By まつがん
十王篇第2弾「爆皇×爆誕 ダイナボルト!!!」に収録される新カード、《「忍」の鬼 ジライヤ齋》。このカードを使ってどのようなデッキを作るべきか。
それを知るためにはまず、このカードを使うにあたって必然的に付随してくる4つの課題を把握しておく必要がある。
1つ目の課題は、入れ替わり先としてどのクリーチャーを選ぶべきかというものだ。
コスト8以下のクリーチャーならば何でも構わないとはいえ、攻撃時に入れ替わるのだから攻撃時能力を持つクリーチャーとの噛み合いは悪い。したがって、きちんと入れ替わるだけの価値のある能力を持ったクリーチャーを選定する必要がある。
たとえば、登場時能力を持つ上にシールド焼却能力を持つ《ボルメテウス・ブラック・ドラゴン》や、登場時能力と合わせてシールドをすべて割りきれる《音速 ソニックブーム》などは候補の一例にあがるだろう。
2つ目の課題は、入れ替わり先のクリーチャーをどうやって墓地に落とすのかというものである。
手札のクリーチャーと入れ替わる革命チェンジやマナと入れ替わるJチェンジと異なり、墓地との入れ替わりは墓地肥やしという追加の手順を要求する。
《カツラデランス /「アフロ行きま~す!!」》は手札に来た入れ替わり先を選んで捨てられる上に、これ自体も入れ替わり先として機能するというオシャレな一面を持つ。
他にも、次の項目との関連でS・バックを持つ《デュアルショック・ドラゴン》でシールドから直接墓地に落とすやり方も考えられる。
3つ目の課題は、どうやって鬼タイムを達成するのかというものである。
《デュアルショック・ドラゴン》を生かすなら安心と信頼の《花美師ハナコ》《斬斬人形コダマンマ》に《キズグイ変怪》まで合わせて使ってもいいし、《デモニオの鬼時計》で無理矢理鬼タイムですと言い張るという路線もあるだろう。
そして4つ目、最後の課題は《「忍」の鬼 ジライヤ齋》をどうやって攻撃させるかというものである。
《「忍」の鬼 ジライヤ齋》それ自体はただ出してターンエンドするしかない普通のクリーチャーなので、現実的なラインで攻撃時の入れ替わり能力を使用するためには、スピードアタッカーやマッハファイターを与えるなどの何らかの補助が必要となってくる。
《龍装05号 イヴィルヴィ/イーヴィル・フォース》は《「忍」の鬼 ジライヤ齋》を3マナで出せてしかもスピードアタッカーを与えるという理想的な相方である。ターン終了時の破壊効果もどうせ入れ替わるから関係がない。
他にも《モモダチ キャンベロ》や《スニーク戦車 オーリー/トゲ玉・キャノンボール》でスピードアタッカーを与えたり、《生命と大地と轟破の決断》で疑似マッハファイターを与えてクリーチャーに攻撃するときに入れ替わるというテクニカルな方法もある。
ということで、《「忍」の鬼 ジライヤ齋》を使ったデッキを組むにはこの4つの課題をクリアする必要があるわけだが。
課題、多くないか???🤔🤔🤔
そう、詰みである。
通常、VRやSRのカードを使う際にクリアしなければならない課題は1つか2つがいいところだ。そして課題の数は、それすなわち一緒に入れなければならないカードの種類の数を意味する。ならば4つの課題が必要というのは、16枚 (《「忍」の鬼 ジライヤ齋》自身も含めれば20枚) ものスロットをそのために埋める必要があるということを示しているのだ。
だが、4スロットもの手厚い介護が必要なカードをわざわざ使う必要がどこにあるのだろうか?
8コストのクリーチャーを出す手段は、別に《「忍」の鬼 ジライヤ齋》に限られない。ならば《「忍」の鬼 ジライヤ齋》の存在意義とは、一体何なのだろうか。
《「忍」の鬼 ジライヤ齋》を使うには4つの課題をクリアしなければならない。しかし、4つの課題をクリアした先に《「忍」の鬼 ジライヤ齋》のスロットはない……。
かくして私は自ら見出した4つの課題によって、自縄自縛の思考の螺旋にとらわれてしまったのである。
冷静に考えてみると、別に律義に4つの課題をすべてクリアするデッキを組む必要があるわけでもない。
「すまんデッドマン、今回は無理だったわ……」と伝えてクソギャグ回に逃げるという手もあった。
だが。
どんなカードにも活躍の可能性はある。
その大原則に立ち返って考えてみたことが、新たな可能性をもたらした。
4つの課題は、それぞれの課題をクリアする4種類のカードによって克服される。
しかし、それが必ずしも1種類のカードによって克服されてはいけないという縛りはないのだ。
その発想が、私をしてある1枚のカードに帰着せしめた。
そう……迷いの果てに、ついに悟りを得たのである。
《Mの悪魔龍 リンネビーナス》。
このカードこそ、《「忍」の鬼 ジライヤ齋》と最高の相性を誇るカードと言えよう。
なぜなら、《Mの悪魔龍 リンネビーナス》が《「忍」の鬼 ジライヤ齋》を蘇生でき、スピードアタッカーを得た《「忍」の鬼 ジライヤ齋》が《Mの悪魔龍 リンネビーナス》と入れ替われるので、最終的には《「忍」の鬼 ジライヤ齋》がバトルゾーンと墓地とを反復横跳びするだけで墓地の《Mの悪魔龍 リンネビーナス》をすべて蘇生できるからだ。
それになんといっても《Mの悪魔龍 リンネビーナス》は自身もスピードアタッカーを持って即2打点で攻撃できるので、「入れ替わり対象としての適格」「墓地肥やし」「鬼タイム」「即攻撃付与」という上記の4つの課題のうち、「墓地肥やし」以外のすべての要素を持っていることになるのだ。
となれば、あとは「墓地肥やし」の要素を補填してあげればいい。
《天災 デドダム》と《不死妖精ベラドアネ》を併用することで、《Mの悪魔龍 リンネビーナス》の能力発動に必要なマナ武装をサポートしつつ必要なカードを墓地に送り込むことが可能となる。
だがそうすると、《Mの悪魔龍 リンネビーナス》のマナ武装を達成できるほど多色比率が高いデッキで《天災 デドダム》や《不死妖精ベラドアネ》を適正ターンに召喚することができるのか?という新たな課題が生まれてくる。
そこで 《葉鳴妖精ハキリ》と《最強虫 ナゾまる》を併用することで、3ターン目のタップインと《天災 デドダム》《不死妖精ベラドアネ》の採用との共存が可能になるし、《天災 デドダム》の水マナも無理して入れる必要がなくなる。
《Mの悪魔龍 リンネビーナス》が先に2枚ブレイクするとしても、鬼タイム発動まではまだ2枚足りない。だが《鬼寄せの術》を採用することで、シールド枚数を調節しながら速度向上に貢献してくれる。
《鬼寄せの術》と相性の良い《BUNBUN・ヴァイカー》はサブプランとして最適だろう。
というわけでできあがったのがこちらの「ジライヤ・ビーナス」だ!
『ジライヤ・ビーナス』
《禁断 ~封印されしX~》 | |
《葉鳴妖精ハキリ》 | |
4 | 《最強虫 ナゾまる》 |
《天災 デドダム》 | |
4 | 《不死妖精ベラドアネ》 |
4 | 《「忍」の鬼 ジライヤ齋》 |
4 | 《BUNBUN・ヴァイカー》 |
4 | 《Mの悪魔龍 リンネビーナス》 |
4 | 《襲来、鬼札王国!》 |
4 | 《鬼寄せの術》 |
2 | 《ダーク・ライフ》 |
1 | 《蒼き団長 ドギラゴン剣》 |
超GRゾーン | |
2 | 《”魔神轟怒”ブランド》 |
2 | 《ソニーソニック》 |
2 | 《ダダダチッコ・ダッチー》 |
2 | 《ゴルドンゴルドー》 |
2 | 《マリゴルドⅢ》 |
2 | 《マシンガン・トーク》 |
なお、新カード紹介後の回で恒例となっている対戦動画だが、現下の情勢では撮影が難しいため、今回もなしである。ご了承いただけると幸いだ。
さて、いかがだっただろうか。
《「忍」の鬼 ジライヤ齋》が収録されている十王篇第2弾「爆皇×爆誕 ダイナボルト!!!」は、6月27日(土) に発売予定だ。
また、コロコロコミック7月号ではデュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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