こういう特集……もっと読みたいな
3月の頭から丸1ヵ月かけて、コロコロオンライン上である種“意外”な特集が展開されていた。
対象となったのは、セガ×Colorful Paletteの大人気スマホアプリ、『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』である。
詳細なゲームの遊び方はもちろん、登場する5つのチームの詳しい解説、声優の中島由貴さんへのインタビュー、『プロセカ』の全国大会1位、2位選手との座談会、そして……リズムゲームの命である“譜面制作”を行っているチームへの直撃取材などなど、ネット上で、
「コロコロでやってる『プロセカ』の特集、めちゃくちゃ切り口が斬新でおもしろい!!」
やら、
「記事の作り手の熱量がヤバい!!」
やらやら、
「譜面制作チームへのインタビューとか、おもしろすぎる!!」
やらやらやら……とにかく、こちらが驚くほど絶賛の嵐で、改めて、
「全面協力してくれたセガと、がんばってくれたスタッフに感謝しかありません!!」
と、全面的に土下座をしたい気分なのである。
……って、俺はコロコロオンラインのイチライターに過ぎないので編集長を気取ったコメントをする必要はないんだけど(苦笑)、じつはこの特集の企画・運営・記事作成を担当したのはウチ(角満事務所ね)の女性スタッフ(『プロセカ』のガチプレイヤーね)なので、このようなネット上での称賛は我がことのようにうれしいのでありますよ。
ゲーム作りの現場の声を
それにしても、いまだ続くコロナ禍で取材活動に支障が出るなか、これほど分厚い特集が組めたのは、くり返しになるがメーカーさんの全面協力によるところが大きい。
いや、大きすぎる。
しかも、コロコロオンラインではいままでほとんどリズムゲームの類は扱ってこなかったので、メーカーサイドも戸惑うことすらあったと思うのだが、インタビューのアテンドから監修まで、じつにきめ細かくご対応いただけた。改めて、感謝しかない。
この特集を見ていた中で、俺がとくに「おお!! これは良記事!!」と驚いてツイートまでしてしまったのが、前出の“譜面制作チームへのインタビュー”だ。
これ、何が斬新かって、ふだんメディアの前に立つプロデューサーやディレクターといった“顔役”ではなく、制作の現場でバリバリに作業をしている中枢の“生の声”を拾えている点だ。
俺も、ゲーム記者生活は25年以上になるし、インタビューや座談会は誰よりも多くこなしてきた自負があるんだけど、こういった“中の人”の声を聞ける機会ってじつはそんなに多くはない。表で発信するのはあくまでもプロデューサーを始めとした責任者の仕事で、現場の人は黙々と作業をすることがふつうだからね。なのでメーカー側も、インタビューの対象者として挙げることがほとんどないのである。
でも今回は前出のスタッフから、
「『プロセカ』を遊んでいていちばん気になるのは、譜面の作り方!! 可能だったら、実際にその作業をしている人に話を聞いてみたい!!」
と熱心に言われ、俺のほうからダメ元で、メーカー側に打診を入れさせてもらったのである。
おかげで、上のリンクにあるような良記事ができて、ガチスタッフともども感動していたわけだけど、これを読んで改めて、思ったことがひとつある。それは、
「こういった、ゲーム作りの最前線で働いている人に、もっともっと取材して記事を書いていきたいなあ!」
ってこと。
対面取材はコロナ対策もあって難しい面もあるけど、いまはオンラインでもできるし(やりにくいけどね)、なんだったらメールでの一問一答でもいいから、現場の生の声を拾っていきたいなと思ったのである。
そして実際、コロコロオンラインの人々とも、そういった記事……もしくは連載ができたらいいねと話している。さらに、今回の『プロセカ』特集のように、スタッフがキチンと熱を持って対象に向き合える記事を定期的に作っていければ……なんて話もしていたりするのだ。
取り留めのないコラムになってしまったが、分厚い『プロセカ』特集を読んで思ったことを書き綴ってみました!
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。