがありません。そういう意味では、効率的な仕事ができるようにもなりましたね。

--悪いことばかりではないんですね。

カレブ・アーセナー:ただし、ミーティングのあいだの休憩時間というものもなくなってしまったので、精神的な疲労は変わらないのかも……。……いやでも、在宅の魅力として、毎週毎週開発者どうしで『Diablo イモータル』のオンラインテストプレイを4時間くらい実施できるようになりました。これは大きいですよ。

--テクニカルαの規模と、そこで何を学ばれたかを教えてください。

カレブ・アーセナー:規模については、かなり小規模だったと認識しています。参加いただいたのは、インフルエンサー、メディア、およびコミュニティーのメンバー。サーバーの安定性を確認するために、オーストラリアのプレイヤーにもテストのアクセス権を与えました。
これを踏まえて、徐々に大規模なテストに移行する予定です。

クリス・ジアハット:テクニカルαで得たフィードバックで大きかったのが、「ウィザードが弱体化しすぎ」というものでした。たとえば、ウィザードは敵を凍らせる“レイ・オブ・フロスト”という能力を持っているのですが、凍結させたはずのクリーチャーがプレイヤーを追跡してきて攻撃を加えてくる……という仕様になっていたんです。そこでウィザードの能力を強化することにし、そのような状況になっても敵がプレイヤーキャラまで追いつけないようにしました。

 もうひとつ例を挙げると、『Diablo イモータル』はMMORPGという位置づけなので、1000人以上のプレイヤーがひとつのマップに存在することになります。その中でたとえば“ゾンビを12体殺す”というクエストがあり、数名で行いました。でもこのとき、ひとりのデーモンハンターがすべてのゾンビを倒してしまったのです。結果、もらえるすべてのポイントがデーモンハンターひとりに入り、他の参加者は何も得ることができませんでした。これを受けて、たとえひとりが倒してしまったとしても、サポートしたプレイヤーにもポイントやスコアが入る仕様に変更いたしました。

--今後はエンドコンテンツのテストを集中して行っていくとのことでしたが、そのテストに参加する機会はあるのでしょうか?

カレブ・アーセナー:エンドコンテンツのテストでもっとも重要になるのは、やはりプレイヤーからのフィードバックです。今後のバージョンに、フィードバックを反映することにはなりますからね。

 エンドコンテンツのテストに関しては、『Diablo』シリーズでは史上初となる1000人以上の規模になると想定しています。ここから得たものを反映させることで、エンドコンテンツのテストをFIXさせることができるんじゃないかな、と。

--『Diablo イモータル』はモバイル向けのタイトルですが、PCやコンソールゲームにおけるDLCや拡張コンテンツの予定は? またゲーム全体のボリュームについても教えていただけると!

カレブ・アーセナー:答えになっているかわかりませんが、『Diablo イモータル』はこのシリーズを体験されていない方を獲得することが目的のひとつですので、PC版、コンソール版との連携は考えていませんし、拡張版なども予定しておりません。『Diablo』をモバイルで展開するということは、新規ユーザーを獲得するまたとないチャンスですから。

 そして2番目の質問ですが、ゲームプレイに何時間かかるのかは明確にしていません。まだまだ開発中ですし、クエストやリフト(『Diablo 3』などで導入されている、くり返し遊べるエンドコンテンツ)にどれくらいのボリュームをつけるのか、テスト中でもありますから。

 またエンドコンテンツにたどり着いても、レジェンダリーアイテム集めやパラゴンもあるので、そこからも長くゲームは続けられるでしょう。

--iOS版とアンドロイド版でクロスプレイはできるのでしょうか? また、外付けコントローラーを接続してのプレイには対応しているのでしょうか?

カレブ・アーセナー:テクニカルαの段階では方ではクロスプレイはできませんでしたが、サービスインの際には可能になっていますよ。バトルネットのアカウントさえあれば、スマホでもタブレットでもクロスプレイをすることができます。

 そして外付けコントローラーへの対応については、テクニカルα中にもコミュニティーから同じような要望が届いていました。いまのところ導入に関しては何も言えないのですが、開発チームで検討しているところです。

--『Diablo』はハック&スラッシュの元祖と言えるシリーズですが、モバイルにおいては同じようなシステムを使うゲームがすでに複数存在します。そういう意味では、モバイルの『Diablo』を作る難しさもあると思うのですが、いかがでしょうか?

カレブ・アーセナー:『Diablo イモータル』を開発するにあたりNetEaseとパートナーシップを結びましたが、ここはモバイル系のアプリを専門に作るデベロッパーです。おかげで我々も、モバイルゲームを作る上でのテクノロジーと知識を多分に吸収することができています。

クリス・ジアハット:NetEaseのエンジンは非常にハイスペックで、テクノロジーに関しては心配していません。

――どのような料金体形で運営されていくのか教えてください。

カレブ・アーセナー:システムに関しては、やはりゲームプレイをもっとも重視しているので、『Diablo』らしく、自分で敵を倒してアイテムや素材を手に入れてレベルアップさせる……という流れを踏襲します。よって、ゲーム内で課金して高能力の武器などを入手することはできません。基本、課金システムに関しては、ボーナスの機能と考えていただければ。

クリス・ジアハット:ストアーとあわせて、バトルパスには無料と有料のものを用意します。

補足:基本的にはゲームプレイ無料となっておりますが、ゲーム内の課金通貨を使うことで、レジェンダリーアイテムやルーンが確定で手に入るダンジョンをプレイできる……などという機能を実装予定です。

 『Diablo イモータル』に関しては今後も、新情報が入り次第記事にしていくぞ!

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