またまた……別れの季節
これまでたびたび、我がルナステラ島に引っ越してきたどうぶつと、逆に出て行ってしまったどうぶつのことを記事にしてきた。
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頻繁に住民が入れ替わるという仕様は、ニンテンドウ64で発売された『どうぶつの森』シリーズの1作目から連綿と受け継がれてきた伝統で、コレがあるからこそユーザーは新鮮な気持ちを長くキープでき、異例と言える継続プレイ時間を記録するに至っているのである。
なかでも『あつ森』は、400種以上のどうぶつが収録されている“オバケ”タイトル。頻繁な引っ越し……というか、部署異動やジョブローテーションのような人事交流が成されないと、一生出会えないどうぶつが必ず出てきてしまうに違いない。
それがあるからだろう。
ときに島では、
「こここ、この子だけはイヤァ!!>< 彼はまだ、連れていかないでえええええ!!!><」
と、聞いた瞬間に悶絶して、たぬきちにウェスタンラリアットを喰らわせたくなるようなどうぶつに引っ越しフラグが立つことがある。
↓こ、こんな感じで……((((;゚Д゚)))
イィィィヤァァアアア!!!>< かかか、かぶきちは、ダメぇぇぇえええ!!!><
なんとビックリ!!
島の住民の中で、“絶対に手放したくない四天王”の一角である隈取り猫のかぶきちが、言うに事欠いて、ひひひ、引っ越ししたいだと!!?!?
ななな、何をいきなり言うてんねんこの傾奇者がッ!! その隈取りを洗い落として、ただの白猫にしてくれるどッ!!!(怒)
「か、か、か、か、かッ!!!」
戸惑いと怒りで言葉が出なくなった俺に、かぶきちは畳み掛けてくる。
当然、俺は言下にこの申し出を却下した。
「行っちゃダメぇぇえええ!!!><」
そしてどうにか、事なきを得る。
ふ、ふぅ……。あぶねえあぶねえ……。まったく油断ならないゲームだわ……。
これもし、酒をしこたま飲んで酔っ払い、恥ずかしいほど気が大きくなったときに申し出を見ちゃったら、
「なぁにぃ~~~!!? ウチから出ていきたいやとぉ!? あーいいですよ!! 好きにすればいいんですッ!! 引き留めてなんかやらないからね!! 出て行きたければ、いますぐ出ていってや!!(怒)」
なんて、酒の席で部下から退職を相談されたパワハラ上司みたいな対応をしちゃってたかもしれん……。引っ越しフラグは、冷静な日中に見るに限るわ……w
さわやかな風とともに
そんな“かぶきち事件”があった、わずか5日後。
俺はまたもや、「引っ越しをしたい」という相談を受ける。
これは……さすがに堪えた。
どうぶつの入れ替わりは、親密度とは関係のないランダム発生のようなので、打診されても気に病むことはないし、引き留めたければかぶきちのときのように即座に「ダメ!!」と却下すればいい。
でもな……。
こうたびたび、
「もう、ここから出て行きたいんだけど」
と言われると……俺の対応とかコミュニケーションとか、さらには大塚角満の人格そのものに問題があったんじゃないかと感じて、いい歳コイて大いにヘコませられるんですけど!!w お、俺、そんなにウザかった!? メンド臭かったですかッ!!?(それがウザい)
ちなみにこのとき、引っ越しの申し出をしてきたのは……!
なんと!! ルナステラ島の住民の中ではもっとも新参のサントス君ではないか!!!
前回、前々回の日記で書いたけど、我が島のアイドル・メープルを巡って、1ごう、そして俺との恋愛レースをくり広げていたプレイボーイのサントス……。
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恋に破れての、傷心の引っ越しか?? それとも……。
タヌキ商店で見たシンセサイザーが高くて買えず、出稼ぎに出るための引っ越しとか!?
さあ困った。
サントスは“絶対に手放したくない四天王”には入っていないけど、島で唯一のキザタイプのどうぶつだし、そもそも決して嫌いじゃないので、このまま暮らしてくれてまったく問題はないんだが……。
でも……。
俺は数十分ものあいだ熟考した後、ついに決断したのであった。
プレイボーイ・サントスは……引っ越しをすることになった。心から悩んだけど、まだ見ぬどうぶつとの出会いのために、泣く泣く申し出を受諾したのでありました……。
そして、翌日--。
ルナステラ島にさわやかな風とともにやってきたサントスは、夏の気配に導かれるように海の向こうに旅立っていった。寂しくなるけど……いつまでもウジウジとはしていられないな! 明日には離島ツアーに出向いて、新たな住民をスカウトしてこないと!!
というわけでまたもや、住民厳選の“苦行”が始まるのでした。
続く。
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。
『あつまれ どうぶつの森』公式サイト:
https://www.nintendo.co.jp/switch/acbaa/index.html
※ゲーム画面はNintendo Swicthソフト『あつまれ どうぶつの森』のものです。
© 2020 Nintendo
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