二月中旬、突如立ち上がった『Project F』(@PRJCTF)。その活動指針は明確であり「プロゲーマー監修のもと、1日の活動スケジュールを計画し、コーチングを取り入れて毎日朝9時から活動する強化練習プロジェクト”F”」といった内容が掲げられている。フォートナイトにおいて今までに無かった、新しい試み。『Project F』の肝や今後の活動方針についてお聞きしました。
——前回から引き続き『Project F』についてのお話になるのですが、メンバー間で心掛けていることについてお話しいただけますか。
bykn:一番メンバー間で心掛けているのが、朝9時に来るということです。
ちょっと遅れてしまう、そういったことが繰り返されると普段の練習にメリハリが付かなくなります。『Project F』のイメージは部活動です。やる気のある人たちで具体的な手法や目的を以て練習することが大切になります。
参加者同士で協力しあうことで、しっかりと上手くなっていくのが『Project F』のあるべき姿だと考えています。
——『Project F』は今どれくらい所属メンバーが存在しますか。
bykn:今、人数が13人くらいいます。この人数の多さが、日々の練習にとって良い影響を与えているんです。
13人同士で交代しながら1v1練習してたら、同じ人と1v1練習が出来るのって13日後じゃないですか。そうして久しぶりに同じ人と当たった時に「この人こんなに伸びてる」「ヤバイ、もっと練習しないと」という風になって、互いに高め合う環境が出来上がります。
しかも『Project F』のディスコードに入ってる人ってやる気がある人しか入っていないので、伸びるのが早いんですよ。
どれくらい早いかというと、例えばトライアウトを受けた人って大体その日のうちに変わるんです。一日目に説明しただけで次の日にはかなり上手くなってます。
もしかしたら言い過ぎなんじゃないかと思う人も居るかもしれないですが、むしろこれって自然なことなんです。恐らく皆は凄く簡単な部分における練習方法が分かってないだけなんですよね。数日で結構劇的に変わって、そこからも緩やかに伸びていきます。
——練習効果の高さがうかがえますね。
bykn:こういう活動というのは、将来的な選手としての実力や活動にも繋がっていきますし、それだけじゃなく理論だててアドバイスが出来る人はコーチなどへの道にも繋がるとも思ってます。
それに配信をしてたらそういう活動を見てくれる人も増えていきます。すると見てる人も「この人上手くなっていってるなー!」と感じてくれて、視聴者と一緒に成長のワクワクを共有できます。
——練習を配信することで、『Project F』の活動を視聴者と共有しているわけですね。
bykn:だからこそ、個人個人のマナーやSNSの運用を重視してます。
どれほどスケジュールを守っているとしても、極端にマナーが悪ければ、見ている人も不快な想いをするかもしれないですし、一緒に練習している皆にも影響を与えかねません。逆にスケジュールも守れてマナーも良く、やる気さえあるなら、実力の高くない人でも歓迎しています。
——『Project F』の名前の由来を教えていただけますか。
bykn:ちなみに『Project F』の『F』はFortitudeのFから取っています。
Fortitudeという英語は「不屈の精神」を意味していて、初期メンバーの皆で相談して決めました。『Project』の部分に関しては、自分が絶対使いたい単語だったので採用しました。
——『Project』を絶対使いたい、というのは何故でしょうか。
bykn:『イニシャルD』という漫画が元ネタになってます。峠の走り屋を描いた漫画なんですけど、この作品の中にプロジェクトDという全国制覇を夢として作られたチームがあって、これが元になっています。
ただ『Project F』の実態はチームではなく、似た目標を持った者同士の集まり、『場(フィールド)』というニュアンスの方が近いです。そういった考えが前提にあったので、『Project』という単語を入れることで、チームやクランとの違いがニュアンス的にも伝わりやすいのではないかと思ったんです。
——『Project F』自体はチームではないということで、活動自体もなかなかにハードでしょうし、辞める人も出たのではないでしょうか。
bykn:今のところ設立してから1か月くらいなので、まだ辞めた人はいないですが、自分的には苦にならない程度で継続してほしいので、絶対にスケジュールを守れと言明するつもりはありません。
モチベを高く保ちつつ、練習を続け、良い雰囲気の中で成長していくことが第一だと思ってます。
例えば練習に出れない時は前日までに言うとか、長期間出来ない時も連絡するとか、もっと別の練習をしたいときは相談するとか、そういった基本的な報連相をしっかりしてくれることが何より大事だと考えてます。
——そういった報連相以外に注意していることはありますか。
bykn:あります、マンネリ化です。
練習自体は10人以上で回しているので、毎日の練習相手が変わることで、安易なマンネリ化は防いでいますが、練習内容に関しても工夫しています。例えば同じ練習をしても効果は薄い人もいるので、人によっては練習内容を変えるようにしていますね。
そもそも『プロジェクトF』に入ってる人たちはモチベが高いんで、それぞれにとってより良い練習を自然と提案してくれます。「今日はこういう練習がしたいから、こういう風にやって」という感じで。僕だけではなくそれぞれが練習を注文してくれるのは、毎日の活動における促進剤になっていますね。
bykn:あと別の工夫として、『各自宣言』という目標設定を行わせています。
例えば「敵と戦闘したときに頭に当てれるように意識する」みたいな、今自分が意識してることを皆が見れるディスコードチャンネルに書くようにさせています。
何故わざわざ皆が見れるようなチャンネルに書かせるのかというと、それぞれが頭の中で意識するだけだと忘れてしまったり甘えが出てしまう可能性が高いので、アウトプットして第三者にも見てもらい、他の人から「出来てるか出来てないか」厳しくチェックしてもらうという狙いがあるからです。
——bykn選手自身も練習していると思うのですが、他のメンバーへのアドバイスなどはどのように行っているのでしょうか。
bykn:自分も同時並行で練習しているので、その場で横で練習している子に対して「今はこうした方が良い」とか「もっと早く攻めた方が良い」「そこ編集ミスったからダメージ食らったよ」「それは階段入れた方が良い」とか淡々と言っていきます。
大げさな感じで言わず、本当に淡々と指摘していくことを意識してます。そうすれば吸収力のある人はすぐ変わりますね。
——現在13人ということですが、『Project F』は何人まで増やす予定でしょうか。
bykn:今のところどうなるか分からないですけど、メンバーをもっと増やして、内部で一軍二軍みたいに分けることが出来るようになれば、もっと効率よくできるんじゃないかなと思います。
例えばエンドゾーンって12人くらいでやりたいんですよ。多くても少なすぎても良くないので。
そういったエンドゾーンの練習を行うとなり、しかも20人くらいの規模に膨れれば、更にグループを細分化する必要が出てきます。
僕以外のプレイヤー、例えば初期のころから一緒にやってるえあーどさんとかに別グループを任せられるようになれば、20人を超えてもグループを二つに分けて効率的な練習ができると思うんです。例えば朝の練習の1v1とかも1軍は1軍同士、2軍は2軍同士で戦った方が効率よく効果的な練習ができますしね。
あと今はまだ実施してないですけど、人数が増えてくるなら昼部門や夜部門を作っても良いかなと考えてます。昼部門を統括する人は別にいて、夜部門も別に居たりして。
——もし昼や夜の部門ができあがれば、色んな層のプレイヤーも参加できるようになりますね。
bykn:実はもっと増やそうと思ったら、簡単に増やせるんです。なにせ一日10件ほど連絡きますし、多い時は30件以上もざらです。
でも適当な人は入れられないので、こちらも本気でふるいにかけてます。そうなると大体一日一人くらいの加入が限界ですね。ただ感触としては今後も間違いなくメンバーは増えていきますし、個人的にも増やしていく方針です。
——『Project F』のゴールについて教えていただけますか。
bykn:この『Project F』の目標というのは「ワールドカップへの出場」なので、ワールドカップが終わったら、そこでまた活動内容や目標は変わるかもしれません。ワールドカップ以降は未知数ですので、とりあえずはワールドカップに向けてフォーカスしたいと思っています。
ここまで明確に目標と計画をもって活動してるフィールドって、国内ではほとんど居ないと思うので、今後の活躍に是非とも注目お願いします。
bykn ●YouTubeチャンネル https://www.youtube.com/c/byknn https://twitter.com/7_chx |
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ライター:gappo3 プロゲーミングチーム「Green Leaves」に所属し、ライターを兼任。選手に寄り添うインタビューをモットーに、丁寧に選手の一面を描いていきます。 https://twitter.com/gappo3gappo3 |
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