レジェンドと若手で完成する、『ゾイドワイルド』!!
過去作よりも動物要素の強くなったゾイドのデザイン。これはどうやって生まれたものなのか…今回も2人のクリエイターから貴重なお話をうかがった!!
——『ゾイドワイルド』を担当していく上で片山さんは、第一世代、第二世代の先輩方と一緒の現場でやられるプレッシャーとかはありますか?
片山:
プレッシャーはもちろんあります。まぁ、いい意味で昔をあんまり知ってこなかった立場なので、変に歩み寄り過ぎることがないというのはありますね。
——新しいものを作る立場としては大事かもしれませんね。
片山:
昔のデザインラインとか参考にさせてもらう時ももちろんあるんですけど、徳山が作っているデザインが元々いい素材としてあるので、それをどうやってもっとおいしい料理にしようっていうのを考えるのが楽しいですね。もちろん同じミーティングの場で色んな意見を出されるので、取捨選択するのが難しいですけど。
——それは確かに頭を抱えそうですね。
片山:
しっかり聞く所は聞かせて頂いて、自分の思いとかでやれる所はやっていくといった感じです。
——片山さんから見て、徳山さんは「レジェンド」だと思うんですけど、最初にどういった印象を持たれましたか?
片山:
1番最初にメカボニカ(※ゾイド最初期の国内版キット)から始まり、そこに世界観などをのせて自分の手でストーリーを作るっていうのが、すごいなっていう。なかなか先駆者にはなれないじゃないですか。
あと自分で絵も描いていらっしゃるんで、そういう意味ではストーリーもそうなんですけど、デザインラインも作っていっているっていうのが1番すごいなぁと思いますね。
——なかなか真似できないことですよね…!
徳山:
褒められちゃいました。
(一同笑)
——この間のインタビューでも出ましたが、徳山さんのイラスト、あれはすごいですよね!
片山:
はい。本当にすごいですよね。
徳山:
まぁまぁ(笑)。ゾイドの作り方って、世界観とデザインを初期のコンセプト段階である程度固める必要があるんですよ。基本となる動物の動きも含めて。片山も今の仕事を一巡してそういう基礎が頭に入ってきていますね。今は一応ベースは僕の方でやってますが、片山デザインのゾイドもアニメの後半に出始めてくるんですよ。
——それは楽しみですね!
徳山:
『ゾイドワイルド』の世界観も僕の方で大体のイメージを組み立てている訳ですけど、第2期とか先の展開では、3分の2以上は若手がやる感じになると思いますね。
——第3世代の新しい世界が見られる訳ですね!!
徳山:
現在の『ゾイドワイルド』を、この先どうやって繋げていくかっていう方に向かっていく訳ですね。まぁ、若手の力を間近で見ていると、良い方向に向かっていくんじゃないかなとは思っています。
——なるほど。徳山さんから見て若い世代の方たちのこういう所の発想が違うなと感じることはありますか?
徳山:
そうですね。ボーン状態のデザインなんかは若手のほうがすごくこだわりを感じましたね。どうしても僕らの場合だと全体のシルエットで考えてしまうもので。ゾイドの場合って他のおもちゃと違って全く架空のものではないというか、どうしても図鑑的な世界だったりするんですね。なので、ボーン状態のデザインも重要になってくるんですよ。
——骨の状態も含めてのデザインですものね。
徳山:
あと、本能解放(ワイルドブラスト)っていうのはある程度決まったモチーフのもとで、様々な見せ方を考えていく訳じゃないですか。未知の部分っていうんですかね。その部分は、これからどういうものを作っていくかっていう所で、若手の感覚が僕らとは違った形で出てくる所ではないかと思いますね。
——なるほど! アッと驚くようなワイルドブラストを期待しています!
レジェンドと若手が互いに尊敬し合い、補い合って生まれた『ゾイドワイルド』。
次回は、新旧ゾイドファンからは、どのような反響があるのかを訊いていくぞ!!
第5回に続く
徳山 光俊(とくやま みつとし)
『ゾイド』立ち上げに携わったスタッフのひとり。『ゾイドワイルド』ではゾイドの
デザイン原案を担当。溢れんばかりの『ゾイド』愛を若い世代に伝えるべく奮闘中。片山 周(かたやま しゅう)
『ゾイドワイルド』から開発に携わる若手の第3世代。これまでになかった新世代のゾイドの数々をデザインしている。サソリなどの不気味なモチーフのデザインが得意だとか。