By まつがん
恒例の宣伝からだが、皆さんは今週発売したコロコロコミック7月号はもう入手されただろうか?
デュエル・マスターズの原作コミックが読めることはもちろん、7月に発売する「最強戦略!!ドラリンパック」に関する情報も色々と掲載されている。ぜひとも手に取ってみて欲しい。
さて、十王篇第2弾「爆皇×爆誕 ダイナボルト!!!」の発売予定日である6月27日(土) がいよいよ来週にまで迫ってきた。
となれば、このカードでデッキを作らないわけにいかないだろう。
《爆龍皇 ダイナボルト》。セット名にもその名を冠されている、今回の一番の目玉とも言うべきキングマスターカードだ。
7コスト、スピードアタッカー、W・ブレイカー、W・マジボンバーとシンプルかつ豪快な能力を持った火+光のドラゴン。
申し分のない強力なカードであることは間違いない……のだが、いざこのカードでデッキを作るとなると、主に二つの問題が障壁として立ちはだかることとなる。
一つ目の問題は、「どうやって出すのか」という点だ。
7コストという重さは通常、踏み倒しやマナ加速なしでは運用できない。ならば踏み倒しやマナ加速の手段が必要というのが論理的帰結となる。
その手段として最もストレートなのが《ドラゴンズ・サイン》だ。
S・トリガー呪文でありながら5マナと手打ちも十分視野に入るコストなので、能動・受動を選ばない点が強みと言える。このカードを採用すれば、ひとまず《爆龍皇 ダイナボルト》が抱える問題の一つは解決したと言っていいだろう。
そうなると次に乗り越えなければならないのは二つ目の問題……すなわち、「デッキ内のコスト6以下のクリーチャーの割合をどうやって高めるのか」というものだ。
《爆龍皇 ダイナボルト》のW・マジボンバーの最大出力は、「攻撃時に6コストのクリーチャー2体を同時展開」することにある。
ならばデッキとしては当然、「《爆龍皇 ダイナボルト》の攻撃時に手札もしくは山札の上2枚の中に6コストのクリーチャーが2体含まれている」状態を安定して達成できるものを目指したいところだ。
だがそうはいっても、そのようなデッキを何も考えずに作ろうとするとどうなってしまうか。
『サンプルデッキ』
《爆龍皇 ダイナボルト》 | |
《DORRRIN・ヴォルケノン》 | |
4 | 《ロック・クロック・六九》 |
《FENIXXX・グローリ》 | |
4 | 《ゴールド・キンタックス》 |
4 | 《ドラゴンズ・サイン》 |
16 | 何か |
うん、6軸ガチロボかな?
そう、「《爆龍皇 ダイナボルト》の攻撃時に手札もしくは山札の上2枚の中に6コストのクリーチャーが2体含まれている」ということは当然、デッキに大量の6コストクリーチャーの搭載を要求することになるので、マナカーブが崩壊してデッキが破綻してしまうのだ。
もちろん普通に2→3→4→5→……という綺麗なマナカーブのデッキを作り、W・マジボンバーではどのマナ域のクリーチャーが出ても構わない……と、そんな風に妥協する道もある。
しかしせっかくのW・マジボンバーなのだから、やはり夢は追ってみたくなるのが人情というものだろう。
とはいえ、6コストのクリーチャーを大量に搭載したままデッキを破綻させないなんて、そんな都合の良い方法があるわけ……。
あった。
そう、ツインパクトを採用すればいいのだ。
《ボルシャック・ドラゴン/決闘者・チャージャー》のように呪文側が初動を担えるツインパクトならば、「マナカーブの初動」と「マジボンバーのアクセス先」という2つの機能を同時に果たすことができる。
そしてそれは、S・トリガーについても同じことが言える。
《龍装の調べ 初不/ホーリー・スパーク》。このカードを採用することで、W・マジボンバーのヒット率を下げることなく有効S・トリガーの枚数を確保することが可能となるのだ。
もちろん、《ドラゴンズ・サイン》の出し先として補欠の役割も果たすということも忘れてはならない。
『途中経過』
《爆龍皇 ダイナボルト》 | |
《ロック・クロック・六九》 | |
4 | 《ボルシャック・ドラゴン/決闘者・チャージャー》 |
《龍装の調べ 初不/ホーリー・スパーク》 | |
4 | 《ドラゴンズ・サイン》 |
20 | 何か |
さて、せっかくここまで火と光のカードだけで課題を解決できているので、残りのスロットも火と光のカードで埋めていくことにしよう。
「3ターン目にチャージャー→4ターン目に《ドラゴンズ・サイン》」という動きを想定するなら、チャージャーは《ボルシャック・ドラゴン/決闘者・チャージャー》だけでは足りない。
しかしツインパクトのチャージャーは他に《ハリケーン・クロウラー/ブレイン・チャージャー》《マグナム・ルピア/クリムゾン・チャージャー》しかなく、マナ加速も火と光だけでは望めない。
やむをえないので、ここは「ツインパクトでW・マジボンバーのヒット率を上げる」という部分を妥協して《ケンザン・チャージャー》に頼ることにした。
マジボンバーとの相性は悪くてもツインパクトとの相性は良いので、《ドラゴンズ・サイン》のための手札のキープが難しいこのデッキにおいてはそこまで悪くない選択肢と言えるだろう。
『途中経過2』
《爆龍皇 ダイナボルト》 | |
《ロック・クロック・六九》 | |
4 | 《ボルシャック・ドラゴン/決闘者・チャージャー》 |
《龍装の調べ 初不/ホーリー・スパーク》 | |
4 | 《ドラゴンズ・サイン》 |
4 | 《ケンザン・チャージャー》 |
16 | 何か |
さて《ケンザン・チャージャー》を採用したことで、「デッキ内の呪文/ツインパクト/ブロッカー比率をなるべく高めるべき」という要請が発生してしまった。
マナカーブ的にも、3コストは厚いが2コスト帯は空白となっている。
ならば。
《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》《スニーク戦車 オーリー/トゲ玉・キャノンボール》を採用することで、「2コスト帯を埋める」「《ケンザン・チャージャー》のヒット率を高める」「マジボンバーの当たりを減らさない」という3つの要請を同時に満たすことができる。
『途中経過3』
《爆龍皇 ダイナボルト》 | |
《ロック・クロック・六九》 | |
4 | 《ボルシャック・ドラゴン/決闘者・チャージャー》 |
《龍装の調べ 初不/ホーリー・スパーク》 | |
4 | 《ドラゴンズ・サイン》 |
4 | 《ケンザン・チャージャー》 |
4 | 《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》 |
4 | 《スニーク戦車 オーリー/トゲ玉・キャノンボール》 |
8 | 何か |
デッキができてくると、先ほどの「マナカーブ」「《ケンザン・チャージャー》」「マジボンバー」のように、デッキを形作る輪郭が決まってくる。余ったスロットには、なるべくその輪郭に沿ったものを埋めるイメージで決定すると良い。
さて、では残った2つのスロットには何を入れるべきだろうか?
2コストと3コストは埋まっているのでマナカーブの要請はそれほど強くない。対し、《ケンザン・チャージャー》とマジボンバーに関してはデッキ全体に作用するため、なるべく守りたい要請と言える。
ここで、W・マジボンバーの威力を高めるという点に立ち戻ると、マジボンバーで出せてクリーチャーをアンタップするクリーチャーがあった方が良いのは自明だろう。
というわけで、《清浄の精霊ウル》を採用することにした。《ロック・クロック・六九》のマジボンバーとの関係や、単純な打点としても《ゲラッチョ男爵》や《逆転王女プリン》でもいいのだが、光マナになる点と《ケンザン・チャージャー》で拾える点が決め手となった。
『途中経過4』
《爆龍皇 ダイナボルト》 | |
4 | 《清浄の精霊ウル》 |
《ロック・クロック・六九》 | |
4 | 《ボルシャック・ドラゴン/決闘者・チャージャー》 |
《龍装の調べ 初不/ホーリー・スパーク》 | |
4 | 《ドラゴンズ・サイン》 |
4 | 《ケンザン・チャージャー》 |
4 | 《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》 |
4 | 《スニーク戦車 オーリー/トゲ玉・キャノンボール》 |
4 | 何か |
最後のスロットはこのままだと《ロック・クロック・六九》のマジボンバーが少し寂しいので、最大打点が作れるようスピードアタッカー持ちで、かつ《ケンザン・チャージャー》で拾えるツインパクトを入れることにしよう。
そう、《ゴリガン砕車 ゴルドーザ/ダイナマウス・スクラッパー》を入れてデッキ完成というわけだ。
というわけでできあがったのがこちらの「ツインパクト・ダイナボルト」だ!
『ツインパクト・ダイナボルト』
《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》 | |
4 | 《スニーク戦車 オーリー/トゲ玉・キャノンボール》 |
《ボルシャック・ドラゴン/決闘者・チャージャー》 | |
4 | 《ケンザン・チャージャー》 |
《ゴリガン砕車 ゴルドーザ/ダイナマウス・スクラッパー》 | |
4 | 《ドラゴンズ・サイン》 |
4 | 《清浄の精霊ウル》 |
4 | 《ロック・クロック・六九》 |
4 | 《龍装の調べ 初不/ホーリー・スパーク》 |
4 | 《爆龍皇 ダイナボルト》 |
もちろん《爆龍皇 ダイナボルト》を使った最適解がこれだというわけではないし、《メンデルスゾーン》や《鬼寄せの術》を使った強力な形もまた別に作れることだろう。
ただ大事なのは、デッキにおける大部分のスロットはデッキの輪郭に規定されるということである。
だからたとえば、一番使いたいカードでありデッキの大前提でもある《爆龍皇 ダイナボルト》は別にしても、このデッキの輪郭を形作っている (=残りのスロットに対して厳しい要請を持っている) 《ドラゴンズ・サイン》や《ケンザン・チャージャー》を入れない選択をしたりするならば、また違った形の《爆龍皇 ダイナボルト》を使ったデッキが組めるということになる。
デッキを作るときはそうした要石の存在を理解し、行き詰まったときにはどの石を外せばいいのかということを意識しながらスロットを埋めていくことが何よりも重要なのだ。
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。